■前回までのあらすじ!
琵琶湖一周を無謀にも挑むまりおさん。
やはり無謀だったので。
半分過ぎたくらいで夜になる。
そしてパンクをして、途方に暮れたところで
iPhoneを落とすというダブルショック!
どうする?どうなる?まりおさん!
■どーしよもーねぇー!
いや、とりあえず冷静になって考えよう。
どこでiPhoneを落とした?
何度か道を確認するために見たはずだ?
記憶をたどると少し前の駅前辺りで見た、というのは確実っぽい。
…、戻るしかあるまい!
戻る、ということは帰還距離がマイナスになるということだ。
だが、このまま何もせずにあきらめるのも悔しい。
戻る!
そう、そして街灯はまばら。
自転車の小さなライトだけが頼みの綱。
だが、そう大きな道でもなく落ちていたら直ぐにわかるはずだ。
戻る!
あせる、しかし集中して探せ!
無い!
あきらめるな!
暗いよー!
泣くな!
疲れたよー!
うえーん!
と言っている間に駅前まで来た。
ここまで間のどこかに落としたはずなのだが、
みつからなかった!
しかし、その判断も合っているのかどうかはわからない。
もっと前で落としたのかも?
いや、溝に落ちて分からなくなっているのかも?
数々の疑念が私を襲うが
絶賛疲労中の頭では良い考えは浮かばない。
また少し進んで。
また少し戻る。
ちょっと歩いて探してみる。
…。
ダメだーーーーー!!!
■切り替えろ!
頭を切り替えるんだ!
私はこういうときの判断と決断力にすぐれた人間だ!
(そう思い込む!)
なので、結論は!
(結論は?)
あきらめる!
(あきらめるーーッ!??)
■もうこうなったらなにより帰ること優先だ。
きっちりすっぱりiPhoneはあきらめる!
(でも~)
ていッ!!
(痛い!)
いや、ほんとう帰りたい。
ここへんからは帰ってお風呂に入ってフトンに潜り込むことを
リアルに想像することで、なんとかその時の状況を乗り越えていたんだと思う。
私の精神は究極の場所に居た。
過酷で熾烈、悲壮感が半端ない状態において、
私は悟りを開いた僧侶のごとく
おだやかな琵琶湖の湖面のように明鏡止水の心を会得したのです。
自転車はパンクしてるし
まったくもって進まないけれどもな!
しかし、行程の4/5くらいは来ている気がする。
というか意識が飛んでいるのかもしれない。
■そしてタクシーを呼んで自転車積んでもらって帰ればいいじゃないか。
という少し前に思ったこと。
もう、こうなったらそれもアリか。
そう思ったのだが。
どうやってタクシーを呼ぶんだ?
iPhoneは無いのに!
あーーーー!!!
そうだった!
そして地図もiPhoneだよりだったので道もわからぬ!
いや、だいたいはわかるけどもねー。
不安!
■とまぁ、そんな感じで。
あとはただひたすらに
ペダルを漕いでいたよ。
大津あたりに着いて。
京都へ抜ける道がわからずに、少しまた迷って。
比叡山とかから抜ける道は自転車では危ないのはわかっていたので、
行きと同じ山科を抜ける道を探すのですが。
なぜか道路案内の青い看板あるじゃないですか?
あれが行けども行けども同じ標識だった気がするンですが、幻覚?
ずっと右が京都になってるんだけど、
一度そっち行ったら違ってて引き返したりした。
このときは深夜2時だっかた3時だったか。
■朦朧としながらもようやく、山科への道を発見。
あぁ、とりあえずまだまだ距離はあるけれど
知っている道に出た。
安心。
コンビニも増えてきたわ。明かりって暖かいのね。
オニギリを買って食う。うまい!
普段飲まないコーラを買って飲む。超美味しい!
五臓六腑にしみわたるッ!!!
あ、新聞配達の人達と頻繁にすれ違うぞ!
あっはっは!
あっはっは!
■もう登り坂でなくとも自転車を降りたり。
また乗ったり。
なんとかかんとか。
にんともかんとも。
京都疎水あたりまで来て平安神宮へと抜けて来ました。
やったー!
やったぞー!
私は京都に帰ってきたのだー!
鴨川!ステキやん!
てくてく。
がたごと。
すっとことーーん。
この苦労を五億文字くらいにして書き記したいが。
そうなると読む人が辛いのでここらへんでやめておこう。
とりあえず8百万キロカロリーくらいは消費した気がする。
びわ湖一周ダイエット!
自宅のアパートに辿り着いたのは
朝5:30。
出発したのは前日の
朝6:30。
つまり、私は23時間、自転車を漕いでいたのである。
それはもうほぼ24時間と言っていいだろう。
私は一日、自転車を漕ぎ続けたのである!
■琵琶湖一周の起源は、『マラトンの戦い』で勝利したことを伝えるために
内海まりおさんという兵士が琵琶湖一周を走り、
鴨川に着くと「喜べ、勝った」と叫び息絶えたという故事に礎づいています。
■もとづいています。
何を言ってるんだ?
(そっとしておいてやってくれ…)
とりあえず、息絶える事はなく、無事(無事?)帰還することが出来ました。
よかったよかった。
そしてお風呂が気持ちよいー!
シャワーだけで済まそうかと思ってたけど
風呂の栓をしめたままでシャワーをあびていたら
気付くと、湯船がいっぱいになっていたよ。
そんな感じ!
ともあれ良い体験でしたよ!
よかったよかった!
(そう思わないとやってられねーからなーー!!!)
めでたしめでたし!
完!
■というわけで長かった「琵琶湖一周自転車紀行」はここでおしまいです。
でも、良い後日談が少しあったので。
またあとでちょっとだけ書くよ。
まま、ひとまず「めでたし!」ってことにしておいてくんなせえ!
ここまで読んでくれて、どうもです!
琵琶湖一周自転車旅行は十分な準備と余裕を持って行いましょう!
(身を持って実感!)
楽しんだよ!
タノシンダヨ!
あはははははは!
完!
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