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2020年2月24日月曜日

【漫画感想】ベルリンうわの空 香山哲


■なんかちょうど良い感じの漫画だ。
激し過ぎず、
かと言って優し過ぎず。
ちょうど良い塩梅の生活がここにある。


■いろんな場所での生活を試みていた作者が
ドイツはベルリンに住んでみての
エッセイ漫画みたいな感じである。


■新しいところに住んでみると
新鮮な発見があって良い感じだ。
そこに住んでいる人にとっては当たり前なのにな。
ひるがえって今まで自分の住んでいた場所の当たり前も
他の人にとっては違和感を覚えるものなのかもしれない。


■ベルリンの町が凄く良いって話ではなく。
ただ日々発見があるのだ。
それは違う場所の人が見つけやすいというだけ。

■そして外国人という立場に立つこともできる。
意外と外国人にならないまま生涯を終えてしまう人も多いだろう。
それは他人の気持ちを考えるチャンスが少し減るということ。


■まぁ、そんなことはさておき。
作者の日々の発見が楽しいし。
どんなことを考えたとか
どんな気持ちになったとか
いろいろ知れて興味深い。


■それでいて結局、どの場所も根本的には変わらない部分が多い。
でも特徴があって少しずつ違う。
なので今何かに不満を持っている人は
場所を変えるだけでスッキリ何かが片付いてしまうこともあるんじゃなかろうか?
それは引っ越しまでしなくても
隣町を散歩するだけでも良い気がする。


■そしてさらに本当は自分の町すら
よく知ってなかったんじゃないかってね。



■いろいろ、見て、知って、考えてみるのは
面白いことなんだよね。
そしてそれらは生活に結びついてゆく。
全てのことは生活のために作られているのだ。

いろんな国がある。
いろんな人がいる。
それらが世界を造っている。

なんてね。

散歩にでも行くか。






■香山哲さんの漫画は以前からちょくちょく読んだり読まなかったりだったのだが
この「ビルドの説」から急に引き付けられるようになった。
ネットで読めるよ。












2020年2月23日日曜日

【映画感想】アニメーション映画「音楽」【#アニメ映画音楽】


■映画「音楽」観た。
感動して泣いた。

困難に立ち向かったり敵を倒さなくても、前には進める。
むしろ何も障害物はないのに前に進むのは難しかったりするので。
停滞しながらも最後まで突き進んで行くことがとてつもない感情を呼び起こす。
すげぇ映画だ。


■不良高校生三人組なんだけど。
別段社会に不満があるわけでもないし
教師に立て付くわけでもない。
代わり映えのしない日常に退屈しているわけでもないし。
程々の日々にそれとなく生活している。

■たまになんか面白いことしようぜ、と
他校に殴り込みに行ったりする。


■そしてそれを言うのが
リーダー格のヒゲでスキンヘッドの研二って奴だ。
喧嘩も強いからか後の二人も彼には絶大な信頼を置いているように見える。
研二がそう言うんならやろうぜ、ってなる。

■そんな研二が唐突に
「バンドやろうぜ」
なんて言い出す。
音楽だ。
ものすっごい適当に音楽を始める。
皆でいっせいに音を出してみる。

退屈でもないが興奮でもない日々に暮らしていた
三人の心が少し熱くなる。

「なんか良いよね」


■三人とも無口であまり感情を出さない感じなのだが
特に研二は輪をかけて無表情で
楽しいんだか楽しくないんだか
よくわからない奴だ。

■なんやかんやで近所の小規模な音楽イベントに出ることになって
そこでの音楽の演奏で
無感情だった研二の心が爆発するのだ。


■それだけの映画だといえばそうなのだが。
それだけで十分ではないか。
むしろそれこそが全てだろうがよ。

■そしてそこに至るまでの日常が
なんでもないようで
後から思い出すと青春の全てのようで
たまらないのだ。
少しずつの幸せが積み上げられている。


■意図的なのかどうなのか
不満とか不安とか焦燥とかはあまり描かれてないような気がする。
それでいいと思う。
ただ少しずつ面白かったことや楽しかったこと。
愉快な出来事が綴られていく。


■そして最後のライブの時に
「ちょっと俺、緊張してきた」
「俺も」
って言う。

本当に凄く楽しいことの前には緊張がある。
なぜならそれは本気でやろうとしているからだ。

自分の本気が間違っていなかったと信じたい。
良かったと思ったあの感情は偽物ではないはずだ。

だから怖い。


■でも、楽しいんだからしょうがない。
前へ、前へと突き進むのだ。
そしてあの夏の空へと飛び上がるのだ。

あぁ、なんて嬉しい物語。















2020年2月15日土曜日

【絵仕事】魂ネイションズ TAMASHII Cyber Fes【#cyberfes2020エントリー】

【追記】マンガで解説漫画もう1本描きましたよ。



またまたマンガで解説! TAMASHII Cyber Fes、はじまるよー!! | 魂ウェブ 

ツイッター:魂ネイションズ公式/魂フィ

「TAMASHII Cyber Fes 2020」会場



バンダイスピリッツ魂ネイションズ
TAMASHII Cyber Fes

と言うわけで
久々にお仕事で広告漫画みたいなの描きましたよ〜

ネットでのフィギュアのお祭りらしい。
2/21〜23なんだけど
クーポンが貰える事前登録ってのが
2/16締め切りなのでお早めにチェックだぜ。



マンガで解説!TAMASHII Cyber Fesってなに? | 魂ウェブ 



■バンダイスピリッツ魂ネイションズが開催する
初の“フィギュアエンターテインメント バーチャルイベント”、
TAMASHII Cyber Fes 2020。
『機動戦士ガンダム』シリーズ、『仮面ライダーゼロワン』から
ビッグアイテムを発表予定!#cyberfes2020エントリー 
https://cyberfes.net/

魂ネイションズ公式ツイッター。



開始日時にもう1本漫画が出ますよ。

ホームページを偶然見つけて依頼してくれたっぽい。
あっちは全然更新してないけど残しといて良かったな。
あとベリーハーブスのハーブス先生の流れのキャラを出せて良かった。
◆UTUMI Mario◆ 内海まりお








2020年2月5日水曜日

【同人誌通販&ダウンロード】オリジナル本&ドリフターズ本【追加お知らせ】

そんな感じで同人誌の通販ダウンロード
ちょこちょこ追加です。

■紙本:メロンブックス通販



■電子ダウンロード:DLsite

オリジナル「箪笥の中」「豆腐人生」「太陽の塔内部見学」
ドリフターズ本「オタクイズデッド」「シン・ドリフ」

買おう!明日のために!





2020年2月4日火曜日

【映画感想】テリー・ギリアムのドン・キホーテ


■とても良かった!
ドンキホーテは生きているんだよ!
こういう物語が描きたい?
こういう物語になりたい?
語り継がれる物語の主人公とはこういうことだ!
それは呪いで祝福なのだ。
現実を物語に!


■本当に世界は自分があると思うようになる。
現実世界なんてのは誰かが叶えた夢なのだ。

■新進気鋭の映像監督がスランプにおちいり。
スペインの田舎町でうだうだと悩んでいたところ。
自分が学生時代に作った映画と偶然出会う。

そしてさらにその撮影地はここからそう遠くないところだった。

■撮影現場を抜け出した彼は
あの頃の想い出を追いかける。


■彼が撮った映画は「ドンキホーテ」だった。
出演者も交渉して村の人に出てもらった。
彼らは今どうしているのか。

■全ては変わってしまっていた。
頑固オヤジだった酒場の店主は虚な目で
お前のせいでウチの娘は外に出て売女となった!
と、彼をなじる。
そうだあの主役の爺さんドンキホーテ役をやってくれた
靴職人の爺さんはどうなった?
酒場の親父は言う
狂っちまったよ。
…え?それはどういう?


■村の外れに見世物小屋があった。
ボロボロでみすぼらしい建物だ。
しかしその中に彼はいた
靴職人の爺さんはそこに
あの頃と同じ騎士の鎧兜を被り

「私はドンキホーテ!偉大なる勇者だ!」
そうグルグルとした目で言うのだ。

「おぉ!お前は我が従者サンチョではないか!」
映像監督の彼を見つけそう言うと
そのボロ屋を飛び出し冒険の旅に出かけるのだった!



■そんな感じで
ドンキホーテの物語をそのまま描くのではなく。
どんどんと夢と現実の区別がつかなくなるような
幻なのか妄想か。
物語なのかどうなのか。
全てが分からなくなるような不思議な話なんだけど。

頭のおかしい人間の戯言ではなく。
真っ直ぐに前に進んでゆく人物として
とても輝いて見えてしまって。
そのパワーに圧倒され。
現実の諦めの気持ちなどが流されてゆく。
妙な感動で泣いてしまうのでありますよ。


■なんてことだ。
そうなんですよ。
こうなのだ!

■創作の初期衝動を思い出す。
人生の目指した憧れを復活させる。

実際はそううまくいく物じゃないから
しょうがないよね、
なんて言葉をくつがえす!


■溢れ出る情熱がここにはありますよ。
うるせぇ、てめえら黙っときーや!
邪魔をするだけなら帰ってもらおう。

現実を生きる君には
まるで
彼が狂っているように見えるのだろうが。

違うよ。

■狂っているのは君たちなのだ。
自分の夢を自ら潰して
心が狂い現実でしか生きられなくなった。
君たちが狂っているのだ。
他人の夢をせせら笑うことで
なんとか正気を保っている狂人なのだ。


■なのでさらばだ!
私は冒険の続きがある!
姫が待っておるのだ!
ゆくぞ!従者サンチョよ!
果てなき冒険の旅路へと!





あぁ、ティムバートンの「ビッグ・フィッシュ」と根本で同じところですな。
嘘つきの言う本当のことの強さ。
このドンキホーテの方はティムバートンよりも野蛮ですけれども。
それはワイルドってところで。







2020年2月2日日曜日

【漫画感想】惑星をつぐ者 戸田尚伸


■ジャンプの打ち切り漫画の話になると
必ず出てくるこの漫画
「惑星をつぐ者」
単行本1巻完結。10話もない感じかな?

■1995年連載で
結構面白かった印象があるのだけど
あまり話覚えてなかったり。

そんで昨今kindle出てたので
買って読んで見たのでした。


■そしたらば、これが面白い!
すっごいSF、スペースオペラでありながら
北斗の拳とかジョジョの奇妙な冒険のテイストもある。
冒険アクション活劇だったのですよ!
ハヤカワSF小説的納得度でありながら
ちゃんと少年漫画になってる!


■少し未来、
宇宙には様々な宇宙人がいたが
そこは弱肉強食の世界
他の宇宙人に比べて弱かった人類は
奴隷として支配される存在と成り果てていた!


■ヒャッハー!働けー!
ひ弱な地球人どもめー!

■そんな強靭な種族に立ち向かう一人の人類種がいた!
彼の名はバラダット・ナイブス!
科学者であった彼はどんな環境にも対抗できる
特殊細胞を自らの体に打ち込み
他種族に対抗できる強靭な体を手に入れた!

その細胞の力による光の刃
スパイラルナイフを駆使し、
困難に立ち向かう!


■そんな感じで1話ごとに
新しい惑星に行って
新しい種族と出会ったりして
とても面白い感じなのです。

スターウォーズの宇宙冒険感もあって。
知的好奇心も満たしてくれる大変濃密な良作なのですよ。



■多分、もう少し後に始まったら
ちゃんと続いていた気もする。
早すぎた名作ですな。


■まぁ、あとちょっと絵柄が垢抜けないってところもあるけど。
それを補って余りある底力がこの漫画にはありますよ。


■あ、そっか今なら海外ドラマでやれそうな漫画ですよ。
漫画とか小説のクリエイターの方ならかなり刺激を得られるかと。
スターウォーズみたいなの描きたいけど
長くなるから無理かなー、
なんて思っているあなた!

1巻完結でちゃんと面白いスペースオペラがここあります!
出来るんだよ
面白いものは!












2020年1月25日土曜日

【小説感想】夜行 森見登美彦


■森見登美彦の愉快な腐れ大学生の方ではなく、
幻想と怪奇の妖しい美しさを醸し出す方の小説です。

■これが思った以上に怖い!
正体不明の影がずっと付き纏う。
そして嫌なのが、
全部が明らかにはならない、
ってところ。

■何か解決したように見えて
よくわからないまま
それはまぁそういものだ、と
とても異常な状態を
現実の真実のように言われて
大変に恐ろしい。

■夜の世界に光が差し込んで終わるのだが。
私の中にはまだ夜の影が残っているのだ。
オタスケ!

■大学時代の英会話教室で知り合った気の合う五人が
10年ぶりに再会する。
京都は鞍馬の火祭りに行こうではないか。
と、集まった。

10年前も彼らと火祭りに行ったのだった。
その時は六人だった。
長谷川さんはその夜に失踪したのだった。
そして今も消息は不明のまま。

■そんな仲間が10年ぶりに再会する。
鞍馬に近い貴船の宿で積もる話もあり盛り上がる。
私が、ここに来る前にとある画廊で見た
不思議な絵の話をすると。
皆、その絵に心当たりがあった。
それぞれはそれぞれに別の場所で
その絵を見たという。

尾道

奥飛騨

津軽

天竜峡

私以外の四人はそれぞれの場所で
その絵を見、
少し不可思議な体験をしたというのだ。

ひとりひとりその話を語り出す。

■そんな感じで4つの場所の
4つの短編があって
それはそれぞれ
独立した話なのだけど。
最後でそれらがキュッとまとまるわけなのですよね。

四人が語ったあと。
主人公の私の話が
鞍馬で始まって終わる。

■何やら怪しげなものを見たり
恐ろしい体験をしたりするのだけど。
単純に幽霊だとか化け物の話ではないのが
逆に怖いのだよねぇ。
そして怖いのだけど
美しいのだよ。
それだから困ってしまう。
取り込まれてしまいそうな美しさ。

■最後は夜の世界から一転
朝の日の光が降り注ぐ場面で
スッキリ爽やかに色々諸々が解決したかに見える。

■しかしそこにはやっぱり一筋の影が残っていて。
ふと思い出すとあれはいったい何だったのか。
彼はその後どうなったのか。
ほんの少し気になってしまう。

だけれども私たちはとても美しい出会いをしたのだ。

■なんて感じですよ。
怖い!
でも、美しい!
アレはいったいなんだったのか。
あの絵はいったいどこに繋がっていたのか。

ぐるぐる、
ぐるぐる、と。
宵闇に火の粉は舞い落ちる。



試し読みなど↓









【映画感想】劇場版メイドインアビス〜深き魂の黎明〜



■いやはや素敵でした。
とてもとてもパワーがあって
気が狂いそうな情熱。
愛と冒険の煮詰め地獄!

こ、殺す気かーーッ!!
ふぎゃーーー!!
お、おが、おががががが!!
ホゲーーーーーーーーー!!!

ばたり。

…。
むくり。

■そんな感じで素晴らしい映画でしたよ。

■はてさて。
テレビシリーズの続編なので
テレビや原作を知らずこれだけ見るのは難しいですが。
冒険の一区切りにはなっているので
ちゃんと一本の映画になっていました。

■いやー、私はテレビアニメは見てたんですが
原作は読んでない人なので
衝撃の展開の数々!


■それが何ていうか
物語を盛り上げるために作劇的に取り入れられた展開とは感じずに。
登場人物の彼らがそこにいるから起こる
どうしようもない現実的な出来事なのだろうなぁ、
と感じられて。

そう、つまり物語がまるで現実であったことのように感じられて
おののくばかりの衝撃なのですよ。


■冒険者たちが目指す巨大な穴への冒険。
その穴の中には数々の秘密がある。
そこにしかいない謎の生物は未知で凶暴。
そこかしこに廃棄されている未知のテクノロジーの残骸は魅力的。
そしてその穴に入ってしまったものは
一度下降してしまえば上昇することは叶わない。
それは物理的に上がれないというわけではなく。
何かウイルス的なものなのか、はたまた呪いのたぐいなのか。
上昇すると血を吐いて死ぬ。
よくて気が狂って死ぬ。

■そんな危険な場所なのに
冒険者は後を絶たない。

彼女らもその好奇心が止められなくやって来た。


■危険はある。
しかし探求の喜びはそれを上回る。

■何かを望むならそれ相応のリスクはある。
何かを犠牲にしなければならないこともあるだろう。
パーティを組んで冒険に行くのならば
その犠牲は仲間の命かもしれない。

■「お前の犠牲は無駄にしない!」
なんてセリフが冒険物語ではよくあるけど。
この映画ではそれを本当に無駄にしない。

犠牲を無駄にしない。
血の一滴。
骨の一本まで無駄にしない。

そしてその犠牲の等価交換は
無慈悲で強制的だ。
なす術が無い。

■それぞれがそれぞれに
何かを犠牲にしながら
前に進み続ける。

そんな素敵な物語ですよー
(満面の笑みでニッコリ)


■とても凄惨なシーンがあります。
肉体的にもですし
精神的にもとんでもない。

しかし彼らはそれを飲み込んでいくのだ。
アビスの底へ、底へと向かって!


■そんな感じでアビス(深淵)のエキスパート、
ボンドルドって人が非道の限りを尽くすんだけど
別に悪い人じゃ無いのよね。
探究心のままに地道に研究と実験を重ねている
真面目な人なので。
マッドサイエンティストって感じでも無いのよね。
私は結構好きな人です。

■アビスの呪いから身を守る「カートリッジ」
深層に潜るために必要な「白笛を作る材料」
これが物語の伏線となって
最後にきっちり意味のあることとなっていくの。
得も知れぬ快感がありますよ。


■なんてことだ。
なんてこったい。
どうしようもなく。
どうしようもねぇ。



■しかし物凄く血肉の通った物語。
こってりまったり滋養があって。
少し甘い。
甘露なる調べ。

はぁー、とんでもねぇなぁ。
ぐったりするほど面白い!
ははッ!