■CMで見た印象と全然違って
ものすごく濃度の濃い物語だった。
なんとなくチビなウサギちゃんがその身体的ハンディを乗り越えて頑張る
みたいなイメージだったけど。
それどころじゃなかった。
世の中の全ての問題に落とし込まれる物語だったのだ。
■普段「人は皆平等でなければならない」とか
「戦争をなくして平和な世界に!」なんて言っている人達の話は
冒頭の10分くらいで終わる。
話はそこからなのだ。
■言うだけじゃなくて
実際にどうすれば変わるのか。
そこまで展開していなければ
いつまで経っても世の中なんか変わらない。
そんなことが物語に沿ってまざまざと見せつけられる
■しかし幾度となく人間に感動し
そして絶望し
そしてまた希望を抱く
それがこの一本の映画の中で繰り返される。
自分がやられて嫌だったことを
まるっきりそのまま人にやってしまっていることを。
そしてそのことにまったく気が付いていなかったことに。
■この世界は動物が進化した世界で
その進化の折りに知性により
肉食動物も草食動物もみんな仲良く暮らして行ける世界が実現した。
その中でさらにズートピアという巨大都市は
完璧なる共存共栄の世界を創り上げたのだった。
しかしそれでもやっぱり”種の違い”はまだまだ大きな壁となって残っている。
表面上はそうとは見せないし社会的にはそうではないと言っている。
■だけどもそれらの"違う人達"は自分と違うものを
偏見と思い込みで見ている。
「そうでない奴もいる」と言っても
ひとりでも悪い奴がいれば
「やっぱりアイツらは”そう”なんだ」
と全部ひとまとめで
「自分と違う理解出来ない種族」
という烙印を押しているのだ。
心の奥底で。
■そんな感じで。
いわゆる差別を徹底期に深く深く彫り下げて行っていて
それでいてちゃんとエンターテイメントで
観ている子供達も楽しい気持ちになる映画なのよねー。
良い人ばかりじゃないよー。
でも、悪い人ばかりでもないよー。
あなたが悪いと思っている人も
それはあなたの思い込みの偏見で
そう思っているだけかもしれない。
そんな当たり前のことだけど
大人でさえ、つい忘れてしまって
”敵”見つけ叩いてしまう。
■いじめられっこを助けるのは当然のごとく、
いじめっこすらも助けてしまうのよね。
そう、大抵の人は
「悪い奴は”こういうことを思っているに違いない”」
という思い込みに凝り固まってる場合が多いしねー。
■いや、まぁさておき
見終わると人間っていいなー
カワイイなー
楽しいなぁ、愉快だなぁ。
なんて、
楽しくて泣いたり。
悲しくて泣いたり。
悔しくて泣いたり。
嬉しくて泣いたりしますよ。
こんな物語を考える人がいるんだから
未来は断然明るいと思えちゃうのです。
いやはや映画って本当に良いですねー。
■あと、そんな深いことは考えずに
子供は輝く世界にワクワクしているし
女の子はラブストーリーとして見てたりするので
様々な人が違うレイヤーを見ても楽しめてしまうのは
ディズニーとかピクサーあたりの底知れぬ凄みですよねー。
強いなー。
追記:
羊?の副市長は長い年月の努力と我慢を経て、
ようやく子供の頃のジュディをイジメていた肉食獣の位置に来れた。
と思うと涙を禁じ得ませんね。
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— UTUMI Mario 内海まりお (@mariouji) 2016年5月1日
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