2015年9月27日日曜日

芦奈野ひとし「コトノバドライブ」2巻【漫画感想】

■この人の漫画
少し不思議な世界の日常を
包み込む様に描き切り、
その圧倒的な表現力で
凄く共感を得られてしまうのです。


■この作者の以前の2作は世界自体が少しSFな設定でしたが
今回のこの作品は世界自体は少し未来の普通の世界って感じなんですよね。

(あ、もしかしたらヨコハマ買い出し紀行の少し前の時代なのかも)

そんな普通の世界でひとりの女の子はバイト先にバイクで通うありふれた日常なのですが、
この子が少し変なものを見てしまう。
土地の記憶なのか、風景の想い出なのか、
ときどき目の前の風景が全然別の、驚きの場面を浮かび上がらせる。
ほんの5分の不思議で
別段、害があるわけでも、何か効果があるわけでもない。
ただ、見える。

■そんな異質な風景がなんだか「わかる、わかる」と読者の記憶の想い出を掘り起こすのですよね。
なんだか見たことある様な気がする。
そういえば子供のころ、そんなものを感じていたな。

描いている絵は現実とは少し離れた不思議な風景なのに。
そう、思う。

■きっとたぶん、これは作者が普通に現実を見た風景なのだよね。
もちろん漫画としてそれっぽくはしているけど。

海に向かう崖を登って考えたことや。
月を眺めながら感じたこと。
ふと蘇る昔の記憶はどこから来たのかと想像したり。
あの頃感じた本当か思い違いなのかよく分からない感覚。
結局、なんだか分からなくて解決していないあの現象の話やら。
ちょっと旅行したときに落ち入った不思議な景色。

それを、そのまま、あますことなく
描き切っているから。
不思議なのに現実のことのよう。

■これまでこの作家さん知らなくて。
今、興味が出て来たのなら
この漫画からでも読むと良いですよ。


全てが柔らかく夜にとけ込んで行きます。


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