自動

ラベル 漫画感想 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 漫画感想 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2025年2月2日日曜日

【漫画感想】宝石の国 市川春子


■うぉおおおお!

面白れーーッ!!!

こんな話に着地するのか!

なんということ!

なんということだ!

人間の魂を成仏させ。

全ての命を救ってしまった!

う、うわー〜〜ー!!


■両手を挙げ

奇声を発しながら

夜中の町内を疾走!

キエェエーーーッ!!!

ボ、ボルツーーーッ!!


…はぁ、はぁ、はぁ。


ばたり。


むくり。


ただいま!


■というわけで漫画「宝石の国」全巻読んだんですよ。

アニメは見ていてすごい好きだったんですけど。

漫画はなんかオシャレ感がして読みにくいなー、

なんて当時は思っていて

数話見ただけで読むのをやめていたんですよね。


■それがこないだ完結したとのことを聞いて。

いっちょ読んでやるか、

と重い腰を上げて

読み始めたら。

スルスルと読めてしまう!


そして面白い!

世界の構造が!

秘められた謎が!


先生が!


フォスのアホンダラー!!!


■もうグングン読んでしまって。

あっという間に最終巻!


というか、初めは月人を倒してめでたしめでたし。

な話だと思っていたのにー!

二転三転していって。

しかしもシリアスなシーンに

結構スルリとギャグっぽいの入れてくるじゃないですかー。

上手いなぁ。


■そんなことやりながら。

人間の本質に迫ってくるのだよね。

宝石人間という異質な生物を通して。

そしてさらに人間の幸福とは何か?


どうなれば人は満足して

心穏やかに成仏することができるのか?

私たちは一体何のために生まれて。

何処から来て、何処へ行くのか。


この漫画に全て描いてあるんですよー!


怖いーーーッ!!!


■そして究極の幸福を得ることが出来たのです。

圧倒的な絶望と、押しつぶされるような孤独を通過してだけどねー。

満面の笑みで。

ニッコニコで。



■それと毎回巻末に、

「収録されてる内容は、

作品の執筆年代、

執筆された状況を考慮し、

コミックス発売当時のまま掲載しています。」


なんて書いてあって?

何に対しての配慮なんだろう?

と思っていたが。


この「宝石の国」

救世の方法であり、

人々の魂を救い幸福に誘う道しるべであり、

もはや、悩める愚衆がすがり求める

「宗教」なんですよね。


なんか本当に完全な魂の形がわかってしまった…。


なんてわかったことのように感じてしまいますもの。


透明で、ピカピカと輝いていて。

そうそれはまるで宝石のような…。



■キエーー!!!(手刀で宝石を叩き割る!)


といったそんな感じで

とても良かったのですよ。

私の心はもはや仏!

全てを許し、

全てを無に還します!


やったー!

人間の全ては救われたぞー!


めでたしめでたし。


結晶だけが見ていたとさ。


宝石の国|アフタヌーン公式サイト - 講談社の青年漫画誌

 

宝石の国(1) (アフタヌーンKC)


極楽京都日記: 【漫画感想】プリニウス  

極楽京都日記: 【漫画感想】ザ・キンクス 榎本俊二  


2024年5月21日火曜日

【漫画感想】プリニウス

 


面白い。

物知りおじさん放浪記。


プリニウスは古代ローマ時代の博物学者で

割といいとこの生まれで軍人でもある。

そんな人が色々と自由に行動できる身分だったので

自分の好きな博物学に邁進し、

世界のあらゆる物を見て回ろうと旅をしたりする話だ。


歴史的には色んな大変なことが起こっているのだが

プリニウスはそんなこと知らねー、

自分の知りたいことをもっと知りたいんじゃ〜!

と、自由気ままに行動をする。

なので物語的にはこれといって凄いことは起こらない。

実在の人物であるから大体史実通りなのである。


しかし、それがなんとも面白い感じで読めてしまうのだ。


まぁいわば変人なので。


そんな人の行動を追って行くだけで楽しい。

そしてその当時の風俗や民衆の雰囲気、果ては政治的状況まで。

まるでそこにいるかのように感じられる。


NHKの大河ドラマでやると退屈になりそうだが。

動物観察ドキュメンタリーに近いのかもしれない。

我々はプリニウス氏を生涯に渡って密着取材を敢行した、

みたいな。


解説にも書いてあるのだが、

博物学と言っても当時の最先端であるだけなので。

現代からしたら全然嘘の

伝説や民話的な想像の生き物や言い伝えを記録してある。

しかし、その当時にはそれは本当だったのだ。


それは回り回って現代を生きる我々が

現代に知られていることは全て真実である、

と思い込んでしまうことに近い。

未だ、人類が知らないことは山ほどあるのに。

過去の人より賢いつもりになってしまう。


まぁ、なんというか知識欲と好奇心の塊のような人で

嫌いになれない人物なのですよね。

周りの人は振り回されるのですが。

そういう人はいてもいい。

というかいた方が良いんですよね。

なぜなら世界が面白くなるからです。

世界が面白くなって困ることなど無いですからね。


そんな彼の最後は火山の調査に出向いての死。

みんなやめとけって言ったのに。

そんなところも彼らしい。

とても魅力的な人物ですよ。

楽しい漫画です。


プリニウス 1巻 (バンチコミックス) @amazonより 


プリニウス (全12巻)   @amazonより


極楽京都日記: 【漫画感想】ザ・キンクス 榎本俊二  

極楽京都日記: 【漫画感想】ダンジョン飯 最終13&14巻  

2024年2月29日木曜日

【漫画感想】ザ・キンクス 榎本俊二


パズルや手品のように日常が分解されて再構築されていく。

起こっている出来事は違う人が描けば何もないつまらない日常なのに、

出てくる人々も本当ならば生きづらい日々を送ってしまいそうなのに、

それらの全てが、ものの見事に輝いている。

世界が美しく見える瞬間がある。

楽しいし愉快だし、

気を抜くと世界の秘密を知ってしまいそうになる。

なんだこれ!?

騙されるな!大成功です!


ゆっくり映画のオープニングのように世界を描写していたかと思えば

一コマごとにどんどん結論が変わってゆく展開で

セリフが小気味よく跳ねてゆくんですよねー。


榎本俊二漫画は半分読んで半分読んでない感じで

「ムーたち」とか大好き人間です。

なんなんでしょうねこの人の漫画。

深く感動する話でも、泣ける話でもない。

ギャグ漫画ではあるんだけど、

妙な爽快感がある。


そう、すごく心地よいってのが通底にあるんですよね。

重い話にならないもの心地が良いし。

何か思想を押し付けてこないのも心地が良い。

とても居心地の良い疾走感のみがあるんですよ。


だからと言ってスポーツの後の爽快感でもなく。

笑った後に何も残らない空虚さもでもない。


凄そうで凄くない。

でも人生の中に不意に現れる

奇跡の瞬間をくるっと捕まえていたりするので

手に負えない。


本当に世界の秘密があるように見えて。

全然そんなことはないのかもしれない。

でもまぁ、全てがぐるっと円環で繋がったら

面白いじゃないですか。


そんな漫画ですよ。

どんな漫画ですか。

わかんないよ。

わかんないのかよ。

でも、まぁなんか良い感じなのよ。

良い感じならいいじゃないか。

そう、とても良い。

心地よい。


そうして、

この世の全ての呪い恨みが

消滅いたしました。


ありがとうございました。


とりあえず1話読めるので読みなされ。

ザ・キンクス - 榎本俊二 / 第1話 うれいらずたのぼー | コミックDAYS 


極楽京都日記: 【漫画感想】ジロバッグ 榎本俊二  


2023年12月18日月曜日

【漫画感想】ダンジョン飯 最終13&14巻


■うわー!最終巻13&14巻読んだー!

すげー!

あまりの面白さに悶絶している。

サイコー過ぎる…ッ!!


■悪魔との対峙と解決でまだ終わりではないのだよなー!

あらゆることが怒涛の勢いで決着していく!


■悪魔を悪い奴と描くわけでもなく、

かと言って本当は良い奴なんてこともせず。

ちゃんと人間の埒外の恐ろしい思考をする存在として描かれてあって、

うっとりしてしまう。


■圧倒的絶望感!

なのに悪魔の結論は皆を幸せにすることで

自分自身の欲望も叶える。

何も悪いことはないような気はするのに。

それは絶対的に最悪だと分かる。


無邪気に楽しそうに。

怒りもせず。

淡々と実行してゆく。


■そして今や渦中の中心人物となってしまったライオス!

彼の気持ちが分からないという読者の人も結構いたみたいだが。

これで分かってもらえたんじゃないだろうか。

そうなのだ、彼はそうなのだ。

ちゃんと純粋にそうだっただけなのだ。


■迷宮の崩壊が近づく。

魔力が途絶えるかもしれない。

そうすると蘇生の魔法が使えない。

つまり本当の死が迫ってくるということだ。


■決断と実行をしなければ。

全てが滅び去ってしまう。

それともゆりかごのような幸せで永遠になるのか。


■…とかいったシリアスな展開なのに。

ギャクシーンはそこに向かって

ますます冴え渡るのだ!

もうなんか無茶苦茶笑ってしまったし。

泣きそうになりながら笑ってしまった。

マルシルは可愛いし、

登場人物たちはみんな愛おしい!

なんという幸せだ!


■そうして幸せな瞬間というのは

気心の知れた仲間と飯を食うことなのだ。

そうです、これはグルメ漫画だったのです!


■いやー、当初グルメ漫画ブームの折であったので。

作者本人はファンタジーの方が描きたくて

グルメ漫画の皮をかぶって編集者の要求に応えつつも

本来のウィザードリー的迷宮を描くのだな!


…なんて思っていましたが。

そのグルメ漫画部分でも本気だったのだ!

しかも人間の食欲という根源的なところまでも

掘り興してしまうような途轍もないパワー!


■食こそ全て!

人間は食によって成り立っている!

引いては世界とは食により存在し得るものなのだと!


そう!

豚肉1日7000キロ、

卵1日5万個、

鶏肉3000キロ、

餃子1日200万個。 

食は万里を越える!


食は王将にあり!


もとい!

食はダンジョン飯にありといえよう!


■さぁ、皆で食卓を囲もう!

暖かいスープを飲もう!

焼きたての肉を食べよう!

新鮮な野菜を!

絶妙な調味料で!

抜群の調理法で!


それが人間の生きる力!

世界平和の道はここからなのだ!

食え!

話はそれからだ!

ダンジョン飯 13巻 (HARTA COMIX)  @amazonより 

ダンジョン飯 14巻 (HARTA COMIX)  @amazonより 


「ダンジョン飯 13巻」九井諒子 [ハルタコミックス]



TVアニメ「ダンジョン飯」公式サイト



極楽京都日記: 【漫画感想】ダンジョン飯4巻 久井諒子  

極楽京都日記: 【漫画感想】九井涼子:ダンジョン飯3巻  

極楽京都日記: ダンジョン飯 2巻 九井諒子【漫画感想】  

極楽京都日記: 「ダンジョン飯」九井諒子【漫画感想】  

極楽京都日記: 【映画感想】ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り  





2023年9月17日日曜日

【漫画感想】3月のライオンとドリフターズ



3月のライオンとドリフターズの新刊がほぼ同時期に出た。

両方ともすごく面白い。

というか異様に面白い。

気持ち悪いくらい面白い。

もはや怖い!

いやー!殺されちゃうよー!

オタスケーッ!


そしてその両者は似ている。

天才が悩みながらも前進する話でありながら。

その天才により努力の秀才が踏みにじられる。

いや、その天才は踏みにじっているつもりは毛頭なく。

ただただ一生懸命に、

むしろお互いに頑張っていけて楽しいよね。

みたいなキラキラした目で見つめてくる。


その天然の野生児。

生まれつきの戦闘狂。

彼らは彼らで自分のことで精一杯で

悩み苦しみ進んでいるのだが。

その周りで、自分の性で苦しんでいる人がいるのを知らない。


そんな天才にやっとのことで追い付けたか?

と思うも、彼らは既にもう一つ上に高みに達していて、

その暴力的な力をブンブンと振り回している。

それも満面の笑みで。

とても楽しくって嬉しいよね。

そんな同意を求めてくる。


たまらない。


やってられるか。


でも、面白いよね。


この世は面白ければ全て良し。


弱者に寄り添う物語より

強者と強者が全力でぶつかり合う物語が面白い。


そしてその天才しか辿り着けない地獄も。


だからこそ時折挟まれる

甘い食べ物が美味しそうだし。

間の抜けたギャグがより味わいを増す。


甘いのしょっぱいの

無間地獄である。



極楽京都日記: 【漫画感想】ROCA いしいひさいち  

極楽京都日記: 【小説感想】「流れよわが涙、と孔明は言った」三方行成  

極楽京都日記: 【漫画感想】ロマンガロン まどの一哉  



DLsite 麒麟がくるといいね/まり王 


2023年8月5日土曜日

【漫画感想】ROCA いしいひさいち




■なんか私より少し年上の漫画家さんたちがこぞって大絶賛していて

なんなんだろう?と思っていた。


いしいひさいちといえば四コマ漫画で

「ののちゃん」で「おじゃまんが山田くん」の人で

実家は朝日新聞だったのでののちゃん読んでいた気はする。


だけれどもそれほどすごい人だとは思っていなかったので。

同人誌の通販とか知っていたけど買わないでいた。

そのうち関西コミティアとかに来られたらその時買おう。

くらいの感じだったのだ。


■んで、kindle版が出たと言うわけで

そんならば読ましてもらいまっせ。

どんだけのもんじゃい!

と上から目線で読み始めたのである。

■ストーリータイプの四コマのやつで140ページくらいで一巻完結。


結論を先に言えば震えて変な顔をして泣いている。


いや、別段よくある話で

女子高生が歌に目覚めてミュージシャンを目指すってやつだ。

ロカは多分才能があるんだろうけどボンヨリしている。

そして悪友の柴島ちゃんヤンキーというかヤクザの娘というかちょっと怖い。

二人は友達になって。

柴島は別にバンドのメンバーになるわけじゃないけど、

ずっとロカの隣に居る。

それがとっても頼りになるのだ。


■そんな二人の日常がチマチマと描かれてゆく。

そして、段々と前に進んでゆく。


面白いのは初めのうちは些細な出来事を

丁重に綴っているのだけど。

先の未来に進むにつれ。

その余白というか行間が多くなる。


ライブの始まりの緊張から一転、

次の瞬間にはライブ終わりになっている。

ライブ自体は端折られているのだ。


■そんな感じでトントン拍子に

ロカの人生は進んでゆく。

でも、その描写を飛ばされた時間も。

読者はありありと思い描くことができる。


出会った人たちの愉快さや優しさ。

面白い偶然の出会い。

落ち込みそうにもなるけれど

ガサツで乱暴者の柴島ちゃんはいつも寄り添ってくれる。

彼女のパワーにとても救われる。



■そうして飛び石のように見せられた彼女の人生は

アッと思った瞬間に終わる。

最後はザックリと端折られて。

本当にアッと思ってしまうのだが。

その間のことはなんとなくわかる。

とても良いシーンだけがポツリポツリと描かれて

おしまい。

(バカめ!これはラストシーンじゃないぜ)

■映画になるよねこれ。

アニメ監督とかこれ絶対映画にしたくなるでしょー。

ストーリーは断片なのでいくらでも付け加えられるし。

実写映画でもいいなー。

でも、実写にすると絵がしょぼくなりそうだから。

アニメ映画が良いなー。


あー、良いものを見た。

なんたる。

なんたるや。

ROCA: 吉川ロカ ストーリーライブ  @amazonより 


紙の同人誌も通販で買えるみたいよ?

極楽京都日記: 【映画感想】君たちはどう生きるか  

極楽京都日記: 【100文字SF漫画化】「狐狸ビル」【北野勇作シリーズ百字劇場「納戸のスナイパー」より】  

極楽京都日記: 【2023 5/18】上御霊神社:御霊祭の還幸祭  

ファンアート。


高畑勲が生きてたら映画にしそうだ。

「じゃりん子チエ」に近くもあるよね。



2021年4月18日日曜日

【漫画感想】ロマンガロン まどの一哉


■巨大ロボット漫画だ!

もはや、一ジャンルとして確立している感じがあるが。

それでもなお延々と描き続けられるロボットモノという物語。


まぁ、もちろんまどの一哉氏と言う

ガロ系のメジャーとは言えない作風の作者の描くものであるので。

それは少し奇妙なモノにはなってはいるのだが。


■だがしかし!

この巨大ロボットの物語構造に組み込むと

なんだかとても壮大で

大きなことを成し遂げたような感動が押し寄せてしまう。



■「ロマンガロン」は裏エヴァンゲリオンのようだ。

世界規模の大きなことが起こりつつ

個人の感情もあったりする感じで

そこは同じなのだけど、

描く人が違うと全然違うモノになるのが面白い。


■なので、みんな巨大ロボットモノを描くと良いよ。

全ての人の数だけ別の巨大ロボット物語がある。


巨大ロボットには作者の過去が反映されるし

その好みも思想も全てが曝け出されてしまう。


しかし、だからこそ面白い。

本当のことが虚構を持ってして表現される。


■ロマンガロンは地球防衛組織に配備されている巨大ロボットである。


しかし、それがいつからあるのか誰も知らない。

どのような仕組みで動いているのかさえわからない。


どうやら死者の魂で動き。

御供養セットのロウソクに火を灯すことで作動する。


そして時折見える涅槃の風景。

不穏な動きを見せるロボット都市。

謎の敵巨大ロボットの侵略。

空から突如降ってくる謎の壊れた機体。

ロマンガロンは一体だけではなかったのか!?


■そんな大スペクタルドラマなのですが、

なんかのんびりとしている気もするし。

とてつもなく重大な真理に向かっているのかもしれないが、

それは分からない。

人間はただただ大きな渦に飲み込まれてゆくだけなのだ。


■さておきロマンガロンはカワイイよ。


普段ロボットモノとか苦手な私も楽しめた。

なんだか映画を見たような充実感があるよ。

1巻完結!

するりと読みなされ。


■エヴァンゲリオン好きな人も嫌いな人も

もっと昔のロボットが好きな人も嫌いな人も


人の数だけ巨大ロボットはいるのです。

さぁ、あなただけの巨大ロボットを胸に。


なければ作ってしまいなさい。


■いや、しかしこう、物語の骨子はそのままに

作者による肉付けが変わると

同じようでいて全然別物になるの面白いなぁ。


世界よ、安寧なれ。



極楽京都日記: 【漫画感想】脳のない男 まどの一哉  

極楽京都日記: 【漫画感想】隊長と私 クリハラタカシ  

極楽京都日記: 【漫画感想】アキエ・ルイト 他 黒谷知也漫画  





2021年2月1日月曜日

【漫画感想】大砲とスタンプ 9巻最終巻 速水螺旋人


■ぎゃー!終わってしまったー!

いや、しかし戦争が終わったぞー!

バンザーイ!バンザーイ!

そう、戦争、ダメ!絶対!


■でも、みんな気持ちの良い奴らだったのよなぁ。

戦争はろくなもんじゃないのに、

そこにいる人たちは軍人も含めみんな悪い人じゃないのよな。

馬鹿な上官も別に悪いことをしてやろうなんて微塵も思っていない。


■しかし、面白いのはそんな状況であればこそ。

ひとりひとりの人間の本質が見えてくるような気もするのだ。

欠点としか思えなかったものが有効に使われたりね。


あぁ、本当に良い奴らだったなぁ。

泣いちゃうよもう。


■思い通りにはいかないものだけど。

せめてもの行動を。

最善の戦力を。


武器を運べ!

食料を運べ!

日用品も必要だ!

司令書があればどこまでも!

そう我らが兵站!

タイプライターギャングなのさ!


あはははは。


■良い人であれ嫌な奴であれ。

運が悪けりゃ死んじゃうし。

運が良ければ生き延びる。

神様なんてのはもし居たとしても、

何にも見ちゃいないだろうさね。


だから人間が踏ん張るしかねぇ。


■だけども一体この戦争ってのは誰が始めたものなのかね。


誰も幸せにはならないってのにさ。


この戦争に勝てばきっと良い時代がやってくるなんてさ。


まぁ、相手の物を奪えば豊かになるのは通りなんだけどさ。

それにしちゃ損害が多すぎる。


なんてこった。

なんてこったいですよ。


人間は浅ましいですね。


■あぁ、でもね彼らは気持ちの良い奴らだったんですよ。

本当にもうね。

ちゃんと故郷に帰れたかしらね。


幸せになっているといいね。


どいつもこいつも幸せになれ!

ですよ。


■そんな感じで最終巻は映画の如く

小気味の良い見たかったドラマが怒涛の雨嵐。

あぁ、見ろー!

ここに人間が居るぞー!

やったー!





生き残れ〜!

みんな〜!



極楽京都日記: 【漫画感想】男爵にふさわしい銀河旅行 速水螺旋人  

極楽京都日記: 【漫画感想】螺旋人同時上映【速水螺旋人短編集】  

極楽京都日記: 【漫画感想】大砲とスタンプ3(速水螺旋人)