自動

2018年1月28日日曜日

【小説】黒女とトニーケニー


「こんにちは、あなたは誰?」
「こんにちは、私は門番です」

「そこを通してはくれませんか?」
「ダメです」
「なぜです?」
「王様の許可がない人は通すことはできません」


「王様はどこにいますか?」
「この門の向こう側です」

「…これまでにこの門を通った人はいますか?」
「ひとりもいません」

「あなたは優秀な門番ですね」
「私は優秀な門番です」
「いつからあなたはここにいるのですか?」
「千年は昔からです」

「王様は本当にいるのですか?」
「王様はいつだって皆の心の中にいます」

「そうです、ここはあなたの心の城壁。あなたの王は心を閉ざしてしまった」
「あなたは誰ですか?」

「私は医者です、王様の病を治すためやってきました、王からの手紙もあります」
「ふむふむ、間違いないようですね」
「そうです、間違いありません」
「では、お入りください」

「ありがとうございます」
「お医者さま…」
「なんでしょう?」
「きっと王様を治してくださいね」
「えぇ、きっと…」

門番はそう言うとまた前を向いて守護の任務をまっとうした。



極楽京都日記: 世界の仕組み。 


追記:

もちろん道の先には城は無く、
王なんてもいやしない。
この世界の王は先ほどの門番なのだ。
私は少し時間を潰してから
元の道を戻り
門番に「王様は良くなった」と言うだけだ。

それで彼の生命は回復することだろう。

安心が必要だ。

安寧で満たされる。

良い旅を。


2018年1月27日土曜日

【小節:戯曲】「サーカス物語」ミヒャエル・エンデ【感想】


「はてしない物語」「モモ」のミヒャエル・エンデの作品
子供向けの戯曲なのかしら?
セリフと舞台設定の説明で進んでゆく。

現実と空想の世界を描き。
世界の中心的内容をサラリと書き上げてあるので
うなってしまうのです。

現代社会への皮肉やらはちょっと鼻に付くのですが
ならば理想的な社会とは何なのかを
ちゃんと書いているのが凄いところ。

具体的に何かを書いているわけじゃないのだけど。
そこを目指すための中心はこれだよね。
ってのをスルリと。

単純な話なのに
グッときてしまう。

人は何を望んで
人は何を間違えるのか

なんてね。

「明日の国」なんて名前とても良いね。

小さい頃に読んでも良いし
大人になってから読むのも良いね。


■ここ数年、古本市とかで児童文学の名作などをあさっていて
随分と読んでないのが溜まってしまったので
ちょこちょこ読み進めておるのです。

ちなみに「はてしない物語」「モモ」も未読なんですよね。
まりおさんは読むべきだとよく言われるヤツです。
読まねばなぁ。


2018年1月22日月曜日

The donut hole is abyss. ドーナツの穴は深淵。



そうですあなたはドーナツに住んでいるのです。
世界はドーナツだったのです。
丸い地球の上に住んでいると思うから
色々な間違いが生じます。
ドーナツに住んでいると考えれば
あなたの人生の悩みの大半は解決したも同然です。

その世界に中心はありません。
あるのは穴です。
しかしその穴も、穴のようで穴ではない。
表から見ても裏から見ても穴。
それはもう短いトンネルではないでしょうか。

あなたの心の真ん中にはトンネルがあるのです。
そしてそれはもはやただの通路です。

その通路の周りにあなたは暮らしている。

通路とは流れ行く時間であります。

時の周りをあなたはウロウロとしている。

過去、現在、未来。

ドーナツ自体も動いています。

その周りは宇宙空間のように無限の広がりです。

あなたのドーナツ以外、何もありません。

移動しようとも静止しようとも
何も変わりはありません。

しかしドーナツの中央には通路があります。

通路は進むものです。

あなたは
進みます。

ドーナツの上をぐるぐると彷徨いながら。
ドーナツ自身もさまよいます。

穴を覗き、思いを馳せます。

何もありませんが。
あるような気もします。

そのようにお考えください。


極楽京都日記: ツノゼミ 

極楽京都日記: 手異人 

2018年1月21日日曜日

メールの返信が速い人は考える時間が長い


「メールの返信が速い人は考える時間が長い」
なので
「メールの返事が遅い人は考える時間が短い」
ですね。

簡単にいうと「後でやる」は愚策!
結局他のことにかまけたり
だらだらと日々を過ごし
なかなか後ではやらない!

それどころかそのことを忘れていたりする!

それが個人的なことなら良いが
相手のある仕事だと
あなたのその適当な行動で、
相手の時間を無限に奪い続ける!

この泥棒野郎め!

なので私はメールを受け取った瞬間に何かしら返事をすることにしています。
受け取って数分で何も考えつかなかった場合は
「とりあえず今週末くらいまでに何か返事します」
と、日時を指定して返事をします。
そうするとその日を過ぎて私が返事を忘れている場合でも
相手が「あの件どうなりましたかね?」と訊ねやすくなります。

■それを何も返事しないまま、無言で放置していると
相手側は「もしかしてちゃんと届いてないのでは?」
などと不安がどんどん増していきます。

信頼している場合だと
「ははぁ、2週間も返事が無いということは、どんどん具体的に話が進んでいるんだなぁ」
とこの案件は成功に向かってズンズン進んでいるのだと思ってしまいます。

■そんな時に
「すいません、忘れてました。上司に聞いて見ましたけどやっぱりダメでした」
なんて返事が返ってきたものなら
そのショックは計り知れなく。

あなたの評価は下がるどころか
マイナスに転じます。
「あぁ、この人はいい加減な仕事をする人なのだな」
そう、思ってしまいます。

まぁ、とりあえず相手の時間を奪って
なおかつ自分の価値を落としてしまわないように。

メールの返事はお早めに。

とりあえずの返事を瞬間に出しましょう。

■あと、私のメールチェックの頻度は
「1日1回」
「金土日は見ない」
としています。

このメールチェック頻度もお互いに確認しておかないと。
「携帯と連動して随時チェックしている」人もいますし
「1週間に1回しかチェックしない」人もいますので。
その事前確認も重要ですね。

やれやれだぜ。


極楽京都日記: 説明力知性 


極楽京都日記: 極楽京都日記6.1:理解 

2018年1月14日日曜日

【アニメ】デビルマン crybaby【テレビドラマ】#DEVILMANcrybaby


あぁ、すごい良かった。
安直に都合の良い場所で降ろしてはもらえない
本気の突き抜け感が大変心地よかったです。


なので、難しい問題に対して
「仕方ないんだから、この程度でしょうがないでしょ?」
と言ってしまう人には凄いストレスになってしまうかもです。

だが、それが良い。


あいつが悪いのだから正義の力でぶっ潰せ!
では全然終われない。

そんなのは虚構の物語内だけの話だ。
自分に都合がよく、相手のことは御構い無しの
自己中心的な悦楽の欲望。


そして人間、悪魔、デビルマン
自分は何なのか?
所属を明確にすることで
思考は鈍くなる。
自分がなぜこんな行動をしているのか
理由もわからずに
自分はそうなのだから
そうするのが当然なのだ。
と、どんどん考えることを無くしてゆく。


「こんなことできるわけがない!」
と他人の行動を非難するのは簡単だ
それよりも
「私はこうする」
を研ぎ澄ませて行くほうが良い。


「良いか悪いかをオマエが決めるな!」
そう、何が良いか悪いかも自分で決めていかなければならない
誰かが言っていたからそうなんだ、ではなく
「私がこう考えるから、私はそう思う」
と自分で決断しなければならない。

そしてその決断に責任を取らなければいけない。


それは非常に面倒くさいから
決定は他人に任せて
それをあとから非難するのが
すごく楽で良い。

でも、そんな人はすごく簡単に操れる。


とまぁ、そんな感じで。
とても良かったのですよ。
ウヒヒヒヒ。


不動明のデザイン良いですなー。
私的にはずっと飛鳥了くん目線で見てました。
悪魔はそれほど悪い存在ではないんですよねー。
知能の高い猛獣ってだけで。
つまり人間を見れば悪魔が理解できて、
悪魔を見れば人間が理解できる。
でもどちらが優れているわけでもないから
その中間のデビルマンがいる。
そして他人の悲しみを感じて泣く。


たまらんですねー。
最後の3話くらいはガクガク震えて見てました。
全然物語の中だけの他人事ではないから。

君の思考の結末がそこかしこにある!

楽しいなぁ。



そして湯浅政明、電気グルーヴ、七尾旅人
私の好きな人が三人も揃うの嬉しすぎる!




【小説感想】中野ブロードウェイ脱出ゲーム


中野ブロードウェイは東京都中野区に実在するショッピングセンター。
4階まではショッピングセンターだが
5階以降上は高級マンションとなっている
10階建のビルディング。



昨今はオタク向けのアニメや漫画の店が多くひしめいている。
なんとも不思議な空間なのだ。

そんなところにフラりと迷い込んでしまった
冴えない高校生男子が事件に巻き込まれて行く。
いや、巻き込まれて行くというか
閉じ込められる。



偶然出会った女の子に導かれるまま
屋上に出たはいいがそこで地震が起こったのか
ビル内の緊急設備が作動し外界との接続を一切遮断されてしまう。
スマホもネットも繋がらない。

どうすればいいのだ?
そして何が起こっているというのだ!?

出口を求め中野ブロードウェイの探索が始まる。


そんな感じでこの怪しい建物の中を
上へ下へ左へ右へと迷いまくるのです。
突然の事故だったので。
当然建物の中には他の人たちもいる
ショッピングセンターに来ているお客さんだけでなく
その店の店主だったり管理人だったり
上層階の住人だったり。
その人たちが皆キャラが濃い、
ここはそういう場所なのだから、
ひと癖もふた癖もある人たちに出会ってゆく。


一人一人に人生がありドラマがある。
それを順に聞いてゆくと歴史が見えてくる
この建物の歴史でもある。
バブル時代に青春を過ごした人の話がいくつか出てくるのだが
私自身はバブルなんて知らなかったし
「あの頃は良かった」なんて言う人たちが大変苦手なのだが。
表面上の浮かれた楽しさの裏の話が多く、
大変興味深く読み進めてしまう。


ここに集う人たちは何かを秘めている。

そしてこの建物自体も何かを秘めていた。

大きな異変と。
長い年月をかけて実行され続けていた計画。

それらが怒涛のごとく一挙に押し寄せる。


作者のこれまでの作品の集大成のような
多面的な方向から、未来と、技術と、感情と、呪い。
そう、まるでテクノロジーの呪いのごとく。
過去から未来へと語られる。
しかし、祝される。
祝福される。
何通りかの祝福を読者は選ぶことができるだろう。



どこに進むのか。
どこに止まるのか。

あなたの居場所はどこなのか?



人生の意味について答えをくれるかもしれない。

はたまた、放り出されるだけかもしれない。


そんな感じがとても面白いのです。
好奇心と、安心と、自由が。
どこまでも進むのか。
ここを終の住処と決めるのか。

どちらも選ぶことが出来る。

そしてそれはどちらも可能なことなのだ。



なんてねー。

過去があって現在がある。
現在をブーストアップすれば
未来はすぐに現れる。
君の思い通りの未来が現れる。



中野ブロードウェイはバベルの塔のようでもあるのです。

うふふふふ。




2018年1月13日土曜日

【映画感想】キングスマン〜ゴールデンサークル〜【#kingsman】


英国の秘密組織。
イギリスなので紳士的でスーツでビシッと決めている。
なので正義で真っ当に楽しいのかといえば
何かゲスさが混じり合う奇妙な映画なのです。


というか基本的に解決策が暴力ですからねー。
なんだろう子供の天真爛漫な正義の味方ごっこを
大の大人が全力でやってる感じなのです。
もう基本、殴る殴る、撃つ、殺す!


マンガチックでありながら
人間の欲望をガッチリ描いている気もします。
悪の組織的な人たちが出てくるのですが
彼らの躊躇のなさが実に爽快です。
決断早いし、実行力は高いし、しっかり結果を出す。

その悪の有能さにキングスマンの組織は
あっさり滅ぼされかけたりもするのです。


そして舞台はアメリカへ。
イギリス映画だからちょっとアメリカをバカしたような扱いになるのかなー?
とか思ったけどアメリカはアメリカ流の礼儀があるのさ!
って感じでこっちはこっちでカッコいい!

そんなカッコいい奴らがタッグを組んで
悪い奴らのところに殴りこみだ!


ドンドンパンパン!
豪快なアクション!
死ぬ殺す、死ぬ殺す!
もう事の良し悪しなんぞの感覚は地平の彼方に。

そして現れるエルトンジョン(本人!)がすっごい活躍をするのです!
個人的に彼の活躍が一番良かった!^


なんつーか毒があって
クセがある映画なんですが
わたし的には大好物なので
終始ニヤニヤしながら観ていましたですよ。


もちろん感情的な話もスルッとありますし
真っ当な映画だと思います。
盛り上がるぜ!


カントリーロードで帰りたい場所はどこなのか?
アメリカ組織で黒人の女性がメンバーに選ばれるところとか
ニヤリとしますねー。


良きかなー。

あー、
英国でキングスマン
米国でステイツマン
次回作は
日本でサムライマン
とかやらねーかなー^


あと、前回で死んだと思った人が実は生きてました〜展開なので
今回死んじゃった人もきっと生きているはず!
ミンチ以外は^

ハンバーガー食べたい。



映画『キングスマン:ゴールデン・サークル』エルトン・ジョン特別映像



 #電脳マヴォ

【京都】相国寺〜林光院ふすま絵特別公開〜


水墨画でモノクロなのにカラフルに感じる
漫画のトーンの感じに近いのだ
濃淡で影を表現するんじゃなくて
色を濃淡で区別している感じ。

そんで、精密で繊細でありながら大胆でシンボリックな構図!
か、カッコイイー〜!



鶴、梅、蓮の葉など細やかで美しいもの。

大胆な龍。

そしてメインの可愛い猫ちゃん!
と思ったら虎なんだそうな。



そんでリスが描かれた部屋があって
そこはとてもカワイイ!
そんで蝶々がひらひらと飛んでいるのですよ。

あと、松が部屋の三方に描かれていた部屋は圧巻でしたわ。
心を掴まれる。



そんで、まぁあとでネットで検索したら画像は出てくるでしょ。
とか思ってたら全然出てこない!
なんてこったい!
お金がある人は図録かポストカードを買うがよろしいでしょう。


春にはお庭に良い感じの梅が咲くそうです。

第52回 京の冬の旅 非公開文化財特別公開
開催中2018年1月6日(土)~3月18日(日)[ 相国寺 林光院 ]
10:00~16:00(受付終了)
600円





極楽京都日記: 大文字登山。 

2018年1月7日日曜日

2018年賀


テンポが良いとはこういうことだ。

あけましておめでとうございます。
なんやかんやよい塩梅で
よろしくお願いします。







2018年1月6日土曜日

【映画感想】バーフバリ〜王の凱旋〜【#Baahubali2】



おぉおぉぉおお!すごく!良い!
アメリカのアクションが筋肉パワーで、
中国のアクションがスピードとしなやかさ、
だとしたら
バーフバリは「しなやかな筋肉!」
流れるような淀みなさで、
パワーが染み渡るのです!



そしてこれは王の話なのだ。
王の資質とは何なのか?
それが言葉ではなく実感として理解できた!

王とは資格ではない。
血筋ですらない。
ならば王とは「力」なのか。
圧倒的武力があれば王足るのか?
それも違う。
ならば王たる器とはなんなのか?
民衆に慕われること?
徳を持つということ?

「徳」なんとなく知ってはいる観念だが
この映画で理解できた
バーフバリ、彼が持っているものがそうだ。
彼の心に秘められ輝く光を放つものがそうだ。


そう!バーブバリ、
彼が王だ!
バーブバリが王なのだ!

私は彼に付き従おう!
彼のためならなんだってしよう!
それは幸福への道だと
私は確信を持って言えるのだ!

王を!
王を称えよ!


なーんて感じで。
映画を観ながら王とはこういうことか!
と感覚で理解できてしまう圧倒的パワーです。
女子は惚れる。
男子も憧れる。

なんという度量。


インドの王族大河ドラマみたいな感じなんですが
ものすっごく世界の中心を捉えていて
あぁ、これは民衆の心を掴むわ。ってわかる感じ。


もし「王になりたい」って人
まぁ、王まではいかないけど社長とか議員とか
偉い上のポジションにつきたいと思っている人は
見て「王たる資質」を学ぶと良いですよ。
失敗例も出てきますので。



あぁ、そうだなぁ天皇陛下とかに見てもらって感想聞きたい感じです。
意外と、北の総書記の人はこれをしっかり理解してそうな気もする。

ともあれ怒涛のパワーとしなやかさなので
なんともあふれ出んばかりに堪らんのです。
大満足!




あ、あと刃牙の作者の板垣恵介先生にも観てもらいたいなー。
この映画の主人公範馬勇次郎役も出来る!^

そんでこれ「2」らしいんですが
私は「1」を観てなくても十分楽しめました。
冒頭に、前回までのあらすじもあるしね。

そうそうダビンチの描いた戦車も出てた。