七尾旅人はミュージシャンなのね。
このライブDVDは兵士A君に扮した七尾旅人が
近い未来に起こりうるかもしれない戦争をテーマに曲を綴るライブ。
そのほとんどが未発表曲だという怒濤の3時間越えの圧倒的音空間。
■でも、なにやら反戦や反原発が読み込まれていて。
それは私的には凄く嫌な感じ。
だって、反戦を訴える人って凄く暴力的で
彼ら自身が戦争を体現しているように見えるから。
反原発もそう。
そして七尾旅人は凄く美しい歌を歌う人だから。
そんな怒りに押し出されたような歌を歌って欲しくないと思ってしまう。
■私が彼の音楽に出会ったのは
大学生のころだったか。
タワーレコードで彼のデビューアルバムを視聴した時だった。
私は逃げ出した。
2、3曲を聞くと逃げ出した。
圧倒的な才能!
恐ろしい!
何モノかになりたくて
でも、何モノでもなかった私は
「こんな凄く素敵で美しくて圧倒的な音楽を聞いてしまったら自分がもう潰れてしまう!」
と、そんな恐怖に駆り立たれ
とりもあえず、逃げ出してしまったのだ。
■まぁ、数年後落ち着いたあとはファンとなり
CDも全て順々に聞いては、打ち抜かれてたりしたのだが。
■そう、そんな思い入れのある人だから。
もっと美しい曲を書いて欲しい
綺麗な歌を歌って欲しいと思ってしまうのだ。
もう今の世の中が憎い。
貧困や戦争、911のテロリズム。
そして311の大地震。
それらの事象が彼に今のドロドロとした歌を歌わせてしまう。
でも、そのドロドロとした歌も
彼が歌えば美しいのだ、
そしてパワーもある。
■ならば、世界がもっと混乱におちいれば
彼はもっともっと美しい歌を歌うのではないか!
そうだ!世界をもっと滅茶苦茶にしてしまおう!
そして彼にそれを歌わせるのだ!
■なんてね。
それは違うことは分かっている。
■話は戻って
DVDのライブの音楽。
後半に入って来てその渦はどんどんと私を飲み込んでいく。
やはりどうして音楽はとても良いのだ。
その歌は透明で心地良く響いてゆく。
なんだかんだで
七尾旅人はミュージシャンで
エンターティナーなのだ。
人を喜ばせたい、
幸せにしてやりたい。
そんな想いの塊が
ゴンゴンと降ってくる。
■なにがなにやらだが、
まぁ、なんだ。
とても良かったのだよ。
良いものを見てしまった。
良い音楽を聞いてしまった。
なんてことだ!しまったことだ。
世界が少し良くなってしまったではないか。
なのであなたも機会があれば見て見るとよいよ
聞いて見ると良いよ。
■あぁ、もう!
悔しいなぁ。
そして、ありがとう。
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