2016年7月2日土曜日

短編小説■ひとりぼっちの魔法使い


私の名はルーコ・コロンビーヌ。
魔法使いだ。

世界は混乱と混沌を迎え。
人類は宇宙に飛び出した。
私も面白そうなので
移民船のひとつに乗り込んだのだった。

希望と不安がないまぜになる時間。
何世代かは順調に船での人生を送っていったのだが
どこに辿り着くでもない
目的ももはやあいまいだ。
人の数は徐々に減っていった。

そして私は魔法使い。
魔法使いは長生きだ。
入れ替わる世代の者達をずっと眺めていた。
楽しさも、悲しみも、喜びもあった。

そして、誰もいなくなった。

航海は順調だ。
当たり前だが人が少ない方が安全性は増す。
悲しみの物語に喜びを見いだす者には残念なお知らせだが。
私は今、非常に楽しんでいる。
性格的な問題だろうが
孤独も充分に楽しめるものだ。

大宇宙での大冒険だ。
楽しくないはずは無い。
もう何百年、何千年になる。
私の魂はぐんぐんと進んでゆく。

あぁ、そうだこんな通信を送ったのは
発見があったからだ。
星を見つけた。

星などいくらでもあるが、
人の住めそうな星だ。
とりあえずそこに着陸し、
種を撒こうと思う。
人の種だ。

長い宇宙の航海で科学の知識も多く身に付けた。
そして魔法使いの魔法があれば
いともたやすく、なしとげよう。

まぁ、なんだ。
こちらは楽しくやっていますよ。
ということだ。

そちらはどうだい?
笑顔の回数は増えたかい?

じゃあまたね。
時間は人により様々に流れる。

私は私の

魔法使いのお時間よ。












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