大好きです。
■最近のアニメとか見ると突然能力に目覚めた青年が勇者になり
セカイを救うために魔王を倒しお姫さまを助け出す。
みたいな。
いや、まぁそれはそれでいいのですが。
なんというか日の目を見ない若者に対する
キャバクラ接待物語みたいな感じでなんだかなー。
てな感じなのですが。
■打って変わって、この短編集は
「いやぁ、民衆は良いぞ。強いぞ、したたかだ!」
みたいな感じで非常に勇気の出る物語なのですよな。
誰にも知られる事もない、町のそれぞれの人達にも、物語はあるのだよ。
それは大抵間の抜けた話ではあるのだけれど
ここ一番の大勝負にはガッツリ頑張っちゃいますよ。
だって人生がかかっているのだもの。
世界に認められるヒーローになんぞならなくても
あんたひとりの為には戦っちゃうぜ。
なんてイキでイナせなコンチクショウ。
■なので主人公だけでなくその他の枠役の人達も
良い感じで人生を謳歌しているのが感じられて
とても心地が良いのですよ。
■人はそれぞれ何かしらの想いがあって生きている。
それがぶつかり合って、たまに戦争なんぞもしちゃうけれど。
それでも人間は良い物だ。
なんて、この物語を読むと思っちゃうのですよね。
「代書屋レオクリフの、」
戦時中のゴタゴタ時代に文化的な小説家を目指す学生代書屋。
思った通りにはいかない戦時中だからこそ、いろんな人の想いが交差する。
割と悲しんでいる奴はいなくて「俺はどうするべきか」を皆々が考えて言葉にして動いている。
恋の話も紛れ込んだりで、いやー、映画だねぇ!人生とは映画ですよ!
「聖女の砲声」
ナポレオンあたりの銃剣と大砲の時代。
ロシアの田舎町での小競り合いに聖女さまがおいでまし。
まぁ、なんだ神様みたい人が戦場にポイと出て来て
「おいしーもん食べさしてくれるほうの味方すんでー」
とかやっちゃうから、しっちゃかめっちゃか。
のんきで愉快な戦争に。
はぁー戦争ってなんなんじゃろなー、とか思ったり思わなかったり。
「ラクーンドッグ・フリート」
むかしむかしの未来の話。
人類が宇宙に進出してみたら宇宙怪獣みたいな敵がいてこりゃ一大事。
人間だけではどもならん、と魔女や妖精、妖怪変化と力を合わして戦いまっせ!
なんていうトンデモSF。
そして主役はタヌキなのでポンポコSF。
これ超好きです。愉快なり!滑稽なり〜♪
「ドクトルドラゴン」
ナチスが跳梁跋扈する戦時下で
「龍」を呼ぶ機械を開発するトンチキ博士。
それが本物かどうかはわからんが
ヒトラーさんそういうの好きじゃなーい。
そんなわけでその龍を呼ぶ機械を巡って
ドタバタ喜劇。
それでいてやっぱりそれぞれの人生が描かれていて
うへへ、と笑ってしまうのです。
そんな感じ、そんな感じ。
オススメよん。
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