まぁ、ここは手塚治虫でも黒澤明でもいいのだけど。
■何か企画を出す時には
その「企画の市場性」
つまり、これはこういう理由で売れます!
という理由を示さなければいけない。
「今、妖怪が流行ってますから妖怪モノが売れます!」
みたいな。
短絡的ですが、そうです。
■たとえば村上春樹が新作の小説を出すとします。
そこで編集者は企画書になんと書けば良いか?
簡単です。
「村上春樹だから売れる」
でオッケーなんですよ。
もちろん売れる理由は内容が良いからですが。
それを考える必要はないです。
村上春樹は有名だから売れる。
それでいいんです。
■そこで、ですよ。
もし村上春樹が匿名で自分の小説を雑誌に投稿したら。
編集者はそれをどうやって売るでしょうか?
小説はもちろん面白いので目に留まると思います。
しかし村上春樹が有名だから売れる。
という企画書は書けない。
内容を吟味して、そこから「売れる理由」が見つからなければ
それは出版されることはないでしょう。
■「編集長!この小説テーマは“愛”です!売りましょう!」
「オマエはアホか!新人の小説が愛とか言ってるんじゃねー!もっとフックのあるテーマ性のあるものを書かせろよ!」
とかなる気がするんですよね。
■みなさんも考えてください。
宮崎駿、手塚治虫、黒澤明が
まだ無名の駆け出しの新人として、企画者のあなたの元にやってきて。
すごく面白い物を見せてくれるのですが。
それは愛とか人生とか壮大なテーマで
企画書を書きにくいものだとしたら?
宮崎駿に「エヴァみたいなロボットバトル作ってよー」とか
手塚治虫に「最近グルメ漫画流行ってるからさーラーメン漫画描こうよ~」とか
黒澤明に「オタクが地下アイドルにハマって萌え萌え~って映画やってみない?」とか言ってしまいそうじゃない?
■まぁ、企画書を書きやすいか、
そもそもネームバリューがある人が作る。
の2択になってしまっているから。
突然天才が現れても
ネームバリューはないから
企画書を書きやすい作品を作らされて
なんか変な感じになってしまうんじゃないかなー、とか思ったわけなのです。
どう?そんなことない?
大丈夫?
■あずまきよひこの「あずまんが大王」1巻が発売したそのとき。
まだ誰もその面白さに気付いていない当時に。
あなたはその帯コメントにベストの言葉を書けるだろうか?
余談:今はネットで人気。ってのがネームバリューになるから。まず企画を出す前に有名になる必要があるのよね。
たしか「のぼうの城」が映画化の企画がなかなか通らなくて、
それならばと小説を書いてそれをベストセラーとしてヒットさせてから。
それをネームバリューとして映画の企画を通した。なんてのも。
それならばと小説を書いてそれをベストセラーとしてヒットさせてから。
それをネームバリューとして映画の企画を通した。なんてのも。
追記:
マコとマコトVol.39 連載のサジ加減 編集者の戦略
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