■突如宇宙から謎の巨大物体が現れる
そこにいる”彼ら”と意思の疎通を図ろうとする
政府と言語学者。
しかし、なかなか解析は進まず
中途半端な翻訳から様々な憶測が乱れ飛び
人類は混乱する。
これは地球の皆が力を合わせなくてはならないことのはず。
と言語学者は主張するが。
敵だったらどうする!と政府や民衆の疑心暗鬼は止まらない。
■しかしとある「兵器」を与えられ事態は一変する。
兵器という言葉から
ほら、やはり戦争だ!
と思ったのだがそうではなかった。
むしろ逆だ。
その戦争をなくすためのモノが
彼らから与えられたのだった。
それはなんなのか?
■争いとは
お互いの不理解によって起こる。
言語の違いはその初歩的なものだ。
同じ言語を使うものは、似た思考をする。
そして違う言語を使うものは、違う思考をする。
では、未だ理解できない言語を持つ彼らの思考とは?
■争う互いを理解し合うためには
相手の心を開いてもらう必要がある。
しかし、その扉は大抵の場合閉じられている。
その心の扉を開ける鍵は
「あなただけの秘密のパスワード」なのだ。
それを聞き出さなければならない。
でも、そう簡単にパスワードを漏らす者はいない。
■だったらどうするか。
仲良くなってから未来で本人に聞けばいい。
…ん?
何かおかしなことを言っている。
未来のことは未来にならなければわからない。
それは当然、当たり前にそうだ。
私たちの言語が理解する範囲ではそうだ。
■しかし彼らの言語では「時間」をどう捉えているのか?
今地球上にある言語でも
時間を、
長い時間、短い時間と「距離」で捉える言語と
膨大な時間、小さな瞬間と「量」で捉える言語とがあったりする
時間は歩いてゆく場所なのか?
時間は溜まってゆく物なのか?
それとも流れてゆくもの?
それはそれぞれの感覚によって変わる。
■人生を終えるとき幸せだったと思うために
その幸せだった時間をどう捉えるのか。
最終的な結果の状態なのか?
それとも総量で測るのか?
■なーーんてことを
映画の物語に乗せてうまいこと説明してるんですよねー。
もう知的に面白いですよー!
ほとんどが彼らとの交渉
もしくは相互理解の努力をするシーンなので
ほぼ密室劇なんですが
ものすっごい緊張感を持って
そんでもってなんだか妙にリアリティがある。
■あれ?これって世界の本質なんじゃないか?
なんて思ってしまうほどに。
この映画を見ることによって
新たなる感覚が開いてしまったんじゃないか?
なんて思ってしまえるほどに。
観る人間の感覚能力を進化させてしまえるような映画でしたよ。
■もう、理屈で平和を実現する感じで
たまらない感じでしたよ。
あいつとは絶対理解し合えない!
って人と分かち合えてしまうのです。
ナイス!
■あぁ、そうだ今やってる日本のアニメ「正解するカド」と同じくする部分が多いです。
やっぱりSF作品は人類を進歩させますよねー。
よきかなよきかな。
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バイリンガルは時間の捉え方が違う、と言うか使う言語によって時間の感覚が変わる。つまり言語が時間を支配する。これいろんな創作の仕方によって時間の捉え方が変わるのと似ている。一番特徴的なのは音楽をやっている人で1秒の密度が他のどれよりも濃厚だ。時間はゆっくりになる。— UTUMI Mario 内海まりお (@mariouji) 2017年6月5日