イングレスは
2チームに分かれ、
マップ上の起点を奪い合い、
囲碁のように陣地を拡げ、奪い合うゲームだ。
そしてこのゲームの特異性は
そのゲームマップが現実の世界の地図だということ。
現実にある建物。
神社や石碑、銅像や駅、郵便局、コンビニなど
さまざまな場所がゲームの起点になる。
その地点を自陣にしたいのならば
「自分自身が歩いてその地点に向かわなければならない」
このアイディアでこのゲームはとても面白くなった。
■ゲームをする人間は部屋に引きこもってなどいない。
どんどん外に出て行って、ぐんぐんと歩く。
近場にポイントがあればそこまで歩いてゆくのだ。
遠い所なら電車を使ってでも行く。
ふとした旅行先でゲームを始めることもある。
そう、現実の地図の全てがゲームのマップなのである。
既に世界中にその起点はある。
そして、青のチームと緑のチームに分かれるのだが、
そのゲームプレイヤーは全て現実の人間である。
コンピューター相手に戦うわけではない。
世界中にいるプレイヤー同士が同じチームになり
敵となったプレイヤー達と戦うのだ。
■なんて感じの面白いゲームで
スマホゲームであり
Googleが提供しているものなので
マップはそのままGoogleマップ
いまや世界中の人達がプレイしているゲームなのである。
あなたが暮らしている現実と同じ空間で
あなたはには見えないままに戦いが繰り広げられている。
■…と、長くなりましたがそのゲームのノベライズなのねー。
スマホのモニター画面から現実に侵食したゲーム。
それをさらに深く物語として紡ぎ上げることにより。
このゲーム世界は「現実になった」
小説内にも現実の場所が出て来て
そこで世界は見えない人には見えないままに変わっていく、
そんな話だ。
「それはゲームの設定じゃないのか?」
「ただの小説内の想像の物語だろう?」
そんな気持ちがどんどんあやふやになってゆく。
どこまでが現実でどこまでが人が造り上げたものなのか。
しかし、現実にある建物、道や橋、自動車に電車、飛行機
それらは全て人間が造り上げたものだ。
ゲームも小説も人間が創り上げたものだ。
それの違いはどこにあるというのだ?
自然だけが現実で
人間が創ったものは現実ではない
なんてことはないだろう?
現実と物語がどんどん融合し不可分になり
そうして、どんどんとあやふやになってくる。
どちららが現実でどちらが夢か。
■と、そこまでなら。
そういう物語もあったかもしれないが、
この小説はそこからさらに先に進んだ。
現実と虚構が反転し
未来と過去が入れ替わる。
本当の自分はなんなのか。
自分は今どこにいるのか。
生とはなにか
死とはどういうことなのか
意識、自我、
自分とは何なのか
何を持って私は私なのか。
それらの答えがダイナミックな展開で
怒濤のパワーでめくるめく。
うふふふふ。
「完璧な幸せ」を知りたい人は
読んで見ると良いのではないだろうか。
その方法がこの小説に書いてあるのだ。
■そんな感じで後半の渡辺浩弐のパートは
彼の小説の集大成みたいな感じでとても良かったのですよー。
読み終わったあとは興奮で寝付かれぬほど。
うっほううっほ!
オススメ!
2013年のゲーム・キッズ第一回 謎と旅する女 #ゲームキッズ
極楽京都日記: プラトニックチェーン 渡辺浩弐
極楽京都日記: 2013年のゲームキッズ(渡辺浩弐):小説
極楽京都日記: 「しあわせの書」泡坂妻夫:小説
買えてなかった本を買い中。星海社のことがちょっと嫌いになっていたけど渡辺浩弐さんはファンなのでしぶしぶ買ったのであった。なんでしぶしぶ買わないかんのや。 pic.twitter.com/P8PWr7Itf5— UTUMI Mario 内海まりお (@mariouji) 2016年3月18日
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