■とても良かった!
世界が滅びる様な凄いことが起こっているのに
ずっと日常をじっくり丁寧に描いていて心地良いのです。
映画的なドラマチックなシーンでもまるで日常の様に映される。
だってそれは日常だから。
漫画が東日本大震災のあとだったので
その頃の我々の情景がくっきり浮かび立つ。
■この漫画が載ってた雑誌は読んでたと思うんだけど。
この漫画は読んではなかったんだよね。
いや、時々は読んでいたのかも?
断片的には知っている。
でも浅野いにお漫画はなんとなく暗くてしんどいイメージがあったので
あまり好きではなかったのだ。
■しかし、この映画は面白いぞ!
そうか、こういう話だったのか!
もうどこまでも平凡な人間が平凡な人生を送るって話なんだけど。
本当はそれこそが幸せで
それこそが難しかったりするわけですよ。
■なので、正義の味方が悪を倒してスカッとするような物語を求めている人は嫌いだと思う。
まさに現実にはそんな都合の良いこと起こらないじゃないですか、と言うのを
執拗に描いてゆくので。
自分にとって都合の良いことが描かれていないから
怒って拗ねるなんて幼稚な人間め。
物語に逃げてんじゃねーよ!
と追い詰められてしまうのだ。
■そんなことを言いながらも
ちゃんと映画的に盛り上がるし、
全ての人物に愛が込められていて
誰も悪人としては描かれない。
それは逆に誰も正義ではないのだ。
それぞれがそれぞれに考えているのだから。
そうしてその違う考えの人同士がぶつかったりもする。
■そんな合間に彼女たちの青春はある。
世界は破滅に向かっているのに。
お構いなしだ。
だからと言ってそれは軽いものではない、
真面目なことを考えてるからって正しいわけでは全然ないのだ。
人生を楽しむことも出来ない奴が何を偉そうに言うな。
俺は苦しんで辛いのだから偉いのだ。
なんてアホなことを思ってしまう人間は
自分を棚に置いて他人ばかりを責めてしまう。
自分の価値観を人に押し付けるな。
■ほらー、やっぱり浅野いにおの話をするとこうなってしまう。
まぁ、とにかく地に足が着いた。
芯の通った根性の据わったアニメなので
観て損はないですよ。
パワーを感じます。
■どうしようもない災害に遭ったときに
自分の気持ちをどこに落ち着けるのか。
誰かのせいにしても意味はないのだから。
よりどころが無くなったとしても生きていける力。
そんなことを丁寧に積み上げていったかのような。
■前章を見逃していたので、
前章後章連続上映ってのでまとめて観たのでした。
前章は配信とかしてないっぽい?
あと配給がGAGA(ギャガ)なので。
というか一時期見る映画見る映画
GAGA配給だった時があったので
そういう人も合うと思う。
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