■とても良かった。
彼の人生とかもあるのだが。
音楽という存在がとても素晴らしいものだと感じられる。
冒頭の音楽の神が降りてくるシーン、よくわかる。
音楽には得も言われぬ瞬間があるのだ。
それがこの映画のそこかしこにある。
喜び。
■エルヴィスの子供時代
黒人集落のテントで見た
ミサとパーティが音楽によって奏でられてるシーン。
精霊が降りて来そうな混沌の坩堝。
音楽がその空間の世界を変えてしまう。
高まるリズムに心が高揚する。
精神が脈打ち圧倒的な快楽に打ち震える。
しかし頭はとってもクリアだ。
■あそこで全てが決まってしまった。
エルヴィスが人気絶頂になった時の
パーカー大佐の言う
「観客からの絶大なる愛、奴はそれの中毒になったのさ」
ファンから愛は恋人からの愛よりも強い。
その喜びは金では買えないし、
他の何事にも代え難い。
プロ野球の清原が薬物に依存したのもそれだ。
■しかし、それは麻薬ではなく。
本当にしっかりと良いものなのだ。
真実の幸福に辿り着いたと思えるほどに。
悟りを開いたお坊さんのように。
その手に掴んだのだ。
しかし、だからこそ
それを手離せない。
完全な幸せを捨ててしまうことなど出来はしない。
強欲なのではない。
チヤホヤされたいなんて域はとっくに越えた場所だ。
贅沢な暮らしはあのステージの絶頂とのバランスを取るためだけのものだ。
神が与えたたもうた福音には
それだけの副作用があった。
■現代ならば、対処の使用があっただろう。
しかし彼の時代にはなかった。
絶頂と共に蝕まれていくエルヴィス。
■そして42歳でこの世を去る。
だが、彼の音楽は残った。
ただの流行で終わらなかった。
多くの人の中に残り
多くのミュージシャンに影響を与え続けている。
■なんてことを
この映画では彼のプロデューサーでプロモーターの
パーカー大佐の独白で語るのだから。
それがどこまで本当なのかはわからない。
全部嘘かもしれない。
トム・パーカー大佐役のトム・ハンクスが
役作りのためにエルヴィスの妻だったプリシア本人に会いに行ったそうだが
彼女が言うには
「彼はすばらしい人だった」
とのこと
しかし付け加えて
「それなりに悪党だった」
とも言う。
■エルヴィスとパーカー大佐
「俺とお前は似ている」
というのなんだか分かる気がするのだ。
とても楽しい。
音楽よ永遠なれ。
映画『エルヴィス』オフィシャルサイト - Warner Bros
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— 内海まりお UTUMI Mario (@mariouji) July 16, 2022
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