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2020年2月29日土曜日

【観劇感想】小林賢太郎演劇作品「うるう」大阪2020 2/26


■小林賢太郎、お笑いコンビ、ラーメンズの片割れ。
現在はコント劇を中心に活躍。
その中でもこの「うるう」という作品は演劇寄りのものだ。

■その題名通りに「うるう年」を題材にしたもので閏年にしか開催されない。
今回で3回目。
つまり4年前と8年前にあったのだ。
そして小林賢太郎作品はほとんどDVD化されているのだが、
これだけはその時にその場所で観たもらいたいからとかで
DVD化されてないんじゃよ〜!

■そして私は今回初めて観たのだった!
それと言うのも実は8年前の初回チケットは取っていたのだが
その公演日の数日前に会社をクビになり
アワアワしていたパニック状態の中、
観に行くのを忘れる!と言う大ポカをやらかしてしまったのだ!
ショッキング!
しかしまぁDVD出るだろうからそれをみよう、
と思ったら出ない!
ダブルショック!

■そして4年後、2回目の公演時にはまるでお金が無い
極貧生活を営んでいたので
圧倒的無理!

■そんなこんなの8年を乗り越えて
やっと観たのであった!
ようこそ!
ウェルカム未来の自分!

■そして「うるう」とても良かったですよ!
基本、笑いをベースにやっているのに
どんどんと真に迫って来て
最後はもう感動させやがると言う
極悪非道の悪の所業!
あやつのいつもの手口ですよ!
なんてこったい!
泣いてしまうやろがよ!
この天才め!
ズルいぞ!!

■アレですよね「ポツネン」の中の1本であった。
うるう年に生まれて、いつも世の余り物になってしまう
ひとりの男の話。
小さなことから大きなことまで、

いつもひとつ足りない、いつもひとり余る。

■ポツネンコントではそんな彼の瞬間を切り取ったものだったが。
「うるう」ではそんな彼の一生を追った。
ひとりの人間の一生を描き切ったとも言えよう。

いつも自分のものはひとつ足りないし。
バディを作ると余るのはいつも自分だ。

そうだ、ならば僕がいなくなればいいんだ。

■そうして彼は森の中でひとり暮らす。

■そんな話なのにちゃんとお笑いとして
クスクスした笑いから
大爆笑な笑いまで。
それがもうこれまでのコントや何やらの集大成のようで。
全ての種類が揃い、
それの精度は極限まで研ぎ澄まされ、
密度ぎっちり、全力のパワーで殴られる。
心地良いカンターパンチで彼方まで吹っ飛ぶのだ!

もう、本当にズルい!
巧過ぎる!
かと言ってテクニックに傾倒し過ぎることもないし、
良い塩梅なのよね!

■物語にはうるうの青年、ヨイチ。
森に迷い込む少年、マジル。
ヨイチの両親。
育ての親の先生。
密かに恋心を寄せる女の人。
とかが出てくるんだけど。

■良く考えるとこれ
小林賢太郎のひとり芝居なのよね。
舞台には彼しかいないのに。
みんな居たんだよね。
だってカーテンコールにも出て来たし^

■そして音楽はチェロ演奏者徳澤青弦って人が
舞台の袖で生演奏しているのですよね。
しかもそれが常に舞台の端に存在していて
音楽だけではない微妙な関わりをしてくる。

■そして色々な伏線が見事に収束していくのよね。
しょうもないギャグで言っていたようなことすら。
相変わらずの理屈で詰める笑いもあり。
新しい技術を使った演出も多数。
言葉遊びな音楽に近い笑いも。

■それらが軽い感じでやって来て
うねって回って跳ねて飛んで
空の彼方にファーラウェイ。

■意味がわからんが、
観た人だけには分かるのだよ。
いいだろう。
まぁ、そんな感じでサイコーだったのだよ。

■いやー、本当観て良かったよ。
強い。
そしてドラマチックで
ファンタジック。
ここに全てがあります。
ヤッタネ!

■観たいと思った人も次は4年後だ!
やーい、やーい!
自慢〜。
と言いつつ今回カメラが入ったと言う情報もあるらしいので、
DVD化するかも知れぬよ。
知らんけど。

■ともあれ良かった!
大満足の大充実!










2020年2月24日月曜日

【漫画感想】ベルリンうわの空 香山哲


■なんかちょうど良い感じの漫画だ。
激し過ぎず、
かと言って優し過ぎず。
ちょうど良い塩梅の生活がここにある。


■いろんな場所での生活を試みていた作者が
ドイツはベルリンに住んでみての
エッセイ漫画みたいな感じである。


■新しいところに住んでみると
新鮮な発見があって良い感じだ。
そこに住んでいる人にとっては当たり前なのにな。
ひるがえって今まで自分の住んでいた場所の当たり前も
他の人にとっては違和感を覚えるものなのかもしれない。


■ベルリンの町が凄く良いって話ではなく。
ただ日々発見があるのだ。
それは違う場所の人が見つけやすいというだけ。

■そして外国人という立場に立つこともできる。
意外と外国人にならないまま生涯を終えてしまう人も多いだろう。
それは他人の気持ちを考えるチャンスが少し減るということ。


■まぁ、そんなことはさておき。
作者の日々の発見が楽しいし。
どんなことを考えたとか
どんな気持ちになったとか
いろいろ知れて興味深い。


■それでいて結局、どの場所も根本的には変わらない部分が多い。
でも特徴があって少しずつ違う。
なので今何かに不満を持っている人は
場所を変えるだけでスッキリ何かが片付いてしまうこともあるんじゃなかろうか?
それは引っ越しまでしなくても
隣町を散歩するだけでも良い気がする。


■そしてさらに本当は自分の町すら
よく知ってなかったんじゃないかってね。



■いろいろ、見て、知って、考えてみるのは
面白いことなんだよね。
そしてそれらは生活に結びついてゆく。
全てのことは生活のために作られているのだ。

いろんな国がある。
いろんな人がいる。
それらが世界を造っている。

なんてね。

散歩にでも行くか。






■香山哲さんの漫画は以前からちょくちょく読んだり読まなかったりだったのだが
この「ビルドの説」から急に引き付けられるようになった。
ネットで読めるよ。












2020年2月23日日曜日

【映画感想】アニメーション映画「音楽」【#アニメ映画音楽】


■映画「音楽」観た。
感動して泣いた。

困難に立ち向かったり敵を倒さなくても、前には進める。
むしろ何も障害物はないのに前に進むのは難しかったりするので。
停滞しながらも最後まで突き進んで行くことがとてつもない感情を呼び起こす。
すげぇ映画だ。


■不良高校生三人組なんだけど。
別段社会に不満があるわけでもないし
教師に立て付くわけでもない。
代わり映えのしない日常に退屈しているわけでもないし。
程々の日々にそれとなく生活している。

■たまになんか面白いことしようぜ、と
他校に殴り込みに行ったりする。


■そしてそれを言うのが
リーダー格のヒゲでスキンヘッドの研二って奴だ。
喧嘩も強いからか後の二人も彼には絶大な信頼を置いているように見える。
研二がそう言うんならやろうぜ、ってなる。

■そんな研二が唐突に
「バンドやろうぜ」
なんて言い出す。
音楽だ。
ものすっごい適当に音楽を始める。
皆でいっせいに音を出してみる。

退屈でもないが興奮でもない日々に暮らしていた
三人の心が少し熱くなる。

「なんか良いよね」


■三人とも無口であまり感情を出さない感じなのだが
特に研二は輪をかけて無表情で
楽しいんだか楽しくないんだか
よくわからない奴だ。

■なんやかんやで近所の小規模な音楽イベントに出ることになって
そこでの音楽の演奏で
無感情だった研二の心が爆発するのだ。


■それだけの映画だといえばそうなのだが。
それだけで十分ではないか。
むしろそれこそが全てだろうがよ。

■そしてそこに至るまでの日常が
なんでもないようで
後から思い出すと青春の全てのようで
たまらないのだ。
少しずつの幸せが積み上げられている。


■意図的なのかどうなのか
不満とか不安とか焦燥とかはあまり描かれてないような気がする。
それでいいと思う。
ただ少しずつ面白かったことや楽しかったこと。
愉快な出来事が綴られていく。


■そして最後のライブの時に
「ちょっと俺、緊張してきた」
「俺も」
って言う。

本当に凄く楽しいことの前には緊張がある。
なぜならそれは本気でやろうとしているからだ。

自分の本気が間違っていなかったと信じたい。
良かったと思ったあの感情は偽物ではないはずだ。

だから怖い。


■でも、楽しいんだからしょうがない。
前へ、前へと突き進むのだ。
そしてあの夏の空へと飛び上がるのだ。

あぁ、なんて嬉しい物語。















2020年2月15日土曜日

【絵仕事】魂ネイションズ TAMASHII Cyber Fes【#cyberfes2020エントリー】

【追記】マンガで解説漫画もう1本描きましたよ。



またまたマンガで解説! TAMASHII Cyber Fes、はじまるよー!! | 魂ウェブ 

ツイッター:魂ネイションズ公式/魂フィ

「TAMASHII Cyber Fes 2020」会場



バンダイスピリッツ魂ネイションズ
TAMASHII Cyber Fes

と言うわけで
久々にお仕事で広告漫画みたいなの描きましたよ〜

ネットでのフィギュアのお祭りらしい。
2/21〜23なんだけど
クーポンが貰える事前登録ってのが
2/16締め切りなのでお早めにチェックだぜ。



マンガで解説!TAMASHII Cyber Fesってなに? | 魂ウェブ 



■バンダイスピリッツ魂ネイションズが開催する
初の“フィギュアエンターテインメント バーチャルイベント”、
TAMASHII Cyber Fes 2020。
『機動戦士ガンダム』シリーズ、『仮面ライダーゼロワン』から
ビッグアイテムを発表予定!#cyberfes2020エントリー 
https://cyberfes.net/

魂ネイションズ公式ツイッター。



開始日時にもう1本漫画が出ますよ。

ホームページを偶然見つけて依頼してくれたっぽい。
あっちは全然更新してないけど残しといて良かったな。
あとベリーハーブスのハーブス先生の流れのキャラを出せて良かった。
◆UTUMI Mario◆ 内海まりお








2020年2月5日水曜日

【同人誌通販&ダウンロード】オリジナル本&ドリフターズ本【追加お知らせ】

そんな感じで同人誌の通販ダウンロード
ちょこちょこ追加です。

■紙本:メロンブックス通販



■電子ダウンロード:DLsite

オリジナル「箪笥の中」「豆腐人生」「太陽の塔内部見学」
ドリフターズ本「オタクイズデッド」「シン・ドリフ」

買おう!明日のために!





2020年2月4日火曜日

【映画感想】テリー・ギリアムのドン・キホーテ


■とても良かった!
ドンキホーテは生きているんだよ!
こういう物語が描きたい?
こういう物語になりたい?
語り継がれる物語の主人公とはこういうことだ!
それは呪いで祝福なのだ。
現実を物語に!


■本当に世界は自分があると思うようになる。
現実世界なんてのは誰かが叶えた夢なのだ。

■新進気鋭の映像監督がスランプにおちいり。
スペインの田舎町でうだうだと悩んでいたところ。
自分が学生時代に作った映画と偶然出会う。

そしてさらにその撮影地はここからそう遠くないところだった。

■撮影現場を抜け出した彼は
あの頃の想い出を追いかける。


■彼が撮った映画は「ドンキホーテ」だった。
出演者も交渉して村の人に出てもらった。
彼らは今どうしているのか。

■全ては変わってしまっていた。
頑固オヤジだった酒場の店主は虚な目で
お前のせいでウチの娘は外に出て売女となった!
と、彼をなじる。
そうだあの主役の爺さんドンキホーテ役をやってくれた
靴職人の爺さんはどうなった?
酒場の親父は言う
狂っちまったよ。
…え?それはどういう?


■村の外れに見世物小屋があった。
ボロボロでみすぼらしい建物だ。
しかしその中に彼はいた
靴職人の爺さんはそこに
あの頃と同じ騎士の鎧兜を被り

「私はドンキホーテ!偉大なる勇者だ!」
そうグルグルとした目で言うのだ。

「おぉ!お前は我が従者サンチョではないか!」
映像監督の彼を見つけそう言うと
そのボロ屋を飛び出し冒険の旅に出かけるのだった!



■そんな感じで
ドンキホーテの物語をそのまま描くのではなく。
どんどんと夢と現実の区別がつかなくなるような
幻なのか妄想か。
物語なのかどうなのか。
全てが分からなくなるような不思議な話なんだけど。

頭のおかしい人間の戯言ではなく。
真っ直ぐに前に進んでゆく人物として
とても輝いて見えてしまって。
そのパワーに圧倒され。
現実の諦めの気持ちなどが流されてゆく。
妙な感動で泣いてしまうのでありますよ。


■なんてことだ。
そうなんですよ。
こうなのだ!

■創作の初期衝動を思い出す。
人生の目指した憧れを復活させる。

実際はそううまくいく物じゃないから
しょうがないよね、
なんて言葉をくつがえす!


■溢れ出る情熱がここにはありますよ。
うるせぇ、てめえら黙っときーや!
邪魔をするだけなら帰ってもらおう。

現実を生きる君には
まるで
彼が狂っているように見えるのだろうが。

違うよ。

■狂っているのは君たちなのだ。
自分の夢を自ら潰して
心が狂い現実でしか生きられなくなった。
君たちが狂っているのだ。
他人の夢をせせら笑うことで
なんとか正気を保っている狂人なのだ。


■なのでさらばだ!
私は冒険の続きがある!
姫が待っておるのだ!
ゆくぞ!従者サンチョよ!
果てなき冒険の旅路へと!





あぁ、ティムバートンの「ビッグ・フィッシュ」と根本で同じところですな。
嘘つきの言う本当のことの強さ。
このドンキホーテの方はティムバートンよりも野蛮ですけれども。
それはワイルドってところで。







2020年2月2日日曜日

【漫画感想】惑星をつぐ者 戸田尚伸


■ジャンプの打ち切り漫画の話になると
必ず出てくるこの漫画
「惑星をつぐ者」
単行本1巻完結。10話もない感じかな?

■1995年連載で
結構面白かった印象があるのだけど
あまり話覚えてなかったり。

そんで昨今kindle出てたので
買って読んで見たのでした。


■そしたらば、これが面白い!
すっごいSF、スペースオペラでありながら
北斗の拳とかジョジョの奇妙な冒険のテイストもある。
冒険アクション活劇だったのですよ!
ハヤカワSF小説的納得度でありながら
ちゃんと少年漫画になってる!


■少し未来、
宇宙には様々な宇宙人がいたが
そこは弱肉強食の世界
他の宇宙人に比べて弱かった人類は
奴隷として支配される存在と成り果てていた!


■ヒャッハー!働けー!
ひ弱な地球人どもめー!

■そんな強靭な種族に立ち向かう一人の人類種がいた!
彼の名はバラダット・ナイブス!
科学者であった彼はどんな環境にも対抗できる
特殊細胞を自らの体に打ち込み
他種族に対抗できる強靭な体を手に入れた!

その細胞の力による光の刃
スパイラルナイフを駆使し、
困難に立ち向かう!


■そんな感じで1話ごとに
新しい惑星に行って
新しい種族と出会ったりして
とても面白い感じなのです。

スターウォーズの宇宙冒険感もあって。
知的好奇心も満たしてくれる大変濃密な良作なのですよ。



■多分、もう少し後に始まったら
ちゃんと続いていた気もする。
早すぎた名作ですな。


■まぁ、あとちょっと絵柄が垢抜けないってところもあるけど。
それを補って余りある底力がこの漫画にはありますよ。


■あ、そっか今なら海外ドラマでやれそうな漫画ですよ。
漫画とか小説のクリエイターの方ならかなり刺激を得られるかと。
スターウォーズみたいなの描きたいけど
長くなるから無理かなー、
なんて思っているあなた!

1巻完結でちゃんと面白いスペースオペラがここあります!
出来るんだよ
面白いものは!