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2019年10月20日日曜日

【映画感想】スペシャル・アクターズ


■「カメラを止めるな!」で突如大ヒットをした上田慎一郎監督の第2弾劇場映画である。
まぁ、プレッシャーもあるだろうし過剰な期待はしないで行こうと。
あくまでフラットに普通になんとなく見れば良いのだ。
などと、とみに平静を保って観に行ったのだった。

■いや、まぁ日本映画なのだから映画始まる前の予告編は
日本の映画が多いわけなのですが。
なんと言うか、あれだ。
感動系とか、暗い話が多いのね。
正直面白くなさそう…。


■さておき!そんな予告編を大量に見てから
「スペシャルアクターズ」スタート!

あれ…、これ大丈夫かしら?
B級映画ってことは織り込み済みだけど
なんかしょんぼりした話だし。
そこらへんの底辺演劇人の
しょぼくれた日常…。

もしかして、大爆死?
これはもうダメ映画なのか!?


■…なんて思っていましたが!

そこからドンドンと加速度的に物語は展開していって
伏線は繋がり、主人公は成長し、
登場人物の魅力が花火のように花咲き始める!

わはははは!
そうか!
そうなるのかー!!
イエーーーッ!!



■えーっと、あれだ。

役者志望の青年が主人公なのだけど
極度のあがり症と言うか精神疾患というか
他人から圧迫的な扱いを受けると失神してしまうという状態。
役者としては致命的。
というか生活全般が致命的。

もう、社会に全然これっぽっちも馴染めなくて。
お金もないし、彼女もいないし、未来の希望もまるで無い!

■そんな彼がひょんなことから
役者を使った何でも屋に勤めることになる。
レンタル家族なんてものがあるが、
それに脚本と演技を足して
日常の問題を解決するという役者集団なのだ!


■たどたどしくもそこで彼は成果を上げ
なんとなく自分の居場所をつかみ始めた気がした。

■そこに舞い込む、
カルト教団に乗っ取られそうな旅館を救って欲しいという依頼。

これはちょっと大掛かりなものになる。

なんたって彼はプレッシャーに弱い。
すぐに失神してしまう。

それでもなんとか仲間の助けを借りながら
綱渡りの様な演技トリックを進めるのだが…。

■ハプニングに次ぐハプニング!
想定外の問題が怒涛のごとく!

いったいどうなんってしまうのー!

彼の心はちゃんと救われるんですかー!

どうなんですかーーッ!!


■しかし、まぁ。
本当に始めのしょぼくれたB級映画感は
ドンドンと刷新されてゆき。
役者の演技さえも向上されていく様で。

感情は高まり。
意外な展開はもはや心地よく。
全ての登場人物が愛おしくなる。

そう、悪人だと思っていた
あの人でさえ愛しい人になってしまうのだ!

なんてこったい!

■途中で、ヘタレの主人公が
遅刻をして、もう来ないかもしれない、
ってところで
ヨタヨタと、非常にカッコ悪く登場するのだが。

あぁ、ヒーローがここに誕生した!

と私は思ってしまったのですよね。

■あぁ、そして兄弟の感じもとても良いですよね。
前回のカメ止めに続き「役者」の話なので

本当に「演技って良いよな」って
心の底から思えてしまうんですよねー。

あぁー、たまらんですすわ。


■2展、3展、話は回転するのですが。
その度に登場人物の魅力がぐんぐんと上がってゆき。
最終的には登場人物をみんな好きになってしまう。

なんて映画だ、コンチクショウ!

あぁ、楽しいってこういうことね。

嬉しくって笑っちゃうよ。

サンキュー!



■あ、そうだ。
製作時期から逆算するに、全く関係ないはずなのに
根源的なところが映画「ジョーカー」と似ているのよね。
日本版ジョーカーを作ったらこれになった感じさえしてしまう。
むしろ「スペシャルアクターズ」を海外に出すと「ジョーカー」になるのかも。
社会から疎外されてしまった者をどう導くかは。
社会の一員である私たちひとりひとりの双肩にかかっているのよね。

…なんてね!


■登場人物、もちろん全員役者なんだけど。
最後はもう誰も役を演じてる様には見えなくなって。
映画の登場人物に完全になっていたよ!
それは究極の役者の姿なんだよ!
あんたらは凄いよ!
スペシャルだよ!
スペシャルアクターズだよ!


■そしてなぜか偶然、舞台挨拶の回に行ってしまい。
トークの後サインと握手もしてもらったよ!
イエーイ♪

京都MOVIX

追記:
「大野さんはこの暗い部屋のようにずっとぼんやりと恐れている。
そこのスイッチを押せば電気がついてはっきり見えるのに」
「…。」
「でも、今日は僕がつけますね」
ここのメンタルクリニックの会話が
この映画そのものなのだ!
と後から気が付いたのだった!











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