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2019年7月15日月曜日

【漫画感想】有害無罪玩具 詩野うら


■多くの人は死にたくないと思っている。
だけど永遠に生きることが出来たとしても
嫌がる人が多いことでしょう。

ということは、人は生きたいわけではなくて
ちょうどいい感じのところで死にたい。
といったところなのでしょう。

人間面倒臭いな。


■じゃあ生きるってなんだ?
命ってなんだ?
記憶ってなんだ?
それを感じる脳ってなんだ?
自分ってなんだ?
私は本当に自分なのか?

なんてことをあまり感情的にならずに
じわーっと淡々と思考し続けてたどり着いた
思考実験的な漫画なんですよ、これ。


■なので、とても楽しい!
考えることはとても楽しいのです。
結末はどうであれ、
考えるとそこには分岐が増えるわけです。
並行世界とは可能性なので、
人間が思考すればするほど、
世界が増え、未来の可能性が増えます。

たどり着いても
たどり着かなくても。


■この漫画内には金魚の人魚というのが出てきます。
彼女?は不老不死です。
死なないばかりでなく、肉体の損傷もすぐに回復する、
完全な不老不死です。

だから彼女は結末にたどり着かないということがありえないのです。
それどころか、ハッピーエンドで終わったとしても
物語は終わることがない。

永遠と続く宇宙に終わりが来るまで続く。
いや、宇宙に終わりが来たとしても。
全ての存在が無くなるまで終わることはない。
そして多分全ての存在が終わることはないので、
金魚の人魚は永遠に結末にたどり着くことはない。


■だから、人間は何か良い感じのところで死にたいのだ。
生きたいのではなく。
何か良い感じで死にたいということだ。
結末にたどり着くというのは幸せなことなのかもしれない。
つまり死とは幸福なのだ。

なんてな。

■そんな感じの短編、中編の作品集ですよ。

とても面白い。

そして次の単行本も出るらしいので楽しみ。



■目次。
有害無罪玩具
虚数時間遊び
金魚の人魚は人魚の金魚
盆に腹水 盆に帰らず








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