■「モービウス」
超エモエモの親友物語でとても良かった。
親友の恋が始まって嫉妬に狂う親友!
たまらないね。
医師の知性も素敵だし。
バットマンからヘルシングに繋がる映像の完成度で、
監督は違うけどヘルシングの実写版も楽しみになって来た。
■血液の難病にかかっている主人公は
幼い頃から普通の生活は送れていなかった。
1日に3回も透析を行う必要があるし、学校にも通えない。
気分はいつも最悪だし。
健康という状態になったことがない。
ヨタヨタと歩く私の姿をからかう奴らにはうんざりだ。
■同じ病気で同じ病院に通う仲間たちも
次々に死んでゆく。
またどうせ死ぬだろうと思っていた
同病の奴と親友になり。
二人ともしぶとく生き延び。
主人公は医者として成功し
友は実業家として財を成した。
■二人は無二の親友だが、
病気は治ったわけではないので
死の恐怖は常に薄皮隔てたすぐ隣にある。
■途中のセリフで
「今日の痛みは10段階で言うとどのくらいだ?」
「11だ」
なんての。
健常者には結局のところ俺たちの苦しみはわからないよな?
と言う諦めが見て取れる。
■モービウスが自ら開発した新薬の力で
溢れるパワーを手にした時も
「気分が良いというのは初めてだ」
なんて言うのだ。
そう、彼は生まれてこの方
気分が良い状態になったことがなかったのだ。
■そんな彼らなので力を得てしまった時の開放感は凄まじい。
何十年分の人生の喜びを一気に濃縮して浴びさせかけられたかのよう。
多福感、異様な興奮。
暴走する力。
しかし、それを医師であるモービウスは知性で抑えようとする。
自分の体で淡々と実験を開始するのだ。
そこら辺がカッコいいぜ。
■あと警官のメガネの人がバットマンのゴードン警部補っぽくて良いね。
■基本、この病気のことを軽く見てる人は
自己中心的な人で自分とは関係ない人の痛みに無関心な人間ですな。
そんな人はアクションのかっこ良さばっかり求めて、
自分がいかにしてスカッとするかしか考えてない。
誰かが自分を心地よくさせてくれることばかりを求める。
他人のことを全く全然考えない。
■そして同じ病気で心が通じ合っていた友。
モービウスが副作用はあるものの健康な体になってしまった時。
もうそりゃ懇願しますよね。
俺にもそれを打ってくれと。
モービウスからしたら危険だから出来ない
と言うのですが。
常に最悪の身体で暮らしている者からすれば
多少の副作用など誤差の範囲内なんですよ。
それで人間を襲って血を吸わなければ生き延びられない、
なんて言われても、
それでも全然幸福な人生の範囲内なんですよな。
■固く結ばれた友情が壊れてゆく様は
とても美しい(ニッコリとしたヴィランの微笑みで)
そう、とても美しい映画ですわよ。
そう、とても。
「散々死の恐怖を与え続けられていた俺だから、
今まで全くそんな恐怖を味合わなかった者に
その恐怖を与えても良いんじゃないか?」
マイロ!
映画『モービウス』 | オフィシャルサイト
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