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2024年10月12日土曜日

【映画感想】ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ

 


■凄い良かった!

悲しくって楽しくて嬉しくて泣いてしまよね。


■ジョーカーを憎しみ

暴言で誹謗中傷して

殴り殺そうとしている

ごく普通の一般人も、


彼を信奉して

社会を破壊したい人も


あまねく全てを許さないジョーカー。

そしてそんな人達によって

アーサーは完全に殺された。


■いいよねー、

お前のことを理解してくれる人は

世界にひとりも居ないって言われるの。


■誰も、誰一人として彼を助けない。


それはつまりこの映画を観ているあなたもそうだ。

彼を見殺しにする。

それどころか殺人に加担している。

世界中の人、全てが人殺しなのである。


■誰も、誰一人として彼の本当の姿を見ようとはしない。

社会的弱者として姿は全ての人が見て見ぬふりをする。

もしくは型通りの形に押し込めて納得するし。

悪のカリスマとしてジョーカーは

各自の思想にとって都合の良い利用できる存在でしかない。

皆、彼自身には何も興味がないのだ。


■彼に向かって

「君は人の気持ちを考えた方がいい」

なんてことを言うのだが。


彼の気持ちを考えてくれる人はひとりも居ない。

殺人鬼なんて恐ろしい者は人間ではない。

だからそんな者の気持ちなんて考える必要がない。

そんな理屈でどんどん人間でない者を増やしていく。


■誰も、誰一人として彼のことを考えてはくれない。

一見、助けてくれるような弁護士も

裁判に勝つ方法を教えてくれるだけで、

本当の彼がアーサーなのかジョーカーなのか、

そんなことには全く興味がない。

彼自身に対して何も興味がない。

精神異常者のフリをした方が裁判に勝てるよ、

と言うだけだ。


■そんな世界だぜ?


歌わずにいられるか。

心の中だけは自由だ。

自分の気持ちを歌に込めて

伸び伸びと声高らかに歌おう。

愛の歌を歌おう。


お前を愛してくれる人は

この世にひとりも居ないのだとしてもだ。


■ジョーカーみたいなの

昔ならば悪魔憑き。

日本ならば狐憑きとして。

彼は悪魔に取り憑かれて

こんな悪いことをしてしまったのだ。

だから本当の彼自身は救いようがあるはずだ。

悪魔を祓えたのならば、

罪を認め、悔い改め。

また皆で暮らしていきましょう。


と、なるはずなのだが。


■もうこの世の中では

一旦罪を犯した者は永遠に許されない。

もはや許されないどころか。

自分達に害を成すような悪は

その芽が出る前に摘んでしまおう。

みたいな考えさえ充満している。


■そしてよく考えると。

このジョーカーの街、

バットマンの街でもあるわけで。

あの悪名高き、巨悪のはびこる

犯罪の坩堝「ゴッサムシティ」なんですよね。


■バットマンが悪をバンバン倒すための

作劇上、悪が無限に湧き出てくる街なわけですよ。

水戸黄門が各国を行脚してその地方地方の悪を成敗する感じね。

悪がたくさん居て便利。


そのとんでもない犯罪都市

ゴッサムシティなんですが。

なんだかもう現代の現実の街が、それと変わらなくなって来てるんですよね。

日本とゴッサムシティの違いがもはや無いのです。

設定としては1970年代あたりなのかしら?

そのころに描いた架空の犯罪都市が

今、現実の世界中の都市の有様になっている。


恐ろしい話ですよ。


■でも私は思うんですよ。

世界中の人々が殺したのはアーサーであって。

世界中の人々が生み出したのがジョーカーであると。

彼は本当に死んだんでしょうかね?

そこは明確に描かれていませんでしょう?

あれは世界中の人々が集団で撲殺し、完全に殺した後。

誕生したんじゃ無いでしょうか?


■そして誕生したジョーカーは

ハーレークイーンのことを愛してはいないんでしょうね。

悲しいですよね。

でも、世界中の皆でアーサーのこと殺したんだから

仕方のないことなんですよ。

世界中の人で寄ってたかって

愛を殺したんですから。


皆、それに無自覚ってのが

笑っちゃいますよね。

コメディですよね。

悲劇ですわ!喜劇ですわ!




ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ公式サイト



追記:私はジョーカーの1作目は嫌いだったんですよね。

ジョーカーはもっとカッコいい悪のはずだ!と

完全にジョーカーの信奉者のスタイルですよね。

そうなんですよね。

実は2作ともジョーカーの話ではなく。

アーサーの話だったのですよね。

社会的弱者に心を寄せる人と

それを打ち壊す革命家を待ち望む人

そのどちらもが自分に都合の良い彼であって欲しいというね。

彼の気持ちは置き去りにしたまま。


そうなんだよねー、

今、現代全ての人は自分を守るために

他人の愛を壊して回っているのですよ。


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