■いやー、びっくりするほど良かった!
何この静かなのに変にうっとりしてない、
バッチリ映画の真髄が過不足無く詰まって
物凄く満たされた気持ちになる。
嬉しい気持ちだ。
■道満晴明さんが描いてそうな感じでもある。
なんというかしっかりと根の張った物語を書きたいと思っている人は
泣いて悔しがる良作ですよ。
帰り道、自転車で雨が降って
カッパを被ってひた走っていたのですが、
うひひ、と笑いながら
泣いていた私でございますよ。
■バブル時代前後の話で。
冒頭、主人公は既に老人になっており。
しかも刑務所に入っている。
どうやら終身刑のようだ。
体調も思わしくなく咳き込んでいる。
何もない独房に似つかわしくないものがある。
缶詰の空き缶に土を詰めて鉢植えにした物だ。
そこには一つの小さな花が咲いてる。
ホウセンカと言うそうだ。
■そのホウセンカが突然語りかける。
「お前の人生は最悪だったな、そしてもうおしまいだ」
死に際の者にはこの花の声が聞こえるのだという。
しかし、老人は答える。
「いや、まだまだこれからだ。ここから大逆転がある」
■と、そこからの回想が始まるわけですよ。
いったい何がおしまいでなく、
ここから何が良いことが起こるのか。
それらが全て順を追って語られていく。
■ヤクザの男が主人公なんだけど。
激しい性格ではなく、
かといって穏やかな男と言うわけでもなく。
静かな自分の世界を持っている。
子連れの女を引き取ったり
子分どもの面倒を見たり
兄貴や組のために尽くしたり。
■それらが激しすぎず、
かといって優しすぎず。
ちょうどいい塩梅のバランスなんですよね。
■昨今、黒か白か、0か100か。
敵か味方か。
そういう考えに支配されつつありますけど。
本当の良い解決はどっちでもない
良いバランスの状態を保ち続ける、
ってことなんですよね。
■そんな感じでこの物語はすっごいバランスが良い。
ほれぼれしてしまう程に。
白か黒かで決めがちなのは楽だからなんですよ。
一度決めればあとは何も考えなくても良い。
逆に、良いバランスを取るためには
ずっと考え続けなければならない。
そしてずっと継続し続けなければならない。
■本当に確かな活動は得てして地味なものなのだ。
しかし、それがしっかりと結実した時の喜びはもう
とてもたまらない。
あぁ、良かったねぇ。
良かったさ。
■その喜びを先回りして
冒頭の方にすごく素敵な花火のシーンがあるのですよ。
そしてその時に流れた歌が。
エンドクレジットで流れる。
完璧じゃん!
■いろんなことが地道な設営によって
ガッツリくるりと繋がって行くのは
心地の良いことです。
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映画「#ホウセンカ」 いやー、びっくりするほど良かった!何この静かなのに変にうっとりしてない、バッチリ映画の真髄が過不足無く詰まって物凄く満たされた気持ちになる。嬉しい気持ちだ。#ホウセンカ感想 pic.twitter.com/g3r5wflGjt
— 内海まりお UTUMI Mario (@mariouji) October 25, 2025










