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2017年5月17日水曜日

【小説感想】有頂天家族二代目の帰朝 森見登美彦


年明けくらいにアニメ始まる前に読んでおくか、と
チマチマ読んでいたのだが。
いつの間にかアニメも始まって追いつかれそうになったので
慌てて読み切ったのであった。
ギリギリセーフ。

そしてやっぱりこれは面白いものなのでございますよ。
たぶん物語の作劇法的には正統派でない
行き当たりばったりの無茶苦茶加減なのだが
なんやかんやで最後帳尻を強引に、
いや偶発的に引き寄せてしまう筆力は
ヤンヤヤンヤの大喝采なのです。



正しくはない、
だが、とても楽しい。
個人的にとてつもなく嬉しい世界が盛りだくさんなのだ。

不思議の国のアリスのように
奇妙な京都世界で天狗やタヌキの大踊りが繰り広げられるのだ。

そしてはたまた妖術を使う怪しい人間や。
魅惑的な絵画を描く老画家。
七福神の首領の謎めく怖さ。
そして、最後の方でビックリしたのだが
「あのキャラ」が出てきたのだった!
こいつは嬉しい!
まぁ、正確には違うのだけど。
姿格好はそうなのだから
アニメでも出てくるのだろう
その出番が今や遅しと待ち遠しいものである。



お話はくるくると回り
いろんなキャラのエピソードをドミノ倒しのように積み倒し。
阿呆な話をベースに、
時にはシリアスに
時にはロマンチックに
時には怒涛のアクション映画のごとく!

なんともはや、心おどる物語なのだ。
荒唐無稽なのだが
なんとなくほんのりと納得してしまい、
心に温かな毛玉のようなフワフワが残るのだ。

いやはや、面白きことは良きことなり!
波風立たない人生の
波を立たせてやりましょうぞ!

それこそが、
阿呆の血のしからしむるところなのです!

うむ。
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