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2025年8月16日土曜日

【短編小説】蓬莱船岡山城


  

 二千三十四年京都の八十%は駐車場となった。

残りの二十%は観光地である。


 オーバーツーリズム、過度な観光客の増加。

それと市政の失策により住民の数は激減、

どんどんと住民にとっては住みにくい町となった。

まぁこうなるのは時間の問題であり、

いつかはこうなるだろうと思ってはいたものの、

いささか思ったより早く、

この時はやってきたのである。


 見渡す限りの駐車場だ。

もちろんそれは京都といっても

京都市内の中央部の「本当の京都」と言われる

上京下京中京区あたりのことであり

北区などはその限りでない。

左京区は南北に長く、京大周辺は駐車場になっているが。

北の三千院のある大原などは

元々駐車場みたいな過疎地なのだから特に変わらずにいた。

あぁ、もちろん大学なども人がいなくなれば無くなるわけで

京大、同志社、立命館など全ての大学は滋賀に移転した。


 で、中途半端な北区である。

もちろん観光地もあるはあるが。

もひとつパッとしない。

いやもちろん金閣寺や上賀茂神社など超プレミアムな観光地はある。

おっと、龍安寺、下鴨神社は北区ではない!

ゆめゆめ間違えることなかれ!


 そんな感じで京都市中央部のドーナツ化現象、

駐車場化現象。

亀のマークのコインパーキングが跋扈。

住民がいなくなればスーパーマーケット、本屋、床屋、

老人ホーム、病院、外食店、郵便局、喫茶店までも

あらゆる市民サービスが撤退してゆく。


 なんということだ。

もちろん観光客の為のハリボテの、

家の前面だけ建物の形になっている通りはしっかりとしつらえてある。

観光面ではパーフェクトなのだ。

そして京都の観光地といえばそのほとんどが寺社仏閣!

京都は坊主が支配する世と成り果てた。

醍醐寺が宇宙寺を造るのだから、

京都を支配するなど造作もないことだ。

いたしかたあるまい。


 で、だ。

中心部はそんなことになってしまったものの、

北区には少なくなったとは言えまだまだ住民はいる。

しかし、バラバラに穴だらけの虫食い状態では住みにくい。

おばあちゃんがカートを押して遠くのスーパーに行くのは困難なのだ。

あぁ、もちろんバスも観光地にしか行かない。

それ以外の路線は全て廃線となっている。


 なので集まろう。

集まって暮らそうと考えた。

集まって暮らし、

そこに生活の全てを集約する。

駐車場と化した京都で生き残るにはそれしかなかった。

しかし、それは一体具体的にはどうしたらいいのか?


 答えはタワーマンションである。

北区にタワーマンションをおっ建てるのだ。


 超巨大な高層住宅。

まぁ巨大と言っても敷地面積を広く取れば

それほど高層にはならないだろう、

地上百階くらいで収まった。

そこで君は思うだろう、

景観保護条例的にそれはどうなのかと。

もちろんそれも考慮済みだ。

高層ビルの何が景観にそぐわないのかと言えば、

それはその無粋さである。

無機質な四角い塊のビルディング。

それには美しさがない。

みやびさのカケラもない。

だから許されないのだ。

その高さが問題なのではない。

風景に馴染まないのがダメなのだ。


 なので、問題解決は簡単なことだ。

外装を美しく京都に似合った

美しくみやびなものにすれば良いだけのこと。

場所は船岡山に決定した。

船岡山に城を建てることに決定した。

そう、城である。

百階建ての城を建てることにした。

船岡山に。

地域住民が住むお城、

各種生活サービスの店舗も全てそこに集約された

超巨大複合施設としてのお城である。


 内部は現代的な鉄骨やコンクリートを使った建築で、

普通の住宅である。

住みやすい。

重要なのは見た目の外部である。

そこは徹底して本当の城としての再現がなされた。

もちろん木造の木組だし釘はいっさい使わない。

漆塗りであり、

金箔をほどこされ、

細部の彫刻も作り込まれた。


 さぁ、そうなると蘇る。

そんな面白そうな仕事は俺にやらせろと、

京都の職人達がわらわらと集まって来た。

京都希代の大事業となる。

 

 トンテンカーン、トンテンカーン。

やれ、やっとこどっこいホイサッサー。

はぁ、ドンドコ、ドンドコ、ヤンヤンヤーン!


 京都船岡山城の完成である。


 京都の八十%は駐車場に成り果ててしまったが、

京都人の魂は滅びぬ。

歴史は今もなお積み上げられてゆくものだ。

その城は美しくそびえ立ち、

なんとも言えぬ神々しさを持ってそこに鎮座した。

人の心は平穏を取り戻し、

安寧の生活を送ることができた。


 もちろんそれは京都市内各地で模倣され、

様々な巨大建築が建てられた。

西京区では五重塔に模した八十重塔、

八十階建ての塔型住居が建設されたし。

南区では巨大な龍を模したコロニー型住居。

北の果て大原では巨大な仏像型の住居も建設された。

京都御所あたりからでも北の山の向こうに

巨大大仏の頭がニョッキリ顔を出しているのは

なかなかおもむきがあるものだ。


 しかし賢明な諸君はお気づきだと思うが。

そうやって作られた見目麗しい巨大集合住宅は

そのまま京都の新しい観光地になった。

そう、京都の観光化に拍車をかけたのである。

駐車場はますます増える。

リニアモーターカーは京都には来ない!

 

 いったいどうしたものか、

と悩んでいたところ時代の転換期が訪れる。

科学的大発明の大躍進。

物質の瞬間移動装置が発表された。

これは物質を遠い場所に瞬間的に移動させることのできる装置。

つまりはドラえもんの「どこでもドア」ってわけだ。

その新しい発明の基礎化学の分析はあれよあれよと進んでゆき、

物質転送の理論は安定したシステムとして確立された。

つまり人間自体の移動も簡単に安全に行うことが可能となったのだ。


 どこにでも瞬間的に移動できる世界。

観光地までは一瞬だ。

まぁ、旅情を楽しむってこともあるにはあるが、

多くの人はその移動の恩恵を享受した。

そうするとどうなるか、

乗り物に乗って移動することが減ってくる。

完全になくなりはしないが、

その数はぐんと減る。

もちろん車も少なくなる、

バスも少なくなる。

駐車場なんかも少なくていい。

そして八十%が駐車場になった京都である。

その駐車場は不要だ。

利益を出さなくなった駐車場は閉鎖される。

そしてそこには住宅が建てられた。


 回り回って京都市内に住宅が増え始めた。

住宅が増えたということは人が増えたということである。

瞬間移動装置によって移動が無制限に自由になった世界で、

人はどこに住むのか?

都会に疲れた人が田舎に住む、

ってのもあるが田舎は不便なのだ。

そこでちょうど良い場所が京都のような観光地だった。

都会でもなく田舎でもない。

曖昧な塩梅がとてもグッドな住み心地。


 瞬く間に京都の人口は増えた。

まぁ、戻ったという感じか。

人が増えれば店も増える。

大学も戻って来た。

あの頃の活気が蘇る。


 この発展の肝要な部分はそれを成したのが物質転送装置だということ。

つまりは科学分野への投資は怠ってはならない。

本当に将来何が必要かなんては人間如きに分かるわけはないのだから。


 今年は五十年ぶりに祇園祭が復活した。




蓬莱船岡山城|一般小説作品詳細|NOVEL DAYS  


極楽京都日記: グッド・アティテュード Good attitude  2025大阪万博大成功【短編小説】  

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極楽京都日記: 【短編小説】ブカン旅行タイムマシン  

極楽京都日記: 短編小説■ひとりぼっちの魔法使い  




マホロミ・マホと三人の怪物: オズの魔法使い外伝 

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内海まりお (著) 


2025年8月10日日曜日

【小説感想】百年の孤独


■読み終えた。

読み終えるまで1年以上かかった。

そこまで読みにくいわけでもないのに、

なかなか読み進められなかった。


■まぁ登場人物の名前が全然覚えられないのに

孫とかに同じ名前を付けたりするから分からないのだ。

途中でもう名前を気にするのは諦めた。


■で、それでつまらないのかと言えばすごく面白かったのだ。

人生に起こりうることは全て書いてあるんじゃないかと思えるほどに。

そりゃ名作と言われるわけだ。


■南アメリカ?の鉄道が引かれ始めた時代のある一族の百年に渡る物語。

その時代、新しい文明の到来であらゆる事が変化する。


それに巻き込まれたり飛び込んだりかたくなに拒んだり。

家族のそれぞれはみんな違う性格で全然別の人生を歩んでゆく。

お互いに影響し合ったりもするが、

何か運命というものがあるかのように

どうしようもなく避けられないものばかり。

それは悲劇だけでなく絶大な幸運もなのだが。

とめどない


■なのに、それが退屈な田舎の生活の描写かと思えば。

突如、幻想的な出来事が起こったりもする。

それは幻でもなく、現実なのだ。

まるでジャンプ漫画の様な

次に何が起こるのか知りたくなってしまう展開が

次から次に繰り広げられる。


■それぞれの人物に不幸と幸福が訪れるのだが。

それほど絶望的ではないし、びっくりするほどの幸せでもない。

それは世界に存在する要素であり、

知っていることもあるが、

知らないこともある。


なので多分これには

人間の全てが書かれている。


■どの人物にも問題があるが

魅力もある。

その人物が苦手な他人とかがある。

あぁ、なんかよく分かる。

絶対に相容れない感じとか。

でも、そんなに我慢する感じじゃなくて。

なんとなくやっていく。

嫌だったら村から出て行ったりね。


■そんなこんなで何世代かに渡って

一族の運命は流れてゆく。


■でも次の世代にゆだねるとか、

そんな話でもなく。

個人個人がしっかりと

いやしっかりしていない人も多いが。

翻弄されてゆく様が、

全て自分ごとの様に思える。


■どの人物も自分なのだ。

だからどこで切り取っても

どこで始まって

どこで終わっても構わない。


人生とは

世界とは

そんなことなんじゃないかな?

なんて思ったりもするのだ。


とっても充実した読書体験でしたよ。


百年の孤独 (新潮文庫 カ 24-2)




極楽京都日記: 【小説感想】タタール人の砂漠  

極楽京都日記: 【小説感想】三体  【劉 慈欣】  

2024年9月29日日曜日

【短編小説】ダイエットの進化。

 


ダイエット、それは減量。

つまりは太って来たから痩せたい、と言うことだ。

理論としては簡単なこと。

食べる量を減らして、

少し運動をすればいいわけだ。

簡単だ。

簡単なはずなのに。


そもそも、食べたものが

そのまま重量になってしまうのが困ったことなのだ。

100グラムの物を食べれば

体重も100グラム増える。

当たり前だ。

食べた分だけ増える。


つまりその考えを突き詰めていくと。

人間をひとり食べれば、

私の体重は2倍になるはずだ。

体が2倍に。

横に2倍になるのだろうか。

縦に、身長が2倍になるのかもしれない。


そう、私は簡単に3メートルを超える巨人になることができるのである。


そんな馬鹿なことがあるか。

一緒に食事をしていた友人はそう言った。

彼は鳥の丸焼きをひとりで食べてしまったので。

鳥になってしまい、

羽ばたき、店の窓から飛んで行ってしまった。


極楽京都日記: POST OVER  

極楽京都日記: 【短編小説】ブカン旅行タイムマシン  

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極楽京都日記: 【サンプル】マホロミ・マホと三人の怪物【冒頭&一章】  


マホロミ・マホと三人の怪物: オズの魔法使い外伝 kindle


2024年8月27日火曜日

【本感想】本を読んだことがない32歳がはじめて本を読む

 


■まさかの大感動!

いや大爆笑するんだけど。

いろんな人にこれを読ませたい!

とりあえず全ての図書館に置くとよいよ。

本好きの人は感動する自分に驚くと思う。

そしてこの本自体が綺麗に物語になってしまうという見事さ。


■タイトル通り、

ほとんどまともに本を読んだことのない人間が

友人の助けを借りながら名作小説を読む。

そのリアクションを実況中継的に読めるという変な本です。


■しかし、これが面白い!

初出はオモコロというウェブ媒体でのネット記事だったのですが。

ネット記事にしては無茶苦茶長い!

しかし読んでしまったのですよ!

延々スクロールしながら。

延々笑ってしまっていたのです!

なぜなら面白いから。


■そして彼は文学を読んでいるのです。

すごくまっさらな気持ちで名作に触れて感動している。

その状況が滑稽でおかしみがあるのだけど。

小説ってこんなにも面白かったのか。

文章で人の心を震わせることが本当にできるんだ。

そんなことを目の当たりにしてしまって

この本を読んでるこちらまで感動してしまう。

文学の力って本当に偉大なんだ。

なんてそんなことまで思ってしまうのです。


■いやー、この本の彼と同じように

あまり本を読まないし苦手だと感じている人には

もちろんオススメですが。

本当に普通に小説とかバンバン読む人もこれは是非に読んでもらいたい。

なんていうか文学の総括がここにあるのですよ。

初心に帰るということでもありますが。

あまりにも純真な心の動きが体験として書き記されていて、

心も体も打ち震えてしまうのですよ。


■面白いわ、感動するわで

しっちゃかめっちゃか、

わちゃくちゃな情緒に溺れてしまう。

まるで一本の映画を見たような充実感ですよ。

ここにひとりの人間の人生が本当して閉じ込められているかのよう。


■ネット記事であったのは

太宰治の「走れメロス」だったのですが。

本にするにあたり

有島武郎「一房の葡萄」

芥川龍之介「杜子春」

が追加されています。

これらも激烈に面白いです。


■そして読んでいる彼

「みくのしん」の感情移入度が半端ない。

びっくりするほど深く感情を読み取っていたりはもちろんのこと

妙な角度から文章の背景を読み取っていくので。

読者としてのこちらが関心しきりだったり。


■彼が言う

「これ俺のことじゃん!」

と言う小説の作者としては最高の感想がそこにあるのです。


■そして最後にもうひとつ本を読む。

それはウェブライターで「変な家」を書いた小説家でもある雨穴氏。

彼の書き下ろした短編小説「本棚」をみくのしんは読むのである。

これがもう彼に当ててチューニングされたような小説で。

もう彼の心を捉えまくり

全ての登場人物の心にガッツリとハマり、

さらには作者の雨穴氏も思ってもいない感想が飛び出し。

物語は読者によって完成させられる、

そんな瞬間を目の当たりにしてしまうのですよ。


■あら、なんてこと。

泣いちゃいそうなくらい。

こちらまで心が動いてしまう。


■そう、そうしてそれらいくつかの本を読む。

それだけのことが大きな物語としてここに完成したのです。


■はへ〜、と言うわけで。

自分でも驚くほどこの本で感動を体感できてしまって

驚いている有様ですよ。

本にこんなことが出来るんだ。

そんな驚きが。


■どんな人にとっても面白い本だと思うので。

全ての人は読むと良いですよ。

読んで損はしない、なんて

そんなもんじゃねぇ〜。

得しかないですよ。

ホックホクです。

ヤッタネ!

ハッピーエンド!


本を読んだことがない32歳がはじめて本を読む~走れメロス・一房の葡萄・杜子春・本棚 @amazonより 



極楽京都日記: 【小説感想】三体  【劉 慈欣】  

極楽京都日記: 【小説感想】シャーロック・ホームズの凱旋  

2024年5月28日火曜日

【小説感想】三体 【劉 慈欣】

 ■話題になっていたのは知っていたが。

3巻まであり、それぞれが上下巻あるという膨大さから敬遠していた。

しかし、ついに読んでみたのだった。


■しからばこれが面白い!

いや、異様に面白いんですけど!

なんなのこれ!?


■中国の文化大革命からの

世紀をまたいでの

遥か未来の人類の行く末まで。

大きく長い時間を語り尽くす。


■人間はどう進化するのか。

この宇宙に地球人以外に生命はいるのか。

彼らと遭遇することはできるのか。

意思疎通はできるのか。

遥か彼方の星に人は旅することができるのか。


全ての答えがこの物語に書かれているのです。


■進化、進歩には科学技術の発展が重要で。

それはテクノロジーの進歩ではなく。

基礎的な物理学の発展が必要なのだということ。


そう、それはつまり現代の人類は

基礎的な世界の構造について

ほんの少ししか理解していないということなのだ。

まだまだ伸び代のある人類!

やったね!


■でも、そんな科学的物理的な頭でっかちな話ではなく。

めちゃくちゃドラマチックに

さまざまな事件が立て続けに起こって行って。

ハラハラドキドキ。

ビックリワクワク。


■新しい出来事で

状況が変わると

人間の価値観までもが

ぐわりと大きく変化してゆく。


正義だと思っていたものが悪になったり

悪だと思っていたものが正義になっていたり。

それが何度も繰り返す。

現代の常識なんて、今そうであるだけで。

未来永劫正しいものではないと叩きつけられる。


■今我々が理想として描いている未来を

ものの見事に破壊される。

それもきっちりと理論立てて。


逆にそれはちゃんと未来のことを考えているということなのだ。


■スターウォーズや銀河英雄伝説など

未来の世界を描いた物語は多いが

それらの多くが未来の世界に置いて

過去の歴史を焼き直していたりする。

過去にあった戦争を未来に置き換えているだけだったりするのだ。

それはもちろん歴史に学ぶと言うことなのだが。


■しかしこの三体は

新しい今とは違う価値観に置き換わった世界で

人はどういう行動をするのかシミュレートしている。


それが妙に説得力があって

そうなるんだろうなー、なんて思ってしまう。

それはないだろうー?

なんて荒唐無稽っぽい設定も

謎の説明力により現実に思えてしまう。


■こんなことを言うと

科学者的視点の冷たい話なのではないか?

と思う人もいるかも知れないが。

無茶苦茶熱い物語だし。

人間の業の全てが剥き出しで、

恐ろしく怖いし、

とんでもなく優しい。


■そう!登場人物みんな好きになる!

地球は滅ぶし、

宇宙は破滅する!

しかし、そこからまだ物語は続いてゆく。


とても大きな物語を語っているのに。

個人のたった一度の人生の話だったりする。 


1巻で宇宙への繋がりを感じ。

2巻で絶望と希望と大絶望を繰り返し。

3巻で綺麗に丸っとまとまって生命の輝きを感じる。


■はぁー、本当にとんでもなく楽しかったー。

これを読めば全ては安心です。

ここまで先のことを想定していれば。

大概のことは全て想定内だからです。

安寧ー。  


三体 (全6巻)


■そして途中途中で私の想像する登場人物を描いたのだった。

まだ実写ドラマ版見ていないので。

多分、私が小説から想像した姿とは違うと思うから。

忘れぬよう描いておいたのである。

葉文潔(イエ・ウェンジエ)

汪淼(ワン・ミャオ)

史強(シー・チアン)

羅輯(ルオ・ジー)

章北海(ジャン・ベイハイ)

程心(チェン・シン)

艾AA(アイ・エイエイ)

羅輯(ルオ・ジー)

トマス・ウェイド


#三体 mariouji

 

三体 (ハヤカワ文庫SF)劉 慈欣 (著)

三体 (全6巻)




極楽京都日記: 【小説感想】タタール人の砂漠  

極楽京都日記: 【小説感想】シャーロック・ホームズの凱旋  

2024年2月11日日曜日

【小説感想】シャーロック・ホームズの凱旋


■なんという爽やかな読後感!

森見登美彦の全てが入った集大成と言っても過言ではなかろう!

いや、過言かも。

まぁ、とにかく面白かったということであります。

タイトルや紹介文から漂うトンチキ臭!

まさにそれはそれなのだが。

そこから想像する想定を

軽やかに飛び越えた物語が広がっていったのです!


■舞台はヴィクトリア朝京都。


どこだよ!


謎の京都とロンドンが混じったような町に

名探偵ホームズは暮らしていた。

寺町通221Bに住んでいた。


ってなんだそこは!


■しかもホームズさんはスランプだという。

何も事件を解決できない。

確かにあったと思えるあの頃の才能の煌めきはどこに!?


というところで森見登美彦、

作者本人もスランプ状態があったので

その体験がきっちり反映されているし。

相棒のワトソンは彼の活躍を小説にして書いているという、

小説家が小説内部に現れる。

こちらにも作者の影が現れる。


■しかし前半のわちゃわちゃ感は

作者お得意の京都のボンクラ大学生の感じであり。

スランプから抜け出せない

ホームズの詭弁をとても愉快に楽しめる。


■そしてここはロンドンの

本物のシャーロック・ホームズの物語のパロディであり

並行世界的存在なので

そちらに出てくる登場人物たちが現れ。

あちらで起こった事件と似たような事件がこちらでもある。

そういう感じで愉快なホームズのガワを借りた

二次創作的面白小説なのだなぁ、


なんて思っていたらトンチキチン!


■これまた作者のお得意であり

ボンクラ大学生小説の反面的な存在である、

幻想小説のイメージが侵食してくるのだ。


■おやおや、これはいったいどうなるのか。

ホームズは言う

「この世には解くべきでない謎、いや、解く必要のない謎が存在する」


世界の裏と表、

物語世界と現実世界。

小説に書かれる人物と

小説を書く人物。


誰も自分が小説の登場人物なんて自覚することはない。

自分では分からないと言うこと。

つまり、これを読んでいるあなたも

物語の中の人物ではないとは言い切れない。


■そして物語には終わりがある。

かといって人生にも終わりがある。

それは何か大きな仕組みで動いているのかもしれない。

世界は私たちが思っているより

ずっと面白いのかもしれない。


■そんなことを思ってしまいましたよ。

最高。

イェイ!



シャーロック・ホームズの凱旋 (単行本) 




極楽京都日記: グッド・アティテュード Good attitude  2025大阪万博大成功【短編小説】  

極楽京都日記: 【小説】森見登美彦「熱帯」を読み始めて。  

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2024年1月18日木曜日

グッド・アティテュード Good attitude 2025大阪万博大成功【短編小説】


グッド・アティテュード Good attitude

2025大阪万博大成功(短編小説) 内海まりお


さまざまな問題が浮き彫りになり

中止の声も大きかった2025年大阪万博であったが。

結果、大成功を収めた!

ギリギリになって担当者が代わり

半ば強引な企画の変更によって、

大阪万博は途轍もなく面白いものになったのであった!


会場に入ると広大な敷地の向こう側から迫り来るものがある。

祇園祭の山鉾である。

デカい!途轍もない迫力!

これは京都の鉾町から借りてきたものではない、

新たに作ったのだ。

なぁに金はある、いくら立派な鉾とはいえ

高級外車よりは安い、予算から見ればハシタ金で作れる。

鉾に掛けられるタペストリーなども西陣の織物職人に依頼した

絢爛豪華な装飾だ!

もちろん全ての山と鉾34基が勢揃いだ。

それがゆったりと会場を移動している。


それだけでも凄いのだが、

一日に一度、決闘が行われる。

決闘とは何か?

山鉾同士の決闘である!

会場の端と端、二つの鉾が全速力で中央に向かう!

そう!大激突だ!

衝撃!破壊!デストローイ!

倒れた方が負け!

破壊の大きい方が負け!

立ち残っていたものこそが勝者だ!

血湧き肉躍る大激突!

敗者よ去れ!

勝者よ雄叫びを上げろ!


「ねぇねぇ、これ明日もやるんでしょ。明日も見に行こうよ!絶対!」

「えー、でももうチケット売り切れて無理っぽいよ」


そこで解放されるのは

VR観戦チケットだ。

ヴァーチャルリアリティ、

まるでそこにいるかのような現実感で

山鉾バトルの臨場感が味わえる。

これは世界中どこでも見ることが出来る。

これを万博の入場者に加えるとなれば、

その数は前代未聞の大盛況。

何せ、会場人数の制限はないのだ。

サーバーは最新のものが無限のごとく用意されている!


しかし、大阪万博。

ここは大阪だ。

京都の山鉾同士のバトルだと?

わいらを忘れてもらっちゃ困りますなぁ!


現れるは「だんじり祭り」の神輿衆!

しかも山鉾に勝てるように超巨大にパワーアップされた。

ハイパーデラックスだんじり神輿!


うおぉおおおおぉぉ!!

行けー!

いてもうたれーーッ!!


ガッシャーン!

ドッシーン!

ズギャギャギャギャーン!!


山鉾に超スピードで突っ込み破壊する

だんじりの超パワー!

船鉾、菊水鉾が宙を舞う!

頑張れー蟷螂山ーーーッ!!

あぁー、健闘虚しく!

散るカマキリのカラクリ。

最後の砦だ!

月鉾よ!あなたの鉾でだんじりの野郎をぶった斬ってくれーーッ!!


京都の伝統を舐めよしなさんなー!


ドン ドン ドン ドン


誰だ!?


あだら、京都や大阪やらぜぜこましい

万博はこにゃ国日本を代表しておこなられるもの。

わてらのこと忘れちょーちゃ困るます。


ね、ねぶた祭りか!


そだ。


睨み合う

月鉾!だんじり!ねぶた!


オーウ!あなた達何やってますか?

万博は世界のお祭り

各国のパビリオンがあるですよー。


そうして現れたフランスの

エッフェル塔鉾!

エッフェル塔に車輪がついて動いてやがる!

もちろん角を曲がるときは

青竹を敷き掛け声と共に

車輪を滑らせ回転させる

辻回し!

エッフェル塔鉾の辻回しだ!


よーいやさー!


HAHAHAHA-!

お馬鹿さん達ー!

世界ナンバーワンは私たちアメリカでーす!

ゆけ!ハリウッド鉾ーーッ!!!

自由の女神ビーーム!!!


万博会場はさながら文化のオリンピック。

ほとんど戦争に近い爆発的バイオレンス

スポーツの祭典となったのだ!


殺すな!戦え!

魂を燃やせ!


歌が聞こえる。

船に乗った男が歌う!

船首に立ち紙吹雪の中歌うのはサブちゃん!

北島三郎で祭りだ!


そして反対側からはサンバーのカーニバルが現れる。

笑顔と喜び!

生命の喝采!


さらにはありとあらゆる街角から

よさこい祭りの踊り衆がワラワラと湧いて出る!


無限に繰り返すシークエンス

エンドルフィンを解放する

ダンスミュージック!


彼らがぶつかったところで戦闘開始だ!


歌い踊り!

ぶつけ合う!


そうして空から光り輝きながら現れる

金色の着物!

松平健!

マツケンサンバだーーーッ!!!!


世界各地の踊りや歌が!


世界各地の山や鉾が!


世界各地の想いや希望が!


ぶつかり合い弾け飛ぶ!


これが!


これこそが!


2025年大阪万博なのだーーーーーーッ!!!!


うおおおおぉぉおおおおぉーーーーーーーッ!!!

ズキューーーーーーン!!

ズバァーーーーーーン!!!


ドギャギャギャギャーーーーーーーーーーンッ!!!



うわーーーッ!

うおーーーッ!

いえーーーッ!


やったーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!



皆の精神が異常な興奮状態になり、

さらにその先の快楽の向こう側に辿り着いた!

光は溢れ!

目には涙が溢れだす!

ノー・モア・ウォー!

ノー・モア・ティアーズ!


世界に平和が訪れた!

これこそが!

これこそこそが!

黄金なる地平!

偉大なる愛!


全てが一つに!

世界が一つに!


まぁるい玉がひとつ誕生した。


完璧で、完全!


風が吹き、

草木が芽吹き、

花は咲き乱れた!


この時代は終わった!

新たなる時代の幕開けである!


よかったね。



といったわけで

2025年大阪万博は大成功に終わったのである。


政治家の闇金問題や

奴隷政策など色々あったが

それはまた別の話。


めでたし、めでたし!


おしまい!


帰れ!


EXPO 2025 大阪・関西万博公式Webサイト



マホロミ・マホと三人の怪物: オズの魔法使い外伝 Kindle版

内海まりお (著) 小説


内海まりお漫画:

魔法使いと裏京都 魔法使いのお時間よKindle版:無料

涅槃旅行 魔王のホライゾンシネマ Kindle版:無料


極楽京都日記: 【サンプル】マホロミ・マホと三人の怪物【冒頭&一章】  

極楽京都日記: 【短編小説】ブカン旅行タイムマシン  

極楽京都日記: 短編小説■ひとりぼっちの魔法使い  

2023年8月20日日曜日

【小説感想】無人島に生きる十六人 須川邦彦


『無人島に生きる十六人』


■面白かった!

とてもよく出来た話なので、

実話と思って読んでいたが、

実は小説なのでは?

…と思ったがやっぱり実話だそうな。


■中規模の漁船が難破し、無人島に漂流する話だ。


明治32年の話らしい。

昔といえば昔だが、

そう遠くもない昔だ。


■しかし船員たちは立派な船乗りで

お爺さんから若者まで揃っている。


なので、漂流記ものにありがちな

仲間とのイザコザや、飢えにや病気に苦しみ

辛い別れ、とかは無い。

皆、規律正しく生き延びるために地道な作業をコツコツとこなすのだ。


■そして冒頭は生き残ったその老人が

新人船乗りの若者にその無人島での漂流話をするところから始まる。

そう、つまり生きて帰ってこれているのだ。

なので安心して読める。


■だからと言って全てが順風満帆なわけでは、もちろんない。

台風で船が大破するまでに、多くの荷物を島に運び込むことができたのが良かった。

ある程度の食糧や道具が揃っていたのだ。

ベテラン船員たちはこういう時の生き残りの術を知っているし。

若者たちも彼らを信頼して黙々と労働をこなす。


■島には川がなく、海水を沸騰させて蒸留水を作る。

サバイバル技術でよくあるやつだ。

しかし、これが思った以上に水がちょっとしか取れない。

16人もいるしね!

井戸を掘る作業もやるのだが、汗だくで何個も深い穴を掘るものの、

しょっぱい水しか出てこない。

蒸留水は少しだけで全然足りないし、

火を燃やすための木材もこの島にはほとんど無い!


■しかし魚は釣れたし、

海亀は陸にいる時はひっくり返すだけで捕まえられるという容易さ。

しかもその海亀がとても美味かったらしいのだ。


■そんな無人島での生活がとてもリアルに描かれていて

なんとも魅力的なのだ。


雨が降った時の「これで水が飲める!」という喜びもすごく感じることができる。


鳥の卵を食べたら美味しくて

だけども食べ過ぎて便秘になって

食べれる野草を探して食べたら便秘は治ったり。


アザラシが島の端によく居るが

それを食べるのは切羽詰まった時にしようと決めてたら

船員の何人かはアザラシと仲良くなって友情が芽生えてたり。


■そんなことを言っていると、

のんびりしているように見えるが。

その島は船の通るルートではないし、

助けが来る可能性はかなり低い。

彼らはここで何年でも耐える構えだが、

それも希望があればこそ耐えられるのだ。


果たして、その運命や如何に!


■最後は読んでいてワッと喜んでしまいましたよ。


読み終わった後は日に焼けていそうでした。


良い体験をした。



この記事で知ったよ↓

2021/08/21

太平洋の無人島に漂着した16人の日本人が腹いっぱい堪能した「牛肉よりうまい動物」の名前 海水で煮た潮煮は最高だった #プレジデントオンライン  

kindle版がめちゃ安かった。


↓青空文庫でも既にあるのね。

無人島に生きる十六人

須川邦彦


極楽京都日記: 【小説感想】タタール人の砂漠  

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2023年8月1日火曜日

POST OVER


ここ数日アパートの隣に住んでいる人の声が聞こえない。

姿も見ていない。

何歳かは知らないがそこそこ高齢なお爺ちゃんだ。

偶然会ったら挨拶する程度の付き合い。

そしてウチのアパートはドアに直接ポストが付いているタイプで、

そこに新聞が溜まっている。

取り忘れているのか朝刊と夕刊が差しっぱなしだ。


一階の角部屋なので外から電灯が付いているのが見える。

夜も付いているし朝も付いている。

次の日新聞が押し込まれたのか、

今日の朝刊だけが差してあった。

そのポストの隙間から室内に灯りが付いているのが見える。

人の気配は感じられない。


いや、電気消し忘れて旅行に行っているのかもしれないし。

急遽入院とかで病院にいるのかも知れない。

いつもは頻繁に独り言のような声が隣から聞こえてくるのだが、

そういえば数日聞いていないような気がする。

気のせいかも知れない。


日曜日になって、

状況は変わらず

こりゃいよいよアレかな?

と管理会社に電話をすることにする。

でも、普通にコロナとか罹って伏せっているだけかも知れないし。

どうしよう。

しばらく悩んだが電話をすることに。


電話をしてみると自動発信で

「本日の営業は終了いたしました」

とのこと。

あー、日曜日休みかー。

んー、どうしよう?

まぁ、でもダメで元々、

連絡はしておこうと会社のサイトからメールを送ることとする。

これで月曜日にはどうにかなっているだろう。

ひとまず自分のやれることはやったので安心をした。


月曜日は朝から仕事に出かけた。

ポストに新聞はまだある。

電話番号も書いていたので仕事中に連絡があるかと思ったが、

それもなく。

夕方5時となり終業時間となる。


帰宅。

件の部屋の灯りが消えている。

ポストの新聞も無くなっている。

何かしら確認されて解決はしたっぽい。

自分の部屋に入るとパソコンの方のメールに

「報告ありがとうございます、すぐに確認いたします」

と朝方に管理会社からメールが入っていた。


それ以降結果のメールは来てなかったので。

特にアレな問題はなかったのだろうなぁ、

と勝手に解釈し安堵する。

外は暑く汗をかいていたので風呂に入る。

さっぱりとして体をタオルでふいていると


「ドンドン!ドンドン!」

ノックの音が鳴り響く。


「警察です、少しお聞きしたいことがございまして」

あ、あぁ…

「ちょっと、待ってください」

慌てて体を拭き服を着る。


ガチャリ。


「あぁ、夜分にすいません」

「いえ、もしかしてお隣さんのことですか?」

「えぇ、亡くなっておられました」

「あらー…」


「事件性は無さそうなんですが、一応お話を」

そんな感じで一通り話をして解散。

あー、

そっかー、

そうなのねー。


まぁ、この暑い最中早めに発見できて良かったかな。


というかここ数日ずっとお隣さんはいらっしゃったのね。


ははーん…

へへーん…

ほほーん…


完!


2023 7/21〜7/24


なめらかな文章だが小説ではない。

ノンフィクションである。

そんなこともある。



極楽京都日記: 【サンプル】マホロミ・マホと三人の怪物【冒頭&一章】  

極楽京都日記: 【新刊kindle本】アルファンベルトいちごちゃん 1: 奇妙な言葉リズム 



2023年6月4日日曜日

【100文字SF漫画化】「暗闇」【北野勇作シリーズ百字劇場「納戸のスナイパー」より】



絵が描けなくても漫画は描けるということの証明であり

実験であり高尚な芸術作品であるのです。

決して手抜きなどではございません。

描くのはとても楽ちんですけれども。


まぁ、本当のことを言うと。

絵が描けないと、絵のない漫画は描くことはできないのですがね。


不思議ですよね。

実際そこには絵があるのですが

黒く塗りつぶしてあるのです。


暗くて何も見えない空間には

何もないわけじゃない。

そこには確かにナニカがあるわけなのです。

ただあなたに見えていないだけです。


確かにそこに在るのに。

ほらすぐそこに居るのに。

あなたの耳元にそっと忍び寄るのに。



というわけで、

小説家、北野勇作さんのほぼ100字小説の漫画化第七弾です。



これは「納戸のスナイパー」の46ページにあります。



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2023年5月28日日曜日

【100文字SF漫画化】「吹雪」【北野勇作シリーズ百字劇場「納戸のスナイパー」より】

 


この舞台はどうしても成功させたい。

それは劇団の皆も同じだった。

その想いがいつもは噛み合わなかった歯車を

ガッチリと噛み合わせたような気がする。

自分達の全てを出し切った最高の舞台となった。

本当の拍手喝采というものを

俺は初めて味わった。

物語の主人公である俺は舞台の中央で

演出による紙吹雪を一身に浴びる。

あぁ、なんて感動の恍惚の瞬間。

この時が永遠に続けばいいのに。

スポットライトに照らされて

世界の全てが真白に輝く。

紙吹雪は止むことなく、

辺り一面を白く染めてゆく。

それはいつまでたっても止まる気配がない。

無限の幸福、

俺は白い発光の中、

自身の姿を見失っていくのだった。

世界は完全に白く滲む。


というわけで、

小説家、北野勇作さんのほぼ100字小説の漫画化第六弾です。



これは「納戸のスナイパー」の72ページにあります。


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2023年5月22日月曜日

【100文字SF漫画化】「夜の天気雨」【北野勇作シリーズ百字劇場「納戸のスナイパー」より】


タヌキはまだ出ません。

そこには居るのだけど。

シリーズ第二弾の「納戸のスナイパー」にはタヌキがたくさん出てきます。

まぁ、あまりその姿は見えないのだけど。


タヌキが居るならキツネも居ます。

彼らはうまく化けるのでまるで人間と区別がつきません。


あなただって人間だと思い込んでいるタヌキなのかもしれませんし。

人間が人間である証拠を示すことなんて、

どんな賢い人間にも難しいことです。

でもタヌキは自分が人間である証明をスルリと提示します。

なので自分は人間であると言ってはばからないあなたは、

きっとタヌキなんですよ。

ほら、自分でももう分からなくなってしまっている。


というわけで、

小説家、北野勇作さんのほぼ100字小説の漫画化第五弾です。



これは「納戸のスナイパー」の61ページにあります。



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2023年5月16日火曜日

【100文字SF漫画化】「雨男」【北野勇作シリーズ百字劇場「ありふれた金庫」より】

多分、本来のイメージとしては

駅とか地下通路路の一角にある

水がライン状にいく筋も上から流れ落ちるディスプレイで

その流れ方をプログラムでコントロールして

映像を描き出すやつあるじゃないですか。

それかなー、と思うのだけど。


まぁ、これはこれ。


謎の眉なし男は雨の中たたずむのです。


永遠に。


というわけで、

小説家、北野勇作さんのほぼ100字小説の漫画化第四弾です。



これは「ありふれた金庫」の17ページにあります。


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■極楽京都日記: 【5/21関西コミティア67新刊】奇妙な言葉リズム【まり王:A-33】  



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