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2023年8月1日火曜日

POST OVER


ここ数日アパートの隣に住んでいる人の声が聞こえない。

姿も見ていない。

何歳かは知らないがそこそこ高齢なお爺ちゃんだ。

偶然会ったら挨拶する程度の付き合い。

そしてウチのアパートはドアに直接ポストが付いているタイプで、

そこに新聞が溜まっている。

取り忘れているのか朝刊と夕刊が差しっぱなしだ。


一階の角部屋なので外から電灯が付いているのが見える。

夜も付いているし朝も付いている。

次の日新聞が押し込まれたのか、

今日の朝刊だけが差してあった。

そのポストの隙間から室内に灯りが付いているのが見える。

人の気配は感じられない。


いや、電気消し忘れて旅行に行っているのかもしれないし。

急遽入院とかで病院にいるのかも知れない。

いつもは頻繁に独り言のような声が隣から聞こえてくるのだが、

そういえば数日聞いていないような気がする。

気のせいかも知れない。


日曜日になって、

状況は変わらず

こりゃいよいよアレかな?

と管理会社に電話をすることにする。

でも、普通にコロナとか罹って伏せっているだけかも知れないし。

どうしよう。

しばらく悩んだが電話をすることに。


電話をしてみると自動発信で

「本日の営業は終了いたしました」

とのこと。

あー、日曜日休みかー。

んー、どうしよう?

まぁ、でもダメで元々、

連絡はしておこうと会社のサイトからメールを送ることとする。

これで月曜日にはどうにかなっているだろう。

ひとまず自分のやれることはやったので安心をした。


月曜日は朝から仕事に出かけた。

ポストに新聞はまだある。

電話番号も書いていたので仕事中に連絡があるかと思ったが、

それもなく。

夕方5時となり終業時間となる。


帰宅。

件の部屋の灯りが消えている。

ポストの新聞も無くなっている。

何かしら確認されて解決はしたっぽい。

自分の部屋に入るとパソコンの方のメールに

「報告ありがとうございます、すぐに確認いたします」

と朝方に管理会社からメールが入っていた。


それ以降結果のメールは来てなかったので。

特にアレな問題はなかったのだろうなぁ、

と勝手に解釈し安堵する。

外は暑く汗をかいていたので風呂に入る。

さっぱりとして体をタオルでふいていると


「ドンドン!ドンドン!」

ノックの音が鳴り響く。


「警察です、少しお聞きしたいことがございまして」

あ、あぁ…

「ちょっと、待ってください」

慌てて体を拭き服を着る。


ガチャリ。


「あぁ、夜分にすいません」

「いえ、もしかしてお隣さんのことですか?」

「えぇ、亡くなっておられました」

「あらー…」


「事件性は無さそうなんですが、一応お話を」

そんな感じで一通り話をして解散。

あー、

そっかー、

そうなのねー。


まぁ、この暑い最中早めに発見できて良かったかな。


というかここ数日ずっとお隣さんはいらっしゃったのね。


ははーん…

へへーん…

ほほーん…


完!


2023 7/21〜7/24


なめらかな文章だが小説ではない。

ノンフィクションである。

そんなこともある。



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