夏頃、自転車で歩道を走っていると前方に見える街路樹に「手」が見えた。
誰かがもたれかかっていて人の体は向こう側に隠れているのだろうと思った。
しかし、自転車をこぎ出し前に進んでもいっこうにその姿は見えない。
手だけはそこにあるというのにだ。
私は気付く「手だけしかない」
手は人間で言うとヒジまでの長さしかなかった。
ヒジまでの手が街路樹に貼り付いていたのだ。
ギョッとした私に気付いたのか「その手」は振り向いた。
振り向くといってもその木の面に向けていた手の平をこちらに向けたということだ。
その手の平の中心に人間の様な口があり、
なにかをバリバリと食っていた。
口に端にセミの羽が垣間見えた。
私が固まったままでいると、
奴は手の平をくるりと返し。
そのヒジ辺りから生えている馬の様な人間の様な奇妙な小さい二本の足と、
手の平をつかって器用に木の表面を掴みワサワサと登って行った。
呆然とする私だったが恐怖もあり、
その行方を確認することもできずにいた。
何かの見間違いだろうと自分を言い聞かせ、
早々にその場所を去ったのだった。
のちに調べて見ると
そのような目撃例は少ないながらも
全国であるのだという。
極楽京都日記: なんか怖い絵
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極楽京都日記: 【怖い】現代の妖怪シリーズ【閲覧注意】
— UTIMI Mario 内海まりお (@mariouji) 2016年11月3日
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