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2016年11月10日木曜日

【小説感想】「聖なる怠け者の冒険」森見登美彦



■いやー、これ凄い好き!
とっても私の好みです!
森見登美彦小説は好きなのだけど
全部読んでるわけではないのですが。
これは私の真ん中にクリーンヒット!

■あ、最近文庫本版が出たらしく
それを買って読んだのでした。



これは怠け者のお話だ。
そして怠け者が怠け者のままに
勝利を勝ち取るという
愉快痛快な物語である。

いや、怠け者とは言っても
ちゃんと毎日仕事には行くし
それなりにちゃんとやることはやっているのだが、
週末はただただぐうたらと怠けて過ごしたい
昼まで寝るというのではなく
きっちり早起きして
のびのびと充実した怠けっぷりを発揮したいという
まっこと真っ当な怠け者の青年が主人公であるのだ。



そして毎度ながら舞台は京都だ。
しかも物語のクライマックスは祇園祭の宵山になる。
少し前から京都の町中に現れた怪人。
その名も「ぽんぽこ仮面」!
黒いマントを羽織り愉快なタヌキのお面をつけた怪人が
京都の町中をひた走る。
なんだ君は

「はっはっは、私はぽんぽこ仮面!
 さぁ、この手を掴むが良い!
 困った人を助けることが、
 我輩の仕事である!」

なんて愉快な奴が活躍する中
怠け者の青年は会社の変な先輩や奇妙な上司に付き合わされ
京の町を右へ東へ左に西に。
あぁ、これでは怠ける暇がない。
そんな彼の前に立ちふさがる京の怪人ぽんぽこ仮面。
そして現れる謎の探偵。
謎の悪の組織も現れて。
追うもの追われるもの。
時にはその肉体で戦い、
時には舌戦の大バトル!



宵山の京都の夜は
摩訶不思議
酒に酔い町に酔い
祭りの上気に人は惑う。

輝く町の光は
ぐるぐると回り
大スペクタルな展開を見せるのだ。

あぁ、僕はただ週末を怠けて暮らしたいだけなのに。




■なーーんて
そんな感じの愉快な物語で。
満足安心充足完了。
とてもよい時間を過ごすことが出来ましたので
大好きな本と相成りました。

あぁ、これはとても良いものだ。


■なんかこれはもと新聞連載だったらしく
挿絵が毎回入っていたのだがこれには収録されて無く。
別で挿絵集があるのだとか。
それも気になるなぁ。






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