自動

2023年6月25日日曜日

【映画感想】スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース


■『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』観た!

圧倒的パワーの画面作りで吹っ飛ぶ!

それでいて物語もがっちりしっかりしていて。

マルチバースに対するあらゆるツッコミを打ち潰してゆく。

あと、薄っぺらなヒーロー気取りの人を全て殴り倒すので爽快!

自分でヒーローを名乗る奴は悪だ!


■正しくあるべき、とはどこまで正しくあるべきなのか?

そもそもその正しいことが正しいなんて誰が判断しているのか?

そんなことを「運命なんだからしょうがない」で済ませない。


■冒頭のヴィランが絶望して

「その原因はお前だ!」と激昂しているのを、

「わざとやったわけじゃない、そりゃ運が悪かったね」

と済ませようとしている主人公。

ストーリー上も軽い感じで

悪い奴が逆恨みしているぜ、って感じで描いているのだけど。


■その運命の悪戯で自分の人生も変わってしまう。

というか自分がイレギュラーに幸せになったことで

他の並行世界に不幸を押し付けてしまっていることに気が付く。

それはあのヴィランが味わった苦しみと同じものだったのだ。


■マルチバースが開き、

起こりえなかった異変が加わることで

運命そのものが改変されてゆく。


■ストーリー上正しい、

それは物語の作劇上、

ハリウッド的大バジェットの映画であるならなおさら。

どの世界のスパイダーマンも同じ運命を辿るべきだ。

偶然能力を得て、恋人が出来、

皆同じように愛する人を失うべきなのだ。

…となってしまう。


■グウェンの方もどこにも自分の居場所がなく、

自分がスパイダーマンだと言えないことで

父親にすら自分の全てをさらけ出せない。

それどころか親に嘘を付いて生きている

という罪悪感さえ負ってしまっている。


■バンドをやってみるが

それもメンバーと打ち解けられずに

仲間にはなれずにいた。


■そこで家庭以外の尊敬できる

年上の集まりに参加し、

新しいことを知り

自分の居場所が出来たかに見えたが…


■そこのリーダーの、

とても正しいが

真面目過ぎる正義。

大勢を助けるためなら数人の犠牲は仕方がない。

もちろんそれに対する罪も彼ひとりが背負っていて

その姿はもはや悲惨なのだが。


■結局は自分の居場所を探す物語で。

親から巣立つ子の話でもあり。

それが物語上の人物であると自覚的あるからこそ、

それは物語ではない現実の私達にそのまま返ってくる。


■だからむしろ

現実を物語だと思ってしまっても問題はない。

しかし物語なのであれば

ぼんやり待っていても

ハッピーエンドが降り注いでくるのではないか?

と思ってしまうが。


■そうではない。

物語の主人公は決断をする。

むしろ決断の連続だ。

そして決断して実行!


決断しない主人公、

行動しない主人公

なんてあり得ない。


「俺たちは物語の主人公じゃないんだぜ?」

なんてワケ知り顔で言うやからは

決断と行動に尻込みしてしまっただけなのだ。


動け!今すぐ!


■まぁ、そんなこともアレですが。

アクションシーンが異様にカッコいいし

スパイダーマンの縦横無尽な移動についてくるカメラワーク!

これ考えてる人頭どうなってるんだ!?

って感じで快楽なので

普通に楽しんで観るがよろしいよ。

とても綺麗!

とても素敵!



映画『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』



極楽京都日記: 【映画感想】スパイダーマン スパイダーバース  #SpiderVerse  

極楽京都日記: 【映画感想】スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム  

極楽京都日記: 【映画感想】リバー、流れないでよ  



0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。