■『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』観た!
圧倒的パワーの画面作りで吹っ飛ぶ!
それでいて物語もがっちりしっかりしていて。
マルチバースに対するあらゆるツッコミを打ち潰してゆく。
あと、薄っぺらなヒーロー気取りの人を全て殴り倒すので爽快!
自分でヒーローを名乗る奴は悪だ!
■正しくあるべき、とはどこまで正しくあるべきなのか?
そもそもその正しいことが正しいなんて誰が判断しているのか?
そんなことを「運命なんだからしょうがない」で済ませない。
■冒頭のヴィランが絶望して
「その原因はお前だ!」と激昂しているのを、
「わざとやったわけじゃない、そりゃ運が悪かったね」
と済ませようとしている主人公。
ストーリー上も軽い感じで
悪い奴が逆恨みしているぜ、って感じで描いているのだけど。
■その運命の悪戯で自分の人生も変わってしまう。
というか自分がイレギュラーに幸せになったことで
他の並行世界に不幸を押し付けてしまっていることに気が付く。
それはあのヴィランが味わった苦しみと同じものだったのだ。
■マルチバースが開き、
起こりえなかった異変が加わることで
運命そのものが改変されてゆく。
■ストーリー上正しい、
それは物語の作劇上、
ハリウッド的大バジェットの映画であるならなおさら。
どの世界のスパイダーマンも同じ運命を辿るべきだ。
偶然能力を得て、恋人が出来、
皆同じように愛する人を失うべきなのだ。
…となってしまう。
■グウェンの方もどこにも自分の居場所がなく、
自分がスパイダーマンだと言えないことで
父親にすら自分の全てをさらけ出せない。
それどころか親に嘘を付いて生きている
という罪悪感さえ負ってしまっている。
■バンドをやってみるが
それもメンバーと打ち解けられずに
仲間にはなれずにいた。
■そこで家庭以外の尊敬できる
年上の集まりに参加し、
新しいことを知り
自分の居場所が出来たかに見えたが…
■そこのリーダーの、
とても正しいが
真面目過ぎる正義。
大勢を助けるためなら数人の犠牲は仕方がない。
もちろんそれに対する罪も彼ひとりが背負っていて
その姿はもはや悲惨なのだが。
■結局は自分の居場所を探す物語で。
親から巣立つ子の話でもあり。
それが物語上の人物であると自覚的あるからこそ、
それは物語ではない現実の私達にそのまま返ってくる。
■だからむしろ
現実を物語だと思ってしまっても問題はない。
しかし物語なのであれば
ぼんやり待っていても
ハッピーエンドが降り注いでくるのではないか?
と思ってしまうが。
■そうではない。
物語の主人公は決断をする。
むしろ決断の連続だ。
そして決断して実行!
決断しない主人公、
行動しない主人公
なんてあり得ない。
「俺たちは物語の主人公じゃないんだぜ?」
なんてワケ知り顔で言うやからは
決断と行動に尻込みしてしまっただけなのだ。
動け!今すぐ!
■まぁ、そんなこともアレですが。
アクションシーンが異様にカッコいいし
スパイダーマンの縦横無尽な移動についてくるカメラワーク!
これ考えてる人頭どうなってるんだ!?
って感じで快楽なので
普通に楽しんで観るがよろしいよ。
とても綺麗!
とても素敵!
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— 内海まりお UTUMI Mario (@mariouji) June 24, 2023
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