中野ブロードウェイは東京都中野区に実在するショッピングセンター。
4階まではショッピングセンターだが
5階以降上は高級マンションとなっている
10階建のビルディング。
昨今はオタク向けのアニメや漫画の店が多くひしめいている。
なんとも不思議な空間なのだ。
そんなところにフラりと迷い込んでしまった
冴えない高校生男子が事件に巻き込まれて行く。
いや、巻き込まれて行くというか
閉じ込められる。
偶然出会った女の子に導かれるまま
屋上に出たはいいがそこで地震が起こったのか
ビル内の緊急設備が作動し外界との接続を一切遮断されてしまう。
スマホもネットも繋がらない。
どうすればいいのだ?
そして何が起こっているというのだ!?
出口を求め中野ブロードウェイの探索が始まる。
そんな感じでこの怪しい建物の中を
上へ下へ左へ右へと迷いまくるのです。
突然の事故だったので。
当然建物の中には他の人たちもいる
ショッピングセンターに来ているお客さんだけでなく
その店の店主だったり管理人だったり
上層階の住人だったり。
その人たちが皆キャラが濃い、
ここはそういう場所なのだから、
ひと癖もふた癖もある人たちに出会ってゆく。
一人一人に人生がありドラマがある。
それを順に聞いてゆくと歴史が見えてくる
この建物の歴史でもある。
バブル時代に青春を過ごした人の話がいくつか出てくるのだが
私自身はバブルなんて知らなかったし
「あの頃は良かった」なんて言う人たちが大変苦手なのだが。
表面上の浮かれた楽しさの裏の話が多く、
大変興味深く読み進めてしまう。
ここに集う人たちは何かを秘めている。
そしてこの建物自体も何かを秘めていた。
大きな異変と。
長い年月をかけて実行され続けていた計画。
それらが怒涛のごとく一挙に押し寄せる。
作者のこれまでの作品の集大成のような
多面的な方向から、未来と、技術と、感情と、呪い。
そう、まるでテクノロジーの呪いのごとく。
過去から未来へと語られる。
しかし、祝される。
祝福される。
何通りかの祝福を読者は選ぶことができるだろう。
どこに進むのか。
どこに止まるのか。
あなたの居場所はどこなのか?
人生の意味について答えをくれるかもしれない。
はたまた、放り出されるだけかもしれない。
そんな感じがとても面白いのです。
好奇心と、安心と、自由が。
どこまでも進むのか。
ここを終の住処と決めるのか。
どちらも選ぶことが出来る。
そしてそれはどちらも可能なことなのだ。
なんてねー。
過去があって現在がある。
現在をブーストアップすれば
未来はすぐに現れる。
君の思い通りの未来が現れる。
中野ブロードウェイはバベルの塔のようでもあるのです。
うふふふふ。
極楽京都日記: プラトニックチェーン 渡辺浩弐
極楽京都日記: 2013年のゲームキッズ(渡辺浩弐):小説
— 内海まりお UTUMI Mario (@mariouji) 2018年1月14日
— 内海まりお UTUMI Mario (@mariouji) 2017年12月9日
— 内海まりお UTUMI Mario (@mariouji) 2017年12月30日
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