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2017年6月17日土曜日

【映画感想】「メッセージ」



■突如宇宙から謎の巨大物体が現れる
そこにいる”彼ら”と意思の疎通を図ろうとする
政府と言語学者

しかし、なかなか解析は進まず
中途半端な翻訳から様々な憶測が乱れ飛び
人類は混乱する。

これは地球の皆が力を合わせなくてはならないことのはず。
と言語学者は主張するが。
敵だったらどうする!と政府や民衆の疑心暗鬼は止まらない。


■しかしとある「兵器」を与えられ事態は一変する。
兵器という言葉から
ほら、やはり戦争だ!
と思ったのだがそうではなかった。

むしろ逆だ。
その戦争をなくすためのモノが
彼らから与えられたのだった。

それはなんなのか?



争いとは
お互いの不理解によって起こる。
言語の違いはその初歩的なものだ。
同じ言語を使うものは、似た思考をする。
そして違う言語を使うものは、違う思考をする。

では、未だ理解できない言語を持つ彼らの思考とは?

■争う互いを理解し合うためには
相手の心を開いてもらう必要がある。
しかし、その扉は大抵の場合閉じられている。

その心の扉を開ける鍵は
「あなただけの秘密のパスワード」なのだ。
それを聞き出さなければならない。
でも、そう簡単にパスワードを漏らす者はいない。

■だったらどうするか。
仲良くなってから未来で本人に聞けばいい。
…ん?
何かおかしなことを言っている。
未来のことは未来にならなければわからない。
それは当然、当たり前にそうだ。

私たちの言語が理解する範囲ではそうだ。

■しかし彼らの言語では「時間」をどう捉えているのか?

今地球上にある言語でも
時間を、
長い時間、短い時間と「距離」で捉える言語
膨大な時間、小さな瞬間と「量」で捉える言語とがあったりする
時間は歩いてゆく場所なのか?
時間は溜まってゆく物なのか?
それとも流れてゆくもの?

それはそれぞれの感覚によって変わる。



■人生を終えるとき幸せだったと思うために
その幸せだった時間をどう捉えるのか。
最終的な結果の状態なのか?
それとも総量で測るのか?



■なーーんてことを
映画の物語に乗せてうまいこと説明してるんですよねー。
もう知的に面白いですよー!
ほとんどが彼らとの交渉
もしくは相互理解の努力をするシーンなので
ほぼ密室劇なんですが
ものすっごい緊張感を持って
そんでもってなんだか妙にリアリティがある。

■あれ?これって世界の本質なんじゃないか?
なんて思ってしまうほどに。
この映画を見ることによって
新たなる感覚が開いてしまったんじゃないか?
なんて思ってしまえるほどに。

観る人間の感覚能力を進化させてしまえるような映画でしたよ。

■もう、理屈で平和を実現する感じで
たまらない感じでしたよ。
あいつとは絶対理解し合えない!
って人と分かち合えてしまうのです。
ナイス!

■あぁ、そうだ今やってる日本のアニメ「正解するカド」と同じくする部分が多いです。
やっぱりSF作品は人類を進歩させますよねー。
よきかなよきかな。






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