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2024年10月14日月曜日

【映画感想】悪魔と夜ふかし


■おー!すっごくいい!

とても爽やかな気分ですよ。

やっぱり70年代魅力的ですよねー。

なんか現代の嫌味ったらしさが無いんですよね。

欲望と前に進もうとする活力がある。

そしてその隙間に何か得体の知れないモノが

確かに合った気がしてしまう力強さ。

楽しいですな。


■ホラーでオカルトで悪趣味でグロテクス

なんですけど驚くほど爽やかに心地良いんですよ。


■あのカルト集団の話って

多重人格サイコのルーシー・モノストーンの元ネタにもなったやつなのかな。


■テレビのリアリティーショー。

日本だとユリ・ゲラーのスプーン曲げとか

誘拐事件をFBIの心霊捜査官が解決するとか

UFOとかネッシーとか

心霊写真やノストラダムスの大予言!

もう、楽しすぎる時代!


■そんなものは嘘だ、トリックだ、

なんて判断出来ない所に

まだまだ人間の知らないことが普通にある時代だった。

未開の部族とか、これは別にオカルトではないけど。

知らないことがひとまとまりとして

大きくあったのですよ。


だからそれがオカルトなのか

まだ人類が知らない真実なのか

その見分けが付かなかったのです。


■いや、現代人のその見分けが付いているかというと、

それははなはだ信用できないし。

十年後くらいには未来の人にバカにされてそうですけどね。


■逆に現代人は全て分かったことにして

未知のものに蓋をしてしまっているのかもしれません。


しょせん、どうせ。

なんて言葉を使いながら。


■あぁ、そして逆にそんな凝り固まった世界に居心地の悪さを感じて。

精神的なスピリチュアルな方向に行く人もいますね。

しかし、それはそれで逆方向に極端なので。

私は苦手です。


考えたり調べたりすることをせず、

「信じる」で物事を考える人。

それは「自己中心的」と同じですから。


■ともあれ、そんな楽しい時代で!

超面白いテレビ番組が始まるぜ!

テレビがノリに乗ってる時代!

視聴者もテレビに釘付け!

番組司会者は少し落ち目なので

起死回生の大企画でぶちかましてやる意気込み!

観覧視聴者も前のめり!


■そこにやってくる。

怪しい霊媒師、

そのインチキを暴こうとするオカルト研究家、

恐怖に怯える司会アシスタント。


そして悪魔に憑かれたという少女がやってくる。

彼女を研究調査している超常現象研究家の先生と共に、

番組内で降霊実験を行うことになってしまったのだ!


■番組司会者はこれは高視聴率が期待できる!

そして私の人気も復活するはず!

と大興奮。


しかし不穏な少女の笑顔。

数々の異変。

もしかして、もしかしてこれは

本当の…?!


■なーんて、そこらへんのさじ加減も絶妙で。

大変良きモノになっておりますよ。

本当だとも嘘だとも断定できない。

世界の隙間に落とし込まれてゆきます。

それがなんとも心地良い。


■なんでも白黒付けたがる。

そうしないと安心出来ない現代人は、

こういう世界を心のどこかに持っていないと

壊れてしまう気がするんですよね。


■不確かで不確実。

つかみどころがないけれど、

存在感は巨大。

人類はまだ世界の上っ面しか理解していないのだと。


■まだ、分からないことが沢山ある。

その方が楽しいじゃないですか。


実際、まだ何にも分かっちゃいないんですから。


■こんなにも科学が発達した世の中で?

って、まだこの程度の科学しかない世界なんですよ。

人間はまだまだ何も見えちゃあいない。


映画『悪魔と夜ふかし』公式サイト - GAGA


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2024年10月12日土曜日

【映画感想】ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ

 


■凄い良かった!

悲しくって楽しくて嬉しくて泣いてしまよね。


■ジョーカーを憎しみ

暴言で誹謗中傷して

殴り殺そうとしている

ごく普通の一般人も、


彼を信奉して

社会を破壊したい人も


あまねく全てを許さないジョーカー。

そしてそんな人達によって

アーサーは完全に殺された。


■いいよねー、

お前のことを理解してくれる人は

世界にひとりも居ないって言われるの。


■誰も、誰一人として彼を助けない。


それはつまりこの映画を観ているあなたもそうだ。

彼を見殺しにする。

それどころか殺人に加担している。

世界中の人、全てが人殺しなのである。


■誰も、誰一人として彼の本当の姿を見ようとはしない。

社会的弱者として姿は全ての人が見て見ぬふりをする。

もしくは型通りの形に押し込めて納得するし。

悪のカリスマとしてジョーカーは

各自の思想にとって都合の良い利用できる存在でしかない。

皆、彼自身には何も興味がないのだ。


■彼に向かって

「君は人の気持ちを考えた方がいい」

なんてことを言うのだが。


彼の気持ちを考えてくれる人はひとりも居ない。

殺人鬼なんて恐ろしい者は人間ではない。

だからそんな者の気持ちなんて考える必要がない。

そんな理屈でどんどん人間でない者を増やしていく。


■誰も、誰一人として彼のことを考えてはくれない。

一見、助けてくれるような弁護士も

裁判に勝つ方法を教えてくれるだけで、

本当の彼がアーサーなのかジョーカーなのか、

そんなことには全く興味がない。

彼自身に対して何も興味がない。

精神異常者のフリをした方が裁判に勝てるよ、

と言うだけだ。


■そんな世界だぜ?


歌わずにいられるか。

心の中だけは自由だ。

自分の気持ちを歌に込めて

伸び伸びと声高らかに歌おう。

愛の歌を歌おう。


お前を愛してくれる人は

この世にひとりも居ないのだとしてもだ。


■ジョーカーみたいなの

昔ならば悪魔憑き。

日本ならば狐憑きとして。

彼は悪魔に取り憑かれて

こんな悪いことをしてしまったのだ。

だから本当の彼自身は救いようがあるはずだ。

悪魔を祓えたのならば、

罪を認め、悔い改め。

また皆で暮らしていきましょう。


と、なるはずなのだが。


■もうこの世の中では

一旦罪を犯した者は永遠に許されない。

もはや許されないどころか。

自分達に害を成すような悪は

その芽が出る前に摘んでしまおう。

みたいな考えさえ充満している。


■そしてよく考えると。

このジョーカーの街、

バットマンの街でもあるわけで。

あの悪名高き、巨悪のはびこる

犯罪の坩堝「ゴッサムシティ」なんですよね。


■バットマンが悪をバンバン倒すための

作劇上、悪が無限に湧き出てくる街なわけですよ。

水戸黄門が各国を行脚してその地方地方の悪を成敗する感じね。

悪がたくさん居て便利。


そのとんでもない犯罪都市

ゴッサムシティなんですが。

なんだかもう現代の現実の街が、それと変わらなくなって来てるんですよね。

日本とゴッサムシティの違いがもはや無いのです。

設定としては1970年代あたりなのかしら?

そのころに描いた架空の犯罪都市が

今、現実の世界中の都市の有様になっている。


恐ろしい話ですよ。


■でも私は思うんですよ。

世界中の人々が殺したのはアーサーであって。

世界中の人々が生み出したのがジョーカーであると。

彼は本当に死んだんでしょうかね?

そこは明確に描かれていませんでしょう?

あれは世界中の人々が集団で撲殺し、完全に殺した後。

誕生したんじゃ無いでしょうか?


■そして誕生したジョーカーは

ハーレークイーンのことを愛してはいないんでしょうね。

悲しいですよね。

でも、世界中の皆でアーサーのこと殺したんだから

仕方のないことなんですよ。

世界中の人で寄ってたかって

愛を殺したんですから。


皆、それに無自覚ってのが

笑っちゃいますよね。

コメディですよね。

悲劇ですわ!喜劇ですわ!




ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ公式サイト



追記:私はジョーカーの1作目は嫌いだったんですよね。

ジョーカーはもっとカッコいい悪のはずだ!と

完全にジョーカーの信奉者のスタイルですよね。

そうなんですよね。

実は2作ともジョーカーの話ではなく。

アーサーの話だったのですよね。

社会的弱者に心を寄せる人と

それを打ち壊す革命家を待ち望む人

そのどちらもが自分に都合の良い彼であって欲しいというね。

彼の気持ちは置き去りにしたまま。


そうなんだよねー、

今、現代全ての人は自分を守るために

他人の愛を壊して回っているのですよ。


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2024年10月6日日曜日

【映画感想】ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ

 


■前作見てないのだけど良かった!

北村龍平のVERSUSとか

リベリオンのガンカタとか

ジャッキーチェンのアクション映画なのよね。

冬村かえでの気持ちが分かりすぎて変な所でニコニコ笑ってしまった。

そしてその異様さがあるからこそ、

彼女たち二人が日常に居るのに幸せを感じれる。


■まぁ、日常って言っても殺し屋なんだが。

女の子殺し屋二人コンビが殺し屋協会からの依頼を受けて

ターゲットをぶっ殺しまくるっていうね。

そのアクションシーンがもう無茶苦茶に良いのですよ。


しかし、女の子の役者二人が

アイドルちゃんとかではなく

アクションをガッツリ自分達で出来ちゃう人なのよね。

なので太ももがパンパンにしっかりしていらっしゃる!


動きがキレッキレ!

銃も使えばナイフも使うし

体術が極まっている!


■そんな二人、殺しが無い時は

のんびりと楽しく暮らしているのね。

そのシーンとアクションシーンのギャップがまた良い。


ってことなんだけど。

いや、まだやっぱり日本映画的なダルさは少し残っている。

話内容としてユルいのは良いんだけど

映画鑑賞としてダルく感じるのは良くない。


まぁ、そこをアクションシーン大盛りでくつがえしてくるから

文句つけづらいんだけど。


■そして冬村かえでですよ。

シン仮面ライダーの役者の人ですよね。

この人が怪物と呼ばれる最強の一匹狼の殺し屋。

ってことで恐ろしく強い!


しかし、彼を殺そうとその姿を追っていくと。

彼の生真面目さと人付き合いの苦手さ、

そこから生まれる孤独で友達が欲しいと切望するやるせなさ。

普通の人間以上の人間臭さが溢れ出てしまって。

とってもとても共感してしまう。

そうだよね、生きづらいよね〜。


異常者集団の殺し屋の中でさえ

うまく人付き合いが出来ない。

■そう、女の子二人もたまたま殺し屋の才能があったからやってるだけで。

社会不適合者であることには違いないのですよね。

殺し屋協会の面々もそれぞれに社会に相いれなかった人達で。

しかし、だからこそ社会にすんなり適応している人こそが

異様な存在に見えたりもするんですよね。


■社会に適合するためには

ある程度自分の感情を抑えて

集団のルールに合わせていかなくてはならない。

でも現在はそのルールを暴力的に使う人が多くなってきて。

普通の社会自体が異常者の集団みたくなっているのよねぇ。


■なのでそんな普通の異常から解放された

殺し屋の世界が痛快に見えてしまうのです。


もちろん人を殺すなんて絶対ダメだけど。

普通の社会は日本で毎年2万人の自殺者を出す

異常な社会なのだから。

普通の人の方が人殺しをしているんですよね。


■まぁ、そんなことよりアクションシーンだ!

もう後半に行くにつれ

ドンドンと楽しくなっていく。

もはや格闘技!


そしてその格闘技と違うのは

その先にある死を感じてしまうこと。

銃なんて一発あたれば死んでしまう。


漫画的に主人公には弾は当たらないぜ、

ってことも無い感じが垣間見れて。

誰もがいつ死んでもおかしく無い状況なんですよ。


でも、映画なんでしょ?

と思うでしょ?


この女の子二人はとても仲良しなんですよ!

だからどちらかが死んでしまえばそれは悲しい!

残された方はいったいどうすれば良いんですか!

そんなことを真剣に思ってしまうほど、

二人の友情を守りたくなってしまうのよね。


■冬村が二人を見て

「羨ましいな」

って言うのも良くわかる!


死なないでくれー!!!


■そんな情緒なので

二人の

「生きてて良かった〜」

という言葉が本当に五臓六腑に染み渡るのでありました。


そうだよ

生きていこう!

ヤッタネ!


映画『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』公式サイト



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