パズルや手品のように日常が分解されて再構築されていく。
起こっている出来事は違う人が描けば何もないつまらない日常なのに、
出てくる人々も本当ならば生きづらい日々を送ってしまいそうなのに、
それらの全てが、ものの見事に輝いている。
世界が美しく見える瞬間がある。
楽しいし愉快だし、
気を抜くと世界の秘密を知ってしまいそうになる。
なんだこれ!?
騙されるな!大成功です!
ゆっくり映画のオープニングのように世界を描写していたかと思えば
一コマごとにどんどん結論が変わってゆく展開で
セリフが小気味よく跳ねてゆくんですよねー。
榎本俊二漫画は半分読んで半分読んでない感じで
「ムーたち」とか大好き人間です。
なんなんでしょうねこの人の漫画。
深く感動する話でも、泣ける話でもない。
ギャグ漫画ではあるんだけど、
妙な爽快感がある。
そう、すごく心地よいってのが通底にあるんですよね。
重い話にならないもの心地が良いし。
何か思想を押し付けてこないのも心地が良い。
とても居心地の良い疾走感のみがあるんですよ。
だからと言ってスポーツの後の爽快感でもなく。
笑った後に何も残らない空虚さもでもない。
凄そうで凄くない。
でも人生の中に不意に現れる
奇跡の瞬間をくるっと捕まえていたりするので
手に負えない。
本当に世界の秘密があるように見えて。
全然そんなことはないのかもしれない。
でもまぁ、全てがぐるっと円環で繋がったら
面白いじゃないですか。
そんな漫画ですよ。
どんな漫画ですか。
わかんないよ。
わかんないのかよ。
でも、まぁなんか良い感じなのよ。
良い感じならいいじゃないか。
そう、とても良い。
心地よい。
そうして、
この世の全ての呪い恨みが
消滅いたしました。
ありがとうございました。
とりあえず1話読めるので読みなされ。
ザ・キンクス - 榎本俊二 / 第1話 うれいらずたのぼー | コミックDAYS
極楽京都日記: 【漫画感想】ジロバッグ 榎本俊二
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