自動

2022年10月19日水曜日

【映画感想】漁港の肉子ちゃん

■上映当時、予告編を見ても全然面白そうに見えなかったでスルーしていたのだったが

後からチラホラ良かったというのを気難し系の人が言うのを見て

ようやく見てみたのだった。


そしたらこれが面白い!

最後は感動して泣いてしまった。


■しかし、前半部分は少しムカついてイラつく感じだった。

アニメはすごく出来が良くて、

背景も綺麗でジブリの弟子の人が作ったような素晴らしさ。

でも、なんだか「正しさ」を押し付けられているようで

イライラしてしまったのだ。

テクニックは凄いのだけど中心のパワーがない感じ。


■ありがちな小学生の問題

その嫌な方に流れるでも反抗するでもない

中途半端な位置。

母親の肉子ちゃんも

何か純粋な純情を出し過ぎて奇妙。


だが、ありがちな激情や感動にはふらないぜ。

ということも感じて。

なんか変な感じでモヤモヤしてしまっていた。


そんなことを思っていたら。


■後半。突然、場面が変わる。

未来の話?

かと思ったら違った。

そしてそこからがこれまでの前半に繋がる。

奇妙な違和感と絡み合っていく。


物語の中でも語られる

「それは大人が押し付けた子供らしさだ」

みたいなことを前半でこの映画自身に感じたのだが。

それすらお前がそう決めつけているだけで。

本当のその人物の気持ちではないのではないか。

みたいな。


■その人がどうしてそんな振る舞いをするのか。

想像して推測で理解したつもりになることは出来る。

しかしそれはあくまで想像であり、

本当のことかはわからない。


そこで想像を止めるのは

早く答えを確定させて安心したいからだ。

「こいつはこんな奴に違いない」

と決めつけた方が楽だから。


■なのでこの物語でも

私は早々にこの人物はこんな人に違いないと決めつけ

勝手にムカついていたのだった。

しかし、本当は違った。

あぁ、そういうこともあるよね。


昨今、多様性とかSDGsなんて誰もが口軽く話しているが。

それにも見える表面上だけの理解と

奥底の行動の違い。


なんて言うか

ちゃんとみんなそれぞれに生きているんだぜ。

とか言う話だ。


良かったね。


■なのでこの映画は優しい映画で感動したい、なんて人よりも

へそ曲がりでひねくれているダメ人間の方が見た方が良いよ。


こっそり見よう。

こっそり泣こう。


劇場アニメ映画『漁港の肉子ちゃん』公式サイト



amazon video「漁港の肉子ちゃん」



極楽京都日記: 【映画感想】四畳半タイムマシンブルース  

極楽京都日記: 【映画感想】NOPE / ノープ【 #NopeFilm】  



0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。