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2022年10月1日土曜日

【映画感想】四畳半タイムマシンブルース

■「四畳半タイムマシンブルース」

なんということだ、

とても良かったのである!


全ての画角が心地よく、

時折見せる世界の美しさ。


そしてなにより明石さんがとても可愛いのだ、

それに比べて私の不甲斐なさといったら。


いや、そのはびこる阿呆さこそが

この世の幸福を下支えるのである!

輝ききらめく森羅万象に幸あれ!


■そんなわけでとても良かったのである。


私は原作小説も読んではいたのだが、

これは映画にできるものなのか?

面白いには面白いのだが。


映画に耐えうるポテンシャルはあるのか!

せせこましい四畳半の物語ではないか!

もっとハリウッド的に爆発したり、

イケメン俳優がジェット機に乗ったり

危機的状況から美女を救ったりはしないのか!

むさ苦しい男が二人、夏の暑さにうだりながら

上半身裸でペチペチはたき合いをしているではないか!


なんだこれは!

責任者を呼べ!

私はアクションを所望する!

私はうっとりするようなラブロマンスを期待する!


それなのに、これはいったいなんであるのか!

こんなもので映画を成功させられると思っているのか!

君たちはまるで何にも分かってはいない!

私ははなはだ疑問である!


…なんてことを思ってはいたのだが。

結果、面白い。

とても面白くて素敵な映画なのである。


私の不見識であった。

これは素晴らしく素敵な映画なのである。

皆のものよ、拍手!


拍手やめ。


■原作は森見登美彦の小説であるのだが。

さらにその元はヨーロッパ企画の演劇作品であり

実写映画化もされている

「サマータイムマシン・ブルース」

という作品だ。

いや、私は見とらんのだが。


そのうち見よう見ようと思って幾星霜。

時間の流れとは早きものなのだなぁ(詠嘆)

その原作の原作を下敷きに

森見登美彦の「四畳半神話大系」の登場人物の面々が

タイムマシーンを巡って、てんやわんやする物語なのだ。

そう、まさに「てんやわんや」がふさわしい。


■タイムマシンを使った時空トラベル!

時を越え遥か彼方へ!

そんな果てしないポテンシャルを秘めたこの設定において

彼らはほとんどアパートの四畳半から出て行かないというミニマルさ。

映画なのに!


近くの銭湯には行く。

隣に住んでる大家さんの家にも行く。

しかしその程度だ!


タイムマシンはどこの時空に行くのだ!?

戦国時代か?

恐竜のいる白亜紀か?

それとも遥か未来で自分の行く末を見るのか?


答えはノーである。

彼らが主に向かう先は前日なのだ。

…あぁ、せせこましい!


■だけれでもそれが面白い。

昨日と今日を行ったり来たり

昨日の私と今日の私がすれ違う。

時空の歪みを正すため、

慌ただしくも八面六臂の大活躍である!


■それらはわちゃわちゃのぐちゃぐちゃの様に見えるかもしれない。

だがこの手の時間モノ物語にあるべく、

パズルのピースがカチリカチリとハマってゆくように、

一点に向かい収束してゆくのだ。

その様はとても心地よい。


■そして「私」の恋の行方。


なんとも、はやだ。


■あぁ、そう!

冒頭にも言ったが

明石さんがカワイイ!

明石さんがとてつもなくかわゆいのである!

凛とした佇まいの隙に見せるフニャッとした柔らかみ!

しっかりとした自分がありながらも、どこか抜けている。

何なのだこの人は!

どうして私は彼女を目で追ってしまうのだ!


■何を言っているんですかあなたは。

本当は分かっているのでしょう?

それなのに行動しないあなたは臆病者です。

いや、とてつもない阿呆と言っていいでしょう。

そうやっていつだってあなたは

目の前にぶら下がった好機を逃してしまうのです。


そしてやっぱり小津も可愛いのよね。


■いやはや、そんなこんなを

ぐるっとまとめてとても良かったのですよ。

安心

安全

明るい未来!

私の未来はバラ色である!


そんなあなたを僕は全力で不幸にします。


やめろ!




■あと劇場で「もちぐま」を売っていたのだが、

1600円もするので、お金もないしどうするかなー?

などとウダウダやっていたらあっという間に売れ切れていた!

なんてことだ!


そんで監督は湯浅監督じゃなかったのね。

でも、大丈夫、良かった。


「四畳半タイムマシンブルース」特設サイト




■追記:壊れたリモコンを持ってゆき、過去のコーラがかかる前のリモコンとすり替えれば万事うまくいく気がしたが。現状、電気屋に預けているのでここには無いと釘を打たれている。

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