■「すずめの戸締まり」観た!
ギャー!
打ちのめされた!
リアルとファンタジーのどちらにも寄り過ぎず、
それを超えてくるリアリティと幻想。
新海誠が描く風景のあの感じが物語に発揮されているのだ。
ロードムービーで日本を、人々を振り返って行って。
災害の可視化。
激情の納得。
未来の私。
■なんというか映画には
「正しさ」
「面白さ」
の二点があって。
正しさは正確な描写とか全ての人に配慮した物言いとかで。
面白さは人が感動する仕組みとか仕掛けとか、
これは勢いがあれば嘘でも構わない。
その二つのバランスが大切で、
正しさばかりでも詰まらないし。
面白さばかりでも空虚になる。
■そしてそこに三点目として
「作家の中心にあるパワー」
が足される。
この映画は「正しさ」と「面白さ」のバランスが絶妙で、
そこに「作家の中心にあるパワー」が過不足なく十分に注ぎ込まれている。
いや、まぁすっごく心地よく感動してしまったというわけですよ。
■そして出てくる人がみんな良い人!
これも嘘みたいな良い人ではなく、
どこかにちゃんといる良い人なんですよね。
いろんなシーンで嫌なこと言わせること出来るんですけど、
ここではしない。
■物語的には主人公に嫌な思いをさせた後に
解放のカタルシスがあると盛り上がるのですが。
そうはしない。
なぜなら、彼女の人生に既に耐え難き苦難は与えられているから。
それが物語の人物なのに、現実であったかのようなリアリティ。
作者が作った話ではあるのに。
その人物が偶然運悪く受けてしまった苦境。
■そんな気持ちは今、世界中の多くの人の中にある。
それを思い出すとどうしようもなくなるから。
皆、心の奥底に閉じ込めている。
扉の向こうに鍵をかけて封じ込めている。
■それを乗り越えるには鎮魂が必要なのだ。
あの頃の気持ちを鎮めたもうのだ。
消え去る訳ではないのだけれども。
自分の心に納得を得る。
人生のひとつの場所としてそこに納める。
■いやー、しかしイケメン草太さんが
イケメンだから長髪だと思っていたら。
これが視聴者をミスリードするシルエットになるとは!
ズルい!^
そして走る椅子カワイイ!
あとミカンを網でキャッチするとこ凄い好き。
■そして、要石のダイジンはやっぱり神様なので
信心が足りないと弱く痩せっぽっちのボロ猫になってしまう。
あの町も本来はお祭りとかあってちゃんと祀られて、
それなりの力はあったのだろうけど。
誰もいなくなった。
誰も彼のことを気にかけなくなった。
そこに鈴芽がやってきてその存在を認めてくれた。
かつエサもくれて「ウチの子になる?」なんて言ってくれた。
たったひとりの信者なのだ。
いや信者ではないけど、
神様にとって家族なんてのは
信者の何倍ものパワーを与えてくれる繋がりだ。
家族の繋がり。
鈴芽を母の代わりに育ててくれた叔母との繋がり。
■そしてダイジンを追って鈴芽は全国を旅し、
多くの良い人と会う。
その時になぜか彼らの店が繁盛する。
それはもちろんダイジンという神が渡り歩いたから。
彼が鈴芽に気をかけているからなのだ。
■後半に出会うサダイジン。
ダイジンと同じで要石なのだろう。
東京の中心を納めている。
でもダイジンと比べてだいぶ大きい。
これはもちろん地方格差なのである!
まぁ、というか東京の要石は政府や大きな神社の神職が関わっていて
多くの人に気をかけてもらっている。
草太のお爺さんもちゃんと知っている存在。
神様は人に知られているということだけで力が強くなる。
■なので現代の神様がするべきことは
ユーチューバーになって莫大な再生数を稼ぐことなのである!
奇しくもダイジンは町に出ることにより
多くの人々のSNSにアップロードされることになり
その力を増大させていったのだ。
やったぜ!ダイジン!
■まぁそんな「正しさ」と「面白さ」と
「作家の中心にあるパワー」それらが一体となって、
更に絶妙なバランスで整うことによって
「震災」を描くことが出来た。
封印していたあの気持ちを描くことが出来たのだ!
そして鎮魂し納棺する。
自分を納得させることは自分にしか出来ない。
そこに納め未来に進む。
それは消えはしないのだ。
なぜならそれが「中心にあるパワー」なのだから!
なんそれ!?
(知らねー)
■あと芹澤くん良いですよね。
オタクに理解あるチャラ男。
良い塩梅。
それでは良い未来を!
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#すずめの戸締り 鍵 pic.twitter.com/6VAdOMfIpa
— 内海まりお UTUMI Mario (@mariouji) November 13, 2022
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