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2022年7月25日月曜日

【映画感想】神々の山嶺


■「神々の山嶺」観てきた。

とても良い。

登山家の心境とそれに近づいてゆく写真家。

山の風景もただリアルなだけじゃなく、

その心持ちまで描いてゆく。

怖さよりも美しさ、

畏敬の念が思い浮かぶ。

職人気質の人間の奥底を覗く。


■しかし私はこの人たちの生真面目さは苦手だ。

人間としては好きだし尊敬もするが、

友達や隣人としてはとても面倒臭そうだ。


だが、羽生が中途半端な志の仲間とは言葉少なく、

挑戦を試みようとするライバルには饒舌に山について語り出す。

そこはなんだかよく分かる。


■彼らは夢を生きているのではなく。

本当にやりたい事をやっているのだ。

多くの人がそれが何かもわからないまま暮らしていると言うのに。

彼らは早々にそれを見つけ。

やるべきこともはっきりと分かっている。

羨ましいものだ。


難しい山への挑戦は危険だし死と隣り合わせだ。

だが、やりたいことだし、やるべきことなのだ。

迷いもない。


■そんな彼らもなんの悩みもないわけじゃない。

お金がないと山は登れないし。

仲間の命を失ってしまうこともある。


地上での悩みや迷い、自分自身の意地やら世間との関わり。

それらの答えが山を登っている時に返ってくる。


■ほら、地上ではそう言っていたが。

今ここ、山でミスを犯し腕を折り

吹雪に見舞われ遭難しかかっている状況だ。

お前はなんとする?

ひとりで全てをやり遂げるのか?

仲間のロープを切り捨てるのか。

もしくはお前が切り捨てられるのか?


■誰の助けも来ない。

山は非常だ。

だが、なぜだか力が湧き上がる。

諦める気など微塵もない。


なぜだ。

その理由は分からない。


■だが、その理由がわからなくとも。

そうするべきだとは分かっているから問題はないのだ。

それが喜びなのだから。


それがそうだと分かっているのだから。

前へ進む力の炎が腹の奥に灯る。





映画『神々の山嶺』公式サイト - ロングライド




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