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2015年8月13日木曜日

「バーナード嬢曰く。」2巻 施川ユウキ【漫画感想】

■いやー、良いっすねぇ。
本好きの4人の
読書についてのトーク漫画なのだけど
それぞれがそれぞれにオタクでありヒネクレていて、
読書を楽しんでいるし。
ハッと我に返ってマニアック過ぎたかしら?と悲観したり。
いや、やっぱり大丈夫だ。と我が道を進み続けたり。



■そんな中、主人公である「町田さわ子」が特殊な存在で。
読書好きの雰囲気に憧れる、
分厚い本を読むのは面倒臭いから、簡単に読んだフリを出来る方法はないか?
だからといって要約本を読むのなんかはカッコ悪くて嫌だ。
私はちゃんとそれっぽい読書好きに見られたいのよー!

とかいう面倒臭い性格だ。

■だがしかし、彼女がいることで
ただの読書オタク集団になりがちな四人に
コミュニケーションの豊かさが広がる。

大抵のオタクは、持論を、知識を一方的にまくしたててしまうものだ。
そしてなんとなく読書好き同士では当たり前に思っていることも多い。
そういうものを町田さわ子は軽く蹴っ飛ばしていくのだ。
足払いをかますのだ。

何を言っているんだ。さわ子。
そんなわけないだろう?
…いや、あれ?間違っていたのは私の方なのか。
あれ、いや。
やっぱりそんなことは無ぇーー!!

なんてな感じで
作者の自分の思想に、自分自身でツッコミを入れて破壊するような。
とても小気味の良い展開が進む。

会話をする事で、
停滞して安定していた思考が
飛躍的に前に進んでゆくのだ。

■後半、クールなSF好きの神林さんが町田さわ子に翻弄されて。
普段言わない様なことを言ってしまったり、
思いもしなかった自分の気持ちに気付いたりするのは、
もう二人の女子の百合の様相を呈している。

とても愉快でほほ笑ましく。
心を揺さぶられるのだ。

■そして何より、本について話しているだけなのに。
あぁ、これも青春だよなぁ、と思ってしまえる。
テレビドラマには決して出て来ない様な青春模様がここにはあるように思う。

■あと、漫画内で登場する本も魅力的に感じられ読みたいなぁ、と思ってしまうのだ。

■いやー、とても良い漫画ですよ。
特にひねくれ者にはとても良い。


施川ユウキ作品は
「サナギさん」とか「森のテグー」とかオススメですが
「オンノジ」ってやつが1巻読み切りで映画みたいに素敵です。


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