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2015年2月26日木曜日

■博士と助手とタイムマシン

■「博士!タイムマシンはまだ発明されないのですか!」
「まだじゃ!」
「まだかよ~」
「というか助手くんはタイムマシンを使って何をしたいんじゃ?」
「特に何をと言うのはないですけど、すごく便利そうじゃないですか!」
「ぼんやりとした欲望じゃのう」

■「ぼんやりしててもタイムマシンがあれば大丈夫!」
「アホっぽいのう」
「アホでもタイムマシンがあれば大丈夫!」
「タイムマシンは万能ではないぞい」
「打ち身擦り傷には?」
「効かない!」
「魚を三枚におろすことは?」
「できない!」
「見逃したテレビ番組を見ることは!」
「それはタイムマシン使わなくてもできるじゃろ!」
「あ!」
「やっぱ君はアホじゃな」
「そんなアホでもタイムマシンがあれば大丈夫!」

■「ときに君はテレビ番組をハードディスクに録画したりしとるかね?」
「はい?急に何の話です?普通にしてますよ録画」
「そう、そして容量が足りなくなって結局見ないまま消したりするじゃろ」
「しますねー、そしてでもやっぱり見ようと思ったら見てないものが150時間とかあって、見れねーよ!1日24時間なのに未視聴が150時間ってどういうことだよ!って思いますねー」

■「そうじゃろ、つまり人間には時間を制御することなどできないのじゃ」
「あれ…?それはつまり…」
「そう、時間を操るタイムマシンなどというものはまだまだ人類には扱いきれぬしろものなのじゃよー!」
「わりと説得力がある!」
「じゃろ?」

■「ワシなど録画した“ビデオテープ”がレンタル倉庫に千本近く詰まっとる」
「それはもはや…」
「そう、もう死ぬまでに見返すことなどなかろうことなのにな!」
「博士、人類はまだ時間を扱うべきステージに立っていないということですね」
「そうじゃ、録画番組も消化できない人類がタイムマシンで過去に行こうが未来に行こうが大したことはできん!」

■「なんてことだ、それなのに人類はDVDで持っていたものをブルーレイで買い直したりしている…」
「愚かなことだ、だがしかし、それが人間なのかもしれないな」
「博士!」
「助手くん!人類が録画消化できるそのときまで、我々の研究は続くんじゃ!」
「どこまでもついて行きますよ!」

■「と、その前に大人気で一時製造中止になった華もち『きなこ黒みつ』『みたらし胡桃』を買って来てくれたまえ」
「いや、あれ本当に大人気でどこもかしこも売り切れですよ~」
「ふっふっふ、これに乗って行きなさい」
「なんですかこれは?…はっ!まさか!」
「そのまさかじゃ!」
「タ、タイムマシン!」

「イエス!タイムマシン完成じゃ!」


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